「迷子は不思議列車で旅をする」超特急インタビュー|AR技術で、僕らと一緒に旅しよう

舞い上がり症をグッ!と抑えた(ユーキ)

──アフレコはいかがでしたか?

タカシ 僕はどれだけ自然に話せるかということを大事にしました。普段、このセリフを言わなきゃとか、こういうふうにしゃべろうとか前もって考えると、いざ本番で緊張してやりたかったことができなくなっちゃうんです。だからどれだけフラットな気持ちで挑めるかというのを意識しました。何回かテイクを重ねたら緊張も溶けていって、無事に落ち着いてできたんじゃないかなと思います。

カイ 監督も語尾とか言い回しは柔軟に変えていっていいですよって言ってくださったので、僕たちも自分らしい言葉で伝えることができてやりやすかったよね。

「迷子は不思議列車で旅をする」より。

ユーキ 僕はタカシと逆で、ちょっと声色を変えようと意識したんです。普段はテンション高めにワーキャー言っているんですけど、今回は聞いてくださる人に癒しを届けられたらいいなというか。舞い上がり症なところをグッ!と抑えました。

カイ 舞い上がり症って(笑)。でも確かに、迷い込んだ主人公を穏やかに導く感じが普段のユーキとは違った印象ですごくよかった。

ユーキ しかも出だしだったので。出だしって作品のイメージを大きく左右する重要なパートじゃないですか。そこを任せていただいたということで責任もより強く感じていたので、こうやってメンバーに褒めてもらえてうれしいです。

ユーキ

浪川大輔さんのおかげで自信を持てた(リョウガ)

──ちなみに以前、皆さんは冠番組の「超特急の撮れ高足りてますか?(以下、トレタリ)」で浪川大輔さんに声優スキルを学んでいました。その際はイケボとして知られるリョウガさんがもっとも撮れ高を作ったメンバーということで“MVT(Most Valuable Toretari)”に輝いていましたけど、今回の“MVP”を決めるなら誰ですか?

ユーキ やっぱりリョウガは、今回もMVPを取りにきているなって感じがありましたね。僕のアフレコがリョウガの次だったんですけど、余程スムーズにいったのかすごく巻いて終わったんですよ。

タカシ 僕も普段からリョウガの声のお仕事に対しての情熱は感じているし、実際にキャラクターの声を聞いてもさすがだなと思いました。主人公にリカルドがある試練を課すシーンがあったんですけど、声が落ち着いていたので説明がすんなり入ってきたというか。

リョウガ 今回がうまくできていたとしたら、それは「トレタリ」で浪川さんに学んだことを具体的に生かしたというよりも、浪川さんの演技指導を1度受けたことがあるぞという自信が持てたからかなと思います。そのおかげでアフレコブースにも堂々と立っていられました。

リョウガ

8号車だけじゃなく、全方位に向けたエンターテイメント(タカシ)

──物語のラストでは超特急のニューシングル「Asayake」が使用されていますが、主人公の心情ともリンクするような楽曲ですね。

タクヤ この曲は、聴いている人をすごく肯定してくれるんですよ。「『らしさ』って誰かに決められたものじゃない 自分で掴んだ自分がどうしようもなくていい」というAメロの歌詞もそうなんですけど、ありのままの自分でいいんだっていうことを1曲通して教えてくれます。8号車が聴いたら超特急が近くで寄り添っているように感じられると思いますし、何も知らずに聴いてくださった方も元気をもらえるような温かみのある楽曲です。ネタバレになっちゃうので詳しく言えないですけど、この「Asayake」が使われているシーンでの演出は本当に綺麗なので注目してみてください。

──最後に、この「迷子は不思議列車で旅をする」の魅力を改めて教えていただけますか?

ユーキ このご時世で人となかなか触れ合えない中、ARってとても夢を与えてくれる先端技術だと思うんです。スマホを通して、皆さんと僕らで一緒に旅ができる。あくまでもアニメーションですけど、物語の中に没入する感覚を体感できる素晴らしいコンテンツだなと思います。

タカシ 小説とか音楽でも頭の中に情景が浮かんでくるものがありますが、ARってそれをもっとリアルに具現化してくれるものですよね。どこを見ても景色が途切れず、自分がそこにいるかのような臨場感を味わえる。だから1回体験してみた後、また違った角度から見ていただいてもいいですし、パートも選択できるので、今度は違った順番で進めてみるなんてことをしてもいいと思います。8号車だけではなく、全方位に向けたエンターテイメントなのでぜひ一度試してみていただきたいです。

タカシ
超特急