FLOW「TRIBALYTHM」インタビュー|ジャンルも国境も越え、FLOWの音楽でひとつになる 「GO!!!」から15年、11枚目の自信作

エンペラー吉田かジェット浪越で悩んだ(KOHSHI)

──ここまではタイアップ曲を中心に話を聞いてきましたが、それらも含めて本作はイントロやアウトロ、アルバム用の新曲までワールドミュージック的な要素でまとめている印象があります。これは2018年に行われたワールドツアーの影響なのでしょうか?

TAKE サウンド面ではそれより前の「風ノ唄」がきっかけだと思います。テーマ的には「アニメ縛り」ツアーで強く感じた、“ロック畑から入った人もアニメ畑から入った人も、FLOWの音楽のもとでひとつになる”という、共存や共生という思いが、「TRIBALYTHM」というテーマにつながりました。

──前作「#10」から実に3年ぶりの新作ですが、その間も休んでいる印象がありません。

GOT'S ミニアルバムもリリースしたし、「アニメ縛り」ツアーやワールドツアーもしていたから、「もう3年も経ったんだ」という感じです。前は1年に1回くらいのペースでアルバムを出していたけど……。

TAKE よく1年に1回作っていたよね。表現したいものはそんなに変わらないだろうに(笑)。

GOT'S 今回はじっくり3年間ライブをやって、いろんな世界を回ってきて。その活動が繋がって、まとまりがある1枚になったかなと思います。

KOHSHI さっき「風ノ唄」でFLOWの新しい世界が広がったという話があったけど、それを柱として「TRIBALYTHM」というテーマのもとにこのアルバムが完成して。統一感もあるし、3年間で付けてきた力も表現できたと思う。

IWASAKI この3年間を凝縮した感じで、11枚目にして本当に自信作が生まれたかな。FLOWにとっての新しい時代に持って行ける1枚になった。

──手応え十分のようですね。アルバム曲の中で特に印象的だったのが「Smells Like 40 Spirit」と「アイオライト」でした。「Smells Like 40 Spirit」はアラフォーには懐かしいネタをミクスチャーロックに乗せてラップするというもので、単純に面白いし、ネタもマジもフラットに扱っている点が、「TRIBALYTHM」というテーマにマッチしているなと。

KOHSHI 30代になったときに「Smells like thirty spirit」という曲を作ったんです。41歳になって「その続編を書きたいな」と思っていたら、ちょうど俺らが10年以上前に聴いてたような“ザ・ミクスチャー”なデモが上がってきたから、「これだ!」と。それで思い入れが深いものを歌詞に全部詰めこみました。

──懐かしい単語が怒涛のごとく並びますよね。エンペラー吉田なんて、ここで触れられなかったら一生思い出さなかったかもしれません。

KOHSHI 同世代の人がクスっとなるような感じがいいかなと思って。ジェット浪越と悩んだんですよ。

KEIGO どっちでも震えますよね(笑)。最初に歌詞だけ送られてきたんですが、まず「よし、1つずつ話そう!」と思いました。

──出てくるワードが、どれも同世代ならじっくり話したくなるものばかりですもんね。「メローイエロー」から始まって「ブタミントン」で終わる曲はもう一生出会わない気がします。

GOT'S いやあ、時代を感じますよねえ。

──そしてアルバムのアウトロに入る前に、直球パンクの「アイオライト」で締められるのもいいですよね。それまでいろんな楽器を使っておいて……。

TAKE そこまで散々音を足しているのに、最後に一気に引くっていうね。

──「アニソンでもロックでも楽しければいいじゃん!」というメッセージを強く感じました。

TAKE その意図を感じ取っていただけたならありがたいです(笑)。

俺らの根はバラエティ(TAKE)

──本作の初回生産限定盤の特典Blu-rayには「FLOW LIVE BEST 2019 in日本武道館~神祭り~」(参照:FLOW、みんなで作り上げた10年ぶり日本武道館公演)の模様が収録されていますが、映像は観られましたか?

TAKE 観ながら副音声を入れました。「神祭り」では26色のペンライトを販売させていただいて、皆さんがその色を曲ごとに変えてくれたんですけど、メンバーごとにカラーを決めてあって、(TAKEの担当カラーの)黄色が多かったですね。やっぱり黄色ですね。

GOT'S なんだこいつ(笑)。FLOWにとってBlu-rayは初めてなんですよ。10年前の武道館ライブ映像はDVDでリリースしたので、ライブが全部入れられなくてMCをカットしたりして。でも今回はきちんと全部入って、しかも高画質。顔の細かいところまで観られますよ。

KOHSHI 10年前と観比べてもらえれば。

GOT'S 粗を探してください(笑)。

TAKE アニソンとしては「NARUTO」や「コードギアス」のほかに、「エウレカセブン」「ドラゴンボール」「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」「デュラララ!!」「サムライフラメンコ」……。

──あとGRANRODEOと歌った「七つの大罪」のテーマソング2曲もですね。GRANRODEOとは何度も共演されていますが、もう慣れたものですか?

TAKE 楽曲的には「Howling」が3年ぶりだったけど、その間も1年に1、2回は一緒にステージに立たせていただいて。

KEIGO 一緒に海外まで行きましたから。

KOHSHI あんなにわちゃわちゃできるステージはあまりないから、やっていてすごく楽しい。しかも3人で歌い分けるし、サビもKISHOWさんに任せがちだから楽だし(笑)。

──その映像はもちろん見応えがありそうですが、同じくBlu-rayに収録されている「ビストロFLOW ブラジル料理対決」や「世界のききビール対決」が気になっていまして……。FLOWはバラエティ方面にも力を入れていくのでしょうか?

一同 わはは!

TAKE 俺らの根はバラエティなんですよ。

KEIGO ファンクラブ用の動画では毎年こういうことをやってるんです。それでせっかくBlu-rayを出すから、この機会にファンクラブの会員以外にも観てもらおうと。

TAKE すごいですよ。「ビストロFLOW」はブラジル大使館を動かしましたから。

KOHSHI 大使館の偉い方にわざわざ来ていただいて、俺らが作ったブラジル料理の判定をガチでしてもらいました。

TAKE 世界的に有名なブラジル人のパティシエの方にも来ていただいて。もうブラジルの親善大使になるしかない。

KOHSHI マルシアさんじゃなくて俺らで、みたいなね。まぁ、バラエティ方面は反響次第では引き下げます(笑)。

TAKE 「ちゃんと音楽だけやります」って言ってね。

──ライブ映像に負けず劣らず気になります。それでは最後に、5月から始まる全国ツアーに向けての意気込みを教えてください。

GOT'S まず曜日が素晴らしい。武道館はド平日だったから。

TAKE 申し訳なかった!

KEIGO 前回は平日に来てもらっちゃったからね。今度は週末に皆さんの街に行きます。

──新木場STUDIO COASTくらいの規模のライブハウスで、今のFLOWのライブを観られるのは楽しそうだなと今回のアルバムを聴いて感じました。

IWASAKI STUDIO COASTは超久々だよね。4、5年ぶりくらい?

スタッフ 約7年ぶりです。

GOT'S 福岡DRUM LOGOSも久々だし、仙台Rensaはワンマンでは初めてか。

TAKE 「神祭り」に集まった人にはぜひ来てほしいですね。あと「アニメ縛り」のツアーに来た人も。FLOWのライブをより濃く感じてもらいたいです。

FLOW
FLOW「TRIBALYTHM」
2019年4月10日発売 / Ki/oon Music
FLOW「TRIBALYTHM」初回限定盤

初回限定盤 [CD+Blu-ray]
7480円 / KSCL-3143~4

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FLOW「TRIBALYTHM」通常盤

通常盤 [CD]
3240円 / KSCL-3145

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CD収録曲
  1. TRIBALYTHM -Intro-
  2. 風ノ唄
  3. Break it down
  4. 火花
  5. liENDULUM
  6. サンダーボルト
  7. INNOSENSE
  8. 音色
  9. BELIEVER
  10. Smells Like 40 Sliirit
  11. BURN
  12. ONENESS
  13. アイオライト
  14. TRIBALYTHM -Outro-
初回限定盤Blu-ray収録内容
  • 15th Anniversary Final「FLOW LIVE BEST 2019 in日本武道館~神祭り~(全25曲/約150分)
  • Documentary of FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館~神祭り~
  • Documentary of 15th Anniversary TOUR 2018 "Anime-Shibari" -Latin America Tour-
  • TRIBALYTHM企画 2番勝負 ビストロFLOW ブラジル料理対決
  • TRIBALYTHM企画 2番勝負 世界のききビール対決
FLOW(フロウ)
FLOW
1998年に兄弟であるKOHSHI(Vo)とTAKE(G)が結成したミクスチャーロックバンド。1999年にKEIGO(Vo)とGOT'S(B)、2000年にIWASAKI(Dr)が加入し、現在の編成となる。2003年7月にシングル「ブラスター」でメジャーデビュー。2005年6月にリリースしたシングル「DAYS」がTVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のオープニングテーマに起用されて大ヒットし、一躍人気を高める。2015年2月にはアニメ作品への提供曲を収録したベストアルバム「FLOW ANIME BEST 極」をリリース。2018年には「15th Anniversary TOUR 2018『アニメ縛り』」と題して全国と中南米でのツアーを行った。2019年1月に10年ぶり2度目の日本武道館公演を実施。4月10日に約3年ぶりのニューアルバム「TRIBALYTHM」をリリースし、5月からは全国7都市を回るツアー「FLOW LIVE TOUR 2019『TRIBALYTHM』」がスタートする。