巨人傳

キョジンデン

上映時間:127分 / 製作:1938年(日本) / 配給:東宝東京

解説 ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を映画化した、伊丹万作最後の監督作品。時代を幕末から明治維新直後に設定し、前科者で何度も脱獄を試みたものの失敗、19年の刑に処された大沼という男が、ついには役人を殺して脱獄に成功、時代の混乱に乗じて世の中を渡り歩いていく姿を描く。ある時、彼は不幸な少女・千代子を引き取り、育て上げていくのだが……。これまでにもゴルズワジーの『逃走』を翻案した「逃げ行く小平次」、モルナールの『リリオム』の翻案「金的力太郎」で多大な評価を得ていた伊丹が、再び『レ・ミゼラブル』を見事に日本の風土に展開した作品。この頃から闘病生活に入った彼は、以後、稲垣浩の「無法松の一生」「手をつなぐ子ら」など脚本を担当したのみで、ついに監督に復帰することなく、1946年、世を去った。

情報提供:ぴあ

スタッフ

監督:伊丹万作

キャスト

三平/大沼氏/未決囚三吉:大河内伝次郎
千代:原節子
お国:堤真佐子
幼時の千代:片桐日名子
清家竜馬:佐山亮
曽我部弥次郎:丸山定夫
和尚:汐見洋
鳴門屋:小杉義男
仙波老人:御橋公
五郎:今泉啓

お仙:清川虹子
お筆:英百合子
熊吉:小坂信夫
安造:柳谷寛