映画ナタリー Power Push - 「ブラック・スキャンダル」

3悪童の密約が描く、悪と破滅の美学

“俺とクソFBIが協定だと?”「ブラック・スキャンダル」主要人物相関図

ボストンの犯罪王として悪名をとどろかせたバルジャー。彼がこの地で勢力を拡大できたのはFBIの後ろ盾、弟で大物政治家のビリーの存在があった。このいびつな関係を理解したうえで、物語を隅々まで楽しんでほしい。

リンジー・シル(ダコタ・ジョンソン)
リンジー・シル(ダコタ・ジョンソン)
バルジャーの恋人。彼の一粒種、ダグラスの母親でもある。素朴で思いやりがある女性。
ビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)
ビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)
誠実で知的なマサチューセッツ州上院議員で、バルジャーの弟。後に州議会議長に就任する。兄と異なる道を歩みながらも仲が良く、社交場や母親を囲んでの夕食会などで交流を保つ。
ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー(ジョニー・デップ)
ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー(ジョニー・デップ)
サウスボストンの裏社会を支配する極悪非道な犯罪王。反面、恋人や息子、実母、弟を愛する優しい側面を持つ。狡猾でカリスマ性があり、ジミーと呼ばれ地元で慕われている。 “ホワイティ”は彼の容姿から付いた愛称。
右:スティーヴン・フレミ(ロリー・コクレイン)
スティーヴン・フレミ(ロリー・コクレイン)
バルジャーの腹心の部下。忠誠心と残虐性が高い。FBIとの密約を唯一知る人物。
ケヴィン・ウィークス(ジェシー・プレモンス)
ケヴィン・ウィークス(ジェシー・プレモンス)
バルジャーと部下のたまり場、バー“トリプル・オー”の用心棒。世間知らずのタフな若者。
ジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)
ジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)
FBI特別捜査官。NYで手柄を立てたあと、妻とともにボストンへ帰郷する。幼い頃からバルジャーに傾倒していた。出世欲が強く、イタリアンマフィア一掃の共闘関係を持つべくバルジャーを情報提供者へと誘い込む。
ジョン・モリス(デヴィッド・ハーパー)
ジョン・モリス(デヴィッド・ハーパー)
FBI組織犯罪班主任。コノリーの固い意志とバルジャーの偽りの魅力に惑わされる。
チャールズ・マグワイア(ケヴィン・ベーコン)
チャールズ・マグワイア(ケヴィン・ベーコン)
FBIボストン支局の主任特別捜査官。強い倫理観の持ち主。バルジャーとFBIの関係を疎むが、マフィア一掃のため条件をのむ。

「ブラック・スキャンダル」

「ブラック・スキャンダル」

1975年、米国サウスボストン。通称“サウシー”。マフィア排除に取り組むFBI捜査官のジョン・コノリーは、イタリア系マフィア“アンジュロ・ファミリー”と抗争を繰り広げる“ウィンターヒル”ギャングのボス、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーに敵対組織の情報を売るよう持ちかける。一度は断るバルジャーだが、敵をたたき潰すチャンスと捉え承諾。名声を望む州上院議員ビリー・バルジャーの利害も一致し、3者間の密約が成立する。彼らはこの街で生まれ育った幼なじみだった。絶大な権力を手に入れた彼らだが、永遠に続くと思われていたその禁断の関係は、バルジャーの暴走を皮切りに音を立てて崩れていく。

スタッフ

監督・製作:スコット・クーパー

原作:ディック・レイア、ジェラード・オニール

脚本:マーク・マルーク、ジェズ・バターワース

キャスト

ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー:ジョニー・デップ

ジョン・コノリー:ジョエル・エドガートン

ビリー・バルジャー:ベネディクト・カンバーバッチ

スティーヴン・フレミ:ロリー・コクレイン

ケヴィン・ウィークス:ジェシー・プレモンス

ジョン・モリス:デヴィッド・ハーパー

リンジー・シル:ダコタ・ジョンソン

マリアン・コノリー:ジュリアンヌ・ニコルソン

チャールズ・マグワイア:ケヴィン・ベーコン

フレッド・ワイシャック:コリー・ストール

ブライアン・ハロラン:ピーター・サースガード

ロバート・フィッツパトリック:アダム・スコット

デボラ・ハッセー:ジュノー・テンプル


2016年1月29日更新