映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」 PR

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」特集|2人の宿命の対決が、国を揺るがす 五月女ケイ子の描き下ろしイラストエッセイも掲載

シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの共演作「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」が、3月15日に公開される。

スコットランドの女王メアリー・スチュアートとイングランドの女王エリザベス1世の波乱に満ちた人生を描く本作。16歳でフランス王妃となり、18歳で未亡人となったのちにスコットランドで王位に戻るメアリーをローナン、メアリーによって権力を脅かされるエリザベス1世をロビーが演じた。

映画ナタリーでは、本作の封切りを記念して特集を展開。イラストレーターの五月女ケイ子描き下ろしのイラストエッセイをはじめとして、映画ライター・髙山亜紀によるレビュー、本作の魅力を紐解くコラムを掲載する。

イラスト / 五月女ケイ子 文 / 髙山亜紀(レビュー)、秋葉萌実(P2)

五月女ケイ子が「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」のイラストを描き下ろし!

五月女ケイ子による描き下ろしイラストエッセイ。
五月女ケイ子による描き下ろしイラストエッセイ。

Review メアリーとエリザベス、2人の運命を分けた生き方

文 / 髙山亜紀

大英帝国の礎を築いた偉大な女王、エリザベス1世と彼女が処刑を命じた悲運の女王、メアリー・スチュアート。なぜ、“ふたりの女王”は反目しなければならなかったのか。「エリザベス:ゴールデン・エイジ」など、たびたび、描かれてきた2人の悲劇的な関係だが、この「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」ほどわかりやすく、私たちの感情に訴えかけてくる作品はこれまでなかったように思う。

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」より、マーゴット・ロビー演じるエリザベス1世。

ザ・ヴァージン・クイーンと呼ばれ、「処女のまま生き、処女のまま亡くなったと墓に刻まれても満足」とさえ宣言したエリザベス1世。恋愛で自身の目を曇らすことなく、男たちに頼るどころか互角に渡り合っていく。一方、メアリーは奔放に恋に落ち、結婚、出産も経験。そのせいで自身どころか、国の存在までが危ぶまれる。

女王として威厳に満ち、誰も寄せ付けず、孤独に生きたエリザベスと、女王でありながら気持ちの揺れるままに大胆な行動に出るメアリー。2人を見ていて、つい思い出したのが「アナと雪の女王」だ。城の部屋に閉じこもり、誰とも触れ合わず自分を抑えて生きるエルサと隣国の王子と出会っていきなり恋に落ち、その日のうちに結婚の約束までしてしまうアナの姉妹。2人は王女として生まれながら、真逆の性格を持っており、お互いにあきれる気持ち半分、うらやましい気持ち半分で、だからこそ2人で補い合って寄り添って生きていける。

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」より、シアーシャ・ローナン演じるメアリー・スチュアート。

真面目で繊細な姉と肝の据わった自由な妹。エリザベスとメアリーの関係に触れ、もしかして、エルサとアナの原型は2人だったのではないかと疑うほど重ね合わせていた。「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」の原作は、エリザベスとメアリーのまるで姉妹のような往復書簡がベースとなっている。従姉妹同士の2人だったが、その関係はまさに姉妹。危なっかしい妹にハラハラさせられて放っておけない姉と、生真面目な姉の生き方に反発しながら、どこか頼りにしている妹。実際の姉妹たちがそうであるように、エリザベスとメアリーも会わずとも心を通わせていたのだろう。だからこそ本作の肝である、史実にはなかったという2人だけの対面シーンに胸が震える。別れ別れだった2人がやっと会えた。これから、力を合わせていける。アナを避け続けたエルサが彼女を受け入れたように、2人もきっとそうなれる間柄だったはずなのに。

女性である前に女王だったエリザベスと女王の前に女性だったメアリーの運命を分けた生き方。果たして、どちらが幸せだったのか。「アナ雪」でも姉派、妹派で真っ二つになったように、今回もエリザベス派、メアリー派で大いに意見が分かれそうである。

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」
2019年3月15日(金)より全国公開
ストーリー

生後6日でスコットランド女王、16歳でフランス王妃になったメアリー・スチュアート。18歳で夫を亡くした彼女は、スコットランドへ帰還して女王に戻るが、当時の同国は隣国イングランドを統治するエリザベス1世の強い影響下にあった。生まれたときから王位継承権を巡るライバルだった2人は、手紙でのやり取りを続けるうちに互いを意識し合い、魅了されるようになるが……。

スタッフ / キャスト

監督:ジョージー・ルーク

脚本:ボー・ウィリモン

出演:シアーシャ・ローナン、マーゴット・ロビー、ジャック・ロウデン、ジョー・アルウィン、イアン・ハート、デヴィッド・テナント、ガイ・ピアースほか

五月女ケイ子(ソオトメケイコ)
山口県出身。イラストレーターとして活躍しているほか、コラムニスト、タレントとしても活動。主な著作に「新しい単位」「バカ昔ばなし」「親バカ本」などがある。