「AI崩壊」大沢たかお×賀来賢人×岩田剛典インタビュー|手に汗握るリアリティにキャストも興奮!10年後の“現実”を描くサスペンス

大沢たかおが主演を務めたサスペンス「AI崩壊」が1月31日に公開される。入江悠が監督と脚本を担当した本作の舞台は、AI技術が進歩し人々の暮らしに深く浸透した2030年の日本。国民の個人情報と健康を管理する医療AI「のぞみ」のテロ行為とも言える暴走により、容疑者と目されてしまった天才科学者・桐生浩介が事件の真相に迫る姿が活写される。

映画ナタリーでは、桐生役の大沢と、彼の義弟・西村役の賀来賢人、桐生を追い詰める警察庁理事官の桜庭を演じた岩田剛典へのインタビューを実施。スタッフたちが“本物にこだわった”という大規模セットでの撮影や、日々進歩を続けるAI技術への期待などを聞いた。

取材・文 / 佐藤希 撮影 / 曽我美芽

大沢たかおコメント付きメイキング動画や主題歌「僕らを待つ場所」が聴けるAIのボイスコメント付き「涙腺崩壊プレイリスト」など、ここだけの特別コンテンツが盛りだくさん!

すごいチームが集まっていたんだなと実感(大沢)

──いよいよ公開ですね。皆さんは完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

大沢たかお

大沢たかお 各シーン、だいたいどういうロケーションだったのかは覚えているんですけど、完成したときのスケールやスピード感までは想定できていなかったので、本編を観てハラハラドキドキさせられました。今まで参加させていただいた作品は、自分の芝居が気になっちゃって集中できないことが多かったんですけど、今回は作品の持つ勢いや緊迫感のおかげで、最後まで楽しく観られました。入江監督を含めすごいチームが集まっていたんだなと実感しました。

賀来賢人 僕も試写で観てからすぐ周りの人たちに「面白い作品があるんだよ」ってお薦めしています。純粋に1つの映画として面白く、なおかつ得られるものがある。今の日本だからこそ、いろんな方に観ていただきたい作品です。

岩田剛典 手に汗握りながらのめり込んじゃって、観終わったあとの満足感がすごく高かったです。エンタテインメントとしてすごく楽しく観られたこともそうなんですが、個人的にはサスペンスやSFという好きなテイストを含んだ作品に参加できたことがうれしかったです。

作品の世界に入り込んで演じることができた(岩田)

──物語のスケールも大きいですが、ディテールにこだわったセットも見どころの1つだと思いました。「のぞみ」のコアサーバーのシーンでは、巨大な倉庫が目いっぱい使われていて、CGが使用される前にすでに規模感に圧倒されてしまいました(参照:大沢たかお主演「AI崩壊」の巨大セットに潜入、入江悠は「念願が叶いました」)。

賀来賢人

賀来 びっくりしましたよね。

大沢 確かにコアサーバーのシーンはすごかった。撮影するにしてもあれだけ大きなセットを組めるスタジオが国内にないので、あの倉庫を借りたそうです。この作品はロケーションがリアリティにあふれているところも特徴です。

──「のぞみ」が暴走した影響で交通網が完全にマヒしてパニックになるシーンは、一般の道路を封鎖して撮影されたそうですね。

大沢 現場に向かうときにこの作品の撮影だと気付かずに、なんの渋滞なんだろう?と思っていました(笑)。桐生が船を使って逃走するシーンも、甲板や廊下のセットを建てれば撮影できそうなものだと思うんですが、思い切って大きな貨物船を一隻借り切っていましたし。本物にこだわり続けて撮影していたので、印象に残っています。

「AI崩壊」

──賀来さんや岩田さんはいかがでしたか?

岩田剛典

岩田 (桜庭が指揮する)サイバー犯罪対策課の施設はかなりかっこよかったですね。桜庭は警察庁の中でも特殊な立ち位置の人物なので、イヤモニを付けて捜査を行うというビジュアル面でのアプローチや、本物感のあるセットのおかげで、作品の世界に入り込んで演じることができました。

賀来 僕は基本的に(西村が代表を務める)HOPE社での撮影だったので、ほかのセットを見学する機会がなかったんですが、「のぞみ」が生まれた大学の部屋でのシーンは印象に残っています。さびれた部屋の造り込みがとてもリアルで、少ない明かりで緊迫した状況を演出していてものすごくかっこいいんですよ。緊張感に満ちて、だんだん自分たちが苦しくなってくるような環境が芝居をするうえで助けになりました。

大沢 確かにあの部屋は実際に廃校になった大学で撮影したね。そういう細かいこだわりが映画の説得力につながっているんだと思います。