ディーン・フジオカ「オラン・イカン」は「縁の深いインドネシアで命を懸けて作った」

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ディーン・フジオカがメインキャストとして出演した映画「オラン・イカン」のワールドプレミアが、第37回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で本日10月30日に開催。フジオカと監督のマイク・ウィルアンが上映後のQ&Aに登壇した。

左からマイク・ウィルアン、ディーン・フジオカ

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「オラン・イカン」ポスタービジュアル

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世界の国際映画祭で注目された話題作や邦画の最新作などが扱われる同部門。太平洋戦争中のインドネシアが舞台の「オラン・イカン」では、上官に反抗した罪で軍法会議にかけられることになった日本兵の斎藤と、イギリス人捕虜のブロンソンが、日本への輸送船が沈没したことによって流れ着いた島でモンスターと戦うさまが描かれる。斎藤をフジオカが演じた。なお本作に登場するオラン・イカンとは、インドネシア沖の島に言い伝えられる魚の尾と人間の体を持つ人魚の民話がもとになっている。

左からマイク・ウィルアン、

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ウィルアンは「緊張しています」とはにかみつつ、「ディーンさんはスター俳優であるだけでなく、一緒に作品を作る仲間です。次回作も一緒に撮りたいと思っています」と述べて信頼をうかがわせる。フジオカは「途中から自分もプロデューサーの1人としてこの作品に関わることになり、この作品を皆さんにお届けするところまでたどり着けたことがうれしい」と喜びをあらわにし、「“オラン・イカン”とはなんなのか……寿司、刺身、トロなどいろんな説がありますが、皆さん自分自身の目で確かめてみてください」と呼びかけ、会場の笑いを誘った。

マイク・ウィルアン

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本作には、シンガポールを代表する映画監督エリック・クーもプロデューサーとして参加した。モンスター映画を企画したことについて、ウィルアンは「エリック・クー監督も私もモンスター映画が大好き」と口にし、「オラン・イカンというのは、あまり知られていない民話なんですが、調べてみると、戦争中に日本兵がオラン・イカンを見たという報告もあったんです。私はアジア人として自分たちの『大アマゾンの半魚人(1954年製作のSFホラー映画)』を作りたいと思っていましたし、クリーチャーと人間のつながりを描くホラーを超えた作品にしたいと思っていました」と話す。フジオカは「最初に脚本を読んだとき、もちろんホラーフィルム、パニック映画というイメージは受けたんですけど、同時に“ハートが揺さぶられる物語だ”と感じました」と回想した。

ディーン・フジオカ

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映画の要素の1つである民話について聞かれたウィルアンは「知らないものへの恐怖や畏敬の念は、何世代にもわたって脈々と受け継がれていく。“見ていない”からこそ伝わっていくが、(日本兵がオラン・イカンを)見たという記録がまた文化的な要素を加えている。歴史と民話を融合した作品です」と説明する。2006年の第19回以来18年ぶりに東京国際映画祭に参加したフジオカは「当時は中華圏を中心に活動していて、俳優としてのキャリアがこんなに長く続くとは思えずにいた。衝動のままいろんな出会いに導かれ、いろんな国に渡って、巡り巡って縁の深いインドネシアで命を懸けて作った作品を、こうして皆さんに届けられたことは1つの奇跡だと思っています」としみじみと語った。

マイク・ウィルアン

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またウィルアンは撮影時に関して「スマホの電波も届かないインドネシアのジャングルの中で撮りました。いつも屋内で撮っていたから野外で撮りたいという気持ちはあったけど、まさかこんなにタフだとは思わなかった」と振り返り、毎日フジオカが45分かけて歩いて現場に来ていたことも明かす。続けて「タフでなければいけないジャングルの中で撮ったということが、この作品に重層的な要素を与えてくれた。とてもローカルでありながらグローバルな、自分が地球の一部だと感じられるような普遍的な作品に仕上がったのではないでしょうか」とコメントした。

観客と自撮りをするマイク・ウィルアン(左)とディーン・フジオカ(右)

観客と自撮りをするマイク・ウィルアン(左)とディーン・フジオカ(右)[拡大]

「オラン・イカン」の日本配給は未定。第37回東京国際映画祭は11月6日まで東京の日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催されており、同作は有楽町よみうりホールにて11月3日19時からの上映も予定されている。

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(c)SC Films International

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