小説「ソードアート・オンライン(以下:SAO)」シリーズの刊行10周年を記念した、体験型展示イベント「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル-」。今夏東京で開催された本イベントでは、ソニーの最先端技術を駆使して作品の世界を体感できるコーナーや、貴重な資料などが多数展示され、開催地の秋葉原をファンの熱気で包んだ。
コミックナタリーでは、2020年1月の京都開催を記念し、「SAO」シリーズのファンだという“デジタル声優アイドルグループ”22/7(ナナブンノニジュウニ)の海乃るり、高辻麗にイベントの内覧会に参加してもらった。最新技術で再現されたキャラクターとの遭遇に大興奮し、そしてファン必見の映像に涙も流した2人の様子を動画とともにお届けする。
取材・文 / 粕谷太智 撮影 / 石橋雅人
作中に登場する研究開発機構《ラース》をモチーフに、ソニーの最先端技術を駆使して「ソードアート・オンライン」の世界を表現した体感型展示イベント。参加者を作品世界にいざなう映像体験や、貴重な資料から「SAO」シリーズを振り返る展示が集結し、「SAO」の“歴史”から、最新技術による“未来”までを体感できる。
興奮・涙・死闘「ソードアート・オンライン」の世界にリンクスタート!
──これから回っていただく「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル-」は、小説「SAO」シリーズの刊行10周年を記念したイベントです。おふたりはいつ頃「SAO」シリーズと出会われたんですか?
高辻 私はアニメの放送がスタートした2012年頃だと思います。学校でも友達と「SAO」のことをよく話していて。図書室にあった「SAO」の小説を朝読書の時間にずっと読んでました。「SAO」と一緒に学校生活を送ってたなって思います。
海乃 私もアニメの第1期から観始めました。ちょうどアニメにハマりだした時期でもあったので、私の中ですごく大きい存在なんです。当時は「SAO」みたいなゲーム世界に憧れていて、まだVRとかも今ほど一般的ではなかったので、どうやったらあんな世界に行けるのかネットでめちゃくちゃ調べたりしてました(笑)。
──これから回っていただく展示イベントでは、海乃さんの憧れた「SAO」の世界に少し近づいた体験もしてもらえると思いますよ。22/7の活動で担当キャラクターの動きも担当しているおふたりには馴染み深いモーションキャプチャ体験もあるので楽しみにしていてくださいね。それでは行ってみましょう。
仮想世界への入り口「映像トンネル」
入場して最初に現れるのは、仮想世界への入り口を思わせる大きなゲート。それをくぐったトンネル内にはアニメ「SAO」シリーズに登場する用語や映像がずらりと並ぶ。
2人が聴いているのは、会場で貸し出しているソニー提供の「Sound AR」の技術を駆使した“新しい音声ガイド”。「ダミーヘッドマイクでささやかれてるみたい!」「わかる、ここにいるよね!」と、2人が驚くように、オープンイヤースタイルの専用イヤホンにより、キャラクターの音声が周囲の音とブレンドされ、まるで隣から話しかけられているかのような音声体験が楽しめる。この「映像トンネル」では、作中に登場する菊岡誠二郎による解説を聴くことが可能だ。
AIのアリスと対面!「ラースコンソール」
映像トンネルを抜けると、今回のイベントのモチーフにもなっている研究開発機構《ラース》の研究施設を模した展示「ラースコンソール」がお出迎え。作品世界を再現した展示や、事前に収集した会話データを学習した来場者のコピーAIとアリスの会話を楽しむことができる。
このコーナーでは、イベント開催前に実施されていた施策「比嘉くんのつくろうAI!育てよう性格!」にて、来場者が事前に専用サイトからアリスとの会話を入力しておくと、そのデータをもとに機械学習した来場者のコピーAIがアリスと自動対話を繰り広げる。アリスの音声はソニーモバイルコミュニケーションズの独自技術で作られた合成音声だ。内覧会の際にはサイトから登録された会話がランダムに流されており、2人にもその様子を見学してもらった。
高辻は作中でもAIとして登場するアリスとの対面が思い出に残ったようで、「アニメや小説だと、アリスちゃんの人間らしいところがいっぱい描かれていて、普通の人間のように見ていたんです。でもこの展示を見て、作品に出てくるアリスちゃんも『AIなんだよな』って改めて気づかされました」と、AIを目の前にした感動を話してくれた。
2人の推しは? 敵キャラクター並ぶ事件史コーナー
アリスとの会話を楽しんだ後に待ち受けるゾーンでは、茅場晶彦、オベイロン、《死銃(デス・ガン)》ら主人公・キリトを苦しめてきたキャラクターたちが登場する。音声ガイドから聞こえるセリフに「キャッ♡」とうれしい悲鳴を上げた高辻は、推しキャラの新川恭二と一緒に写真撮影。海乃から「敵キャラクターを見る表情とは思えない」とツッコまれるほどキラキラとした目で新川を見つめていた。
オベイロン(須郷伸之)を思い出深いキャラクターとしてチョイスした海乃。高辻とは対照的に、怪訝そうな表情を浮かべながらオベイロンとの2ショットを撮る海乃は、「女の子をぺろぺろするアニメを観たのが初めてだったんです……」と、彼の変態性がうかがえる有名なシーンとの衝撃的な出会いを語ってくれた。
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名場面・名言の連続に涙、まるでプレイヤーになったような映像体験
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project