FLOWとORANGE RANGEのコラボシングル「デイドリーム ビリーヴァー」が11月16日にリリースされた。
「デイドリーム ビリーヴァー」はテレビアニメ「15周年 コードギアス 反逆のルルーシュ R2」第2クールのオープニング主題歌。2008年に放送された「コードギアス 反逆のルルーシュR2」のエンディングテーマとして「WORLD END」を提供したFLOWと、同じくオープニングテーマ「O2」を提供したORANGE RANGE(「シアワセネイロ」でエンディングテーマも担当)がタッグを組み、「コードギアス」の15周年記念作品を盛り上げる。さらにシングルのカップリングにはFLOW による「O2」のカバーと、世界中のDJ、アーティストが参加するSACRA MUSICによる“EDM REMIX”企画「SACRA BEATS ANIME REMIXES」の1曲として今年の2月に配信リリースされた「COLORS(James Landino Remix)」も収録される。
音楽ナタリーではFLOWとORANGE RANGEのMC陣にインタビュー。東京と沖縄をリモートでつなぎ、FLOWのKEIGOとKOHSHI、ORANGE RANGEのRYO、HIROKI、YAMATOにお互いの関係性やコラボの経緯、制作過程を語り合ってもらった。
取材・文 / ナカニシキュウ
生き別れの兄弟です
──まずFLOWとORANGE RANGEの関係性について伺いたいんですが、出会いはいつ頃になるんですか?
RYO(ORANGE RANGE) 相当さかのぼるよね。
KEIGO(FLOW) お互いデビュー前だもんね。RYOなんて、当時まだ制服着てたし。
KOHSHI(FLOW) 20年くらい前?
RYO 学園祭か何かで対バンさせてもらったのが最初だと思うんですけど、めちゃめちゃすごい先輩バンドなので、しゃべるのも緊張してたのを覚えてますね。HIROKIに関してはサインをもらいに行ったりとか、そういうレベルで。
KEIGO 確かにその印象は強烈に残ってるよね。
KOHSHI うちらもデビュー前で、そんなサインを求められるような存在ではなかったから。
HIROKI(ORANGE RANGE) ちょっと待って、たぶんそのときサインしてもらったTシャツ、まだある。しゃべってつないどいて(画面から離れる)。
KOHSHI マジか! すげえすげえ(笑)。
KEIGO それはアツいね!
HIROKI (赤いTシャツを手に画面前へ戻ってきて)ほら、あったぞ! でも、どれが誰のサインかわかんないんだわ。
KEIGO 画面越しだと全然わかんない(笑)。
KOHSHI 無地にしか見えない(笑)。でもすごいね、そのときのTシャツをまだ持ってるんだもんね。
KEIGO 何か書いてあるっぽいのが辛うじてわかるレベルだけど(笑)。
KOHSHI 当時のFLOWは沖縄限定でシングルを出していたりしてて、沖縄での活動が活発だったんですよ。だから全国的にはまだまだFLOWなんて誰も知らなかったんだけど、沖縄でだけ名が知られていて。だからそうやって対バン相手からサインを求められたりとか、沖縄では有名人扱いを受けるもんで、俺たちもちょっとフワフワしてましたね。
KEIGO 確かに! そうだったね。
KOHSHI なんなら当時は沖縄のバンドだと思われてたからね。自分は埼玉が地元なんですけど、FLOWがデビューしたときに地元のレコード店に行ったらポップに「沖縄発」とか書いてあったり(笑)。「いや、ここの出身なんですけど!」みたいな(笑)。
RYO なるほど(笑)。
──それから20年以上が経ち、現在はお互いにとってどんな存在だと言えますか?
RYO 頼れる先輩でもあり、それぞれの道でずっとがんばってきた盟友のようなイメージでもありますね。一緒にいて居心地もいいですし。
KEIGO たぶんこっちが年上だから先輩と言ってくれてるんだけど、同じデビュー年だから、自分としては同期というイメージが強くて。20年もやってると同じように続けているバンドがどんどん少なくなってくるから、同期のORANGE RANGEがツアーやフェスでライブをガツガツやり続けていてくれることがうれしいし、刺激にもなりますよね。ずっと気になる存在というか。
HIROKI うちらにとっては、FLOWは生き別れの兄弟ですね。
一同 あははは!
KOHSHI 俺ら、生き別れてたんだ?(笑)
HIROKI デビュー後はけっこう違う道を歩いてきたけど、今回のコラボで再会した瞬間に「昨日も会ったばかりだっけ?」くらいの感覚でスッと話ができたんすよ。それくらい近い存在、近い境遇の2バンドだと思いますね。
KOHSHI スタイルも昔から似てたりするしね。音の感じもそうだし、複数MCという体制も。音楽的にシンパシーを感じる部分も多かったから、ライバルであり戦友という表現が俺はしっくり来ますね。
──実際、ミクスチャーロックを下敷きにしたバンドという意味では同じ出自ではあるんですよね。個人的な印象として、この2組はあまり“同じ箱に入るバンド”という認識ではなかったんですけど、「デイドリーム ビリーヴァー」を聴かせていただいた瞬間に「あ、同じ箱のバンドだったんだ!」と気付かされました。
RYO はははは。
KOHSHI そう、実はそうなんですよ。
──そのあたり、YAMATOさんはいかがですか? ここまであまり発言されていませんが……。
YAMATO(ORANGE RANGE) リモートではあまり出しゃばらないようにしようと思って。
KEIGO はははは! リモートの処世術(笑)。
KOHSHI 大人だねえ。
RYO 素晴らしいねえ。
YAMATO やっぱり、同じ時代に同じような音楽に影響を受けて始まったバンド同士、似たような境遇でずっとやってきた2組ではあるなと。その中でFLOWにはFLOWにしかない“FLOW節”があって、僕らも僕らなりの色を出しながらここまで継続できているというのは、とても感慨深いものがありますよね。
ええい、混ぜてしまえ!
──そんな2組のコラボレーションによって、「15周年 コードギアス 反逆のルルーシュR2」の第2クールオープニングテーマ「デイドリーム ビリーヴァー」が完成しました。そもそもこの企画はどのように始まったんでしょう。アニメ制作サイドの発案なんですか?
KEIGO もともとはTAKE(G / FLOW)が言い出したことなんじゃないかな。「コードギアス」シリーズが15周年ということで、まず僕らが「DICE」という曲(「15周年 コードギアス 反逆のルルーシュ」第1クールオープニングテーマ)をやらせてもらって。それに続けて「R2」のお話もいただいたときに、TAKEが「FLOW単体でやるより、2期のオープニングをやっていたORANGE RANGEと一緒にやれたら面白いね」と。「コードギアス」も周年ならFLOWとORANGE RANGEも活動20周年ということで、いろいろと節目が重なったこともあって……最初はNAOTO(G / ORANGE RANGE)のところに話を持っていったのかな?
HIROKI そうですね。
──なるほど、本人たち発信なんですね。でも確かに、部外者からすると「まさか実現するはずがない」と思っちゃいそうな企画ではあります。
KOHSHI そうですね。だから自発的じゃないと出てこなかった話ではあるかもしれない。
──カレーとラーメンのどっちにするかで迷って、カレーラーメンを作っちゃうような企画というか。
KEIGO ガハハハ! 「ええい、混ぜてしまえ!」みたいな(笑)。
HIROKI 15周年のときに自身の楽曲でコラボゲストを招いたりしていましたが、うちらはFLOWさんと違って、あまりコラボ自体をやってこなかったので……個人個人でフィーチャリングみたいなものはあったんですけど。そういう意味で言うと、今回はコラボ相手がFLOWさんだったからやれた部分はあるかな。ちゃんと楽しめそうだなと思えた。
──このお話が出たとき、「ホントにやるの?」みたいに消極的なメンバーは誰もいなかった感じですか?
RYO いなかったですね。
KOHSHI 今HIROKIが言ったようにFLOWはこれまでコラボをけっこうやってきていることもあるし、尻込みするメンバーはいなかったね。あるとしたらレンジのほうなんじゃない?(笑)
HIROKI なんか、TAKEさんがNAOTOを焼肉に連れて行った時点でもう断れない案件だった。
一同 はははは!
KOHSHI 「カルビ食ったよね? 冷麺もいったよね? 断るとか、ないよね?」みたいな?(笑)
HIROKI バンドの全体ミーティングでも、NAOTOから「どうします?」とかって話が出るわけでもなく。当たり前のように気付いたら普通にデモが上がってきて「仮歌詞お願いします」みたいな感じだったから。
KOHSHI やる前提で(笑)。そんな流れだったんだねー。
HIROKI 自然にやる流れになってましたね。
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ドーンと顕現するYAMATO先生