コミックナタリー PowerPush - ヒバナ

高木ユーナ「ドルメンX」×野田彩子「いかづち遠く海が鳴る」×長田亜弓「椿と罪ほろぼしのドア」

次元なんて関係ない!私たちの愛すイケメン放談

つり眉タレ目は美形の記号

──2次元と3次元が共通してるんですね。野田さんの新作「いかづち遠く海が鳴る」には、前作の「わたしの宇宙」にも、デビュー作「鮫島さん」にも登場した鮫島というキャラクターが出てきます。鮫島は野田さんの好みの男性なんでしょうか?

野田彩子「いかづち遠く海が鳴る」より。奔放な謎の美女と、イケメン男性との関係を軸とした“王道恋愛マンガ”。

野田 あー、そうですね、好みというのもあるんですけど、私の中での、美形の記号ですね。オールバックでおでこ出てて、つり眉タレ目、二重のイケメン。

──長田さんと同じく、タレ目は人気ですね。

野田 つり眉タレ目はやっぱり美形の記号だと思うんです。つり目よりタレ目のほうが、ぱっと見美形に見えるんですよね。私の推しメンの大久保くんもタレ目なんですよ! この大久保くんはALTAR BOYZというものに所属してましてね。ご存知ですか? ALTAR BOYZ! 私、去年ほぼ全通(すべての公演に通うこと)したんですけどね、担当さんには同じ公演を何度も観る心情がわからないって言われました。でもアドリブが違ったり、振り付けが違ったりしたらそれはもう別物じゃないですか。

長田亜弓は「椿と罪ほろぼしのドア」の主人公を描いた。

高木 “通い”に関して最近私が思うことは、そのときその瞬間、その人がそれをしているのは今しかないかもしれないというものを、「1回観たからいいいや」って思えたらそれでいいし。逆にもう観られないなら行けるだけ行って自分の最善を尽くしておくべきだってことなんです。

野田 観ない後悔より観る後悔ですよ。

高木 本当にそれです。なんであのときもっと行かなかったんだろうって思うよりは、いっぱい行って「行き過ぎたなー」って後悔するほうが全然いいかなって。彼が真剣にやってるんだから、こっちも真剣に赴いて、最善を尽くさなきゃ。

長田 (ほほえみながら2人のアツい会話を見守る)

ヒバナ新連載3作の見どころは?

──長田さんがずっと母のような顔でおふたりを見守ってますが、では最後にそれぞれヒバナで始まる作品の見どころを教えていただけますか。

高木 今回私が描いた作品は、アイドルを目指す男の子4人の話です。若手イケメン俳優と言われる子たちの仕事って、あくまで俳優であってアイドルではないんです。ですから自分自身をアイドルとして認識している子はほとんどいないと思うんですけど、そこであえて主人公たちはアイドルを目指すと宣言して動きます。そういうのっていろんな葛藤があると思うんですけど、重くなりすぎず、コミカルに描けたらいいなと思ってます。アイドルとかそういうものを嫌いだと思ってる人にぜひ読んでもらいたいですね。

長田 私のお話は、主人公がある日突然やってくる魔法使いに対してものすごく迷惑がるところから始まります。彼の苦々しい顔を楽しんでもらえたらいいなと思います。

スケッチブックには三者三様のイケメンが描かれ、鼎談は幕を閉じた。

野田 私は今回、ド正面から男女の恋愛ものに挑戦しています。別名義(新井煮干し子)でボーイズラブを描いているんですが、まがりなりにも「ラブ」と付いているのに、きちんとそういうものを描くのに苦手意識があるので……。きっちりした恋愛ものにできたらいいなと思ってます。担当さんにも「王道恋愛マンガ」とキャッチを付けられているので。

──ありがとうございました。

「ヒバナ」1号 / 2015年3月6日発売 / 680円 / 小学館
「ヒバナ」1号

笑いたい、泣きたい、喜びたい、怒ってからスカッとしたい、シビれたい、憧れたい、惚れちゃいたい。

たった今の気持ちをたった今かなえてくれるキャラクターたち。

マックスになりたいテンションに「着火」する新しい青年コミック誌を、やります。

掲載ラインナップ
  • 「雪花の虎」 東村アキコ
  • 「アフターアワーズ」 西尾雄太
  • 「コマさん~ハナビとキセキの時間~」 柴本翔
  • 「しまなみ誰そ彼」 鎌谷悠希
  • 「いかづち遠く海が鳴る」 野田彩子
  • 「或るアホウの一生」 トウテムポール
  • 「ドルメンX」 高木ユーナ
  • 「椿と罪ほろぼしのドア」 長田亜弓
  • 「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」 荒井ママレ/渡辺俊美
  • 「スラップスティック」 青野春秋
  • 「最近の赤さん」 とよ田みのる
  • 「ロボッとうさん」 有永イネ
  • 「三十路飯」 伊藤静
  • 「ありごけ」 漆原ミチ
  • 「ふたがしら」 オノ・ナツメ
  • 「子連れ同心」 オノ・ナツメ
  • 「あちらこちらぼくら」 たなと
  • 「ロッタレイン」 松本剛
  • 「ドロヘドロ」 林田球
別冊付録

「勇者たち」 浅野いにお

長田亜弓(ナガタアユミ)

長田亜弓

2013年、「のうけん」で第60回月刊IKKI(小学館)新人賞・イキマンを受賞しデビュー。それが初連載作「のうけん」としてスタート。ネタを高密度に詰め込んだハイスピード学園コメディとしてアンケート上位を獲得。「まだまだ描けるネタたくさん!」ではあったが月刊IKKI休刊でやむなく終了、単行本全1巻(小学館刊)にまとまる。ヒバナ発刊にあわせ、以前より構想をあたためていた魔法物語を連載開始。

野田彩子(ノダアヤコ)

野田彩子

2011年、「鮫島さん」で第49回月刊IKKI(小学館)新人賞・イキマンを受賞しデビュー。初連載作品となる「わたしの宇宙」全2巻(小学館刊)は、刊行と同時に大きな話題となり、朝日・読売新聞コミック評のほか、週刊文春(文藝春秋)などでも取り上げられた。BL用の別名儀・新井煮干し子としても活躍中。「ヒバナ」では、満を持しての“超強力王道恋愛漫画”に挑戦する。

高木ユーナ(タカギユーナ)

高木ユーナ

2013年、別冊少年マガジン(講談社)掲載の「ケガ少女A」でデビュー。初連載作「不死身ラヴァーズ」全3巻(講談社刊)では溢れる熱量と疾走感で唯一無二の恋愛を描き、話題となった。ヒバナでは全力で“アイドル”を目指す男子たちを描く「ドルメンX」を連載。5月より携帯アプリ「マンガボックス」でも連載開始予定。