コミックナタリー Power Push - 「ドリフターズ」
島津豊久役・中村悠一、織田信長役・内田直哉、那須与一役・斎賀みつきインタビュー
“ドリフな漢たち”が生む、娯楽作品の到達点
「バカヤロウ、コノヤロウ」がたまんない
──上映会では斎賀さんが「豊久が斬る役、信長がしゃべる役、与一が2人を見ている役」とおっしゃっていましたが、内田さんの中では、信長は3人の中でどういった立ち位置だとお考えですか。
やっぱりまとめ役かな。アニメの序盤に豊久に「この椅子に座れ、本当は俺が座ろうと思っていたんだが、お前に座らせてやろうぞ」と言うシーンがあるじゃないですか。
──豊久を担いで国盗りを始めようという。
あれがまさに「ドリフターズ」の織田信長だと思うんですよね。表に豊久を立たせておいて、後ろでいろんな策略めぐらせるというか、知力を使ってみんなをまとめていく。ずる賢いこともいろいろと考えて、あのシーン以降含み笑いが随所に入ってくるようになりますね。
──アニメを録り終えて、信長以外にも好きなキャラクターはできましたか。
サンジェルミですかね。まだキャストは発表されてないと思うんだけどすごく面白くて。あと紫電改に乗っている菅野ね。あの「バカヤロウ、コノヤロウ」はたまんないですね。演技を見た後に台本もう一度見ましたもん。「えっ、ホントに『バカヤロウ、コノヤロウ』しかないの」って。そうしたらホントに「バカヤロウ、コノヤロウ」しか書いてなくて(笑)。
自分はどのキャラクターにハマるのか
──アフレコ期間中には、平野先生ともお話なさったりも?
いえ、この前の上映会で初めてお会いさせていただきました。思っていた人と全然違ったんで、びっくりして。もっと強面の神経質っぽい方なのかなと思っていたんですけど、180度違いましたね。非常に控えめで温和なかわいらしい方で。この人が「首置いてけ」みたいなエグいことを描けるんだって。聞きたいことはたくさんあったんですけど、挨拶させていただいたら先生がエビ反りというか、エビみたいに後ろに下がって消えてしまって(笑)。まあこれからもしゃべる機会はあると思うので、徐々にいろいろ聞いていきたいですね。
──内田さんは先ほど「『ドリフターズ』はまだまだこれから」とおっしゃっていましたし、中村さんも「アニメは原作完結まで追いかけていきたい」と語っていました。アニメ終了後も続きを作りたいと思わせる作品のパワーはどういったところにあるんでしょうか。
そうですね。「ドリフターズ」は人間の真の姿を描いている作品だと思っていて。人間にもそれぞれいい部分、悪い部分があって、何かを溜め込んじゃう人、出しちゃう人とかいろいろいると思うんですけど、「ドリフターズ」には「こういう人いるね、こんな人もいるんだよね」といろいろな人間像がすごく折り込まれている。その中になんで敵対しちゃうのか、なんで戦わないで幸せになれないのかみたいな、今地球上で起こっているような問題も込められているんですよ。
──確かに「ドリフターズ」の登場人物は、歴史の偉人揃いということもありどれも個性的です。
どのキャラクターにハマるのか考えながら観てもらえると、自分がどういう人間なのかわかるかもしれないですね。菅野型かもしれないし、信長型かもしれないし、豊久型かもしれない。いろんな人種がいますんで、そのあたりも加味しながら見ていただければと思います。まあアニメはようやく始まったばかりですから。ドワーフやエルフ、黒王が今後物語にどう関わってくるのか、EASYはどういうキャラクターなのかみたいなところが明らかになっていくのが楽しみです。「10年くらいかけてやっていこう」みたいな話は出ているんですけど、「10年後……俺生きてるかな」なんて思ったりもするので、健康には気をつけていきたいですね(笑)。
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- テレビアニメ「DRIFTERS」
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西暦1600年 天下分け目の大戦、関ヶ原の戦い──薩摩、島津家の武将、島津豊久は身を挺した撤退戦の後、死地から抜け出し一人山中をさまよっていた。
降りしきる雨の中、たどり着いたのは無数の扉のある廊下のような部屋──豊久はそこにいた謎の男、『紫』を問いただす間もなく石扉の向こう側へと送り込まれてしまう。
──そこはオルテと呼ばれる国家が支配する世界、人間とデミ・ヒューマンと呼ばれる「人ならざる」ものが暮らす異世界だった。
異なる時代から先に流れ着いていた織田信長、那須与一ら歴戦の英雄とともに豊久は揺らぐことのない武士(さぶらい)の思想で異世界の戦場を疾り駆ける!
放送情報
- TOKYO MX / AbemaTV:10月7日(金)23:00~
- とちぎテレビ:10月7日(金)23:30~
- KBS京都:10月7日(金)25:00~
- 南日本放送:10月7日(金)25:30~
- 岐阜放送:10月10日(月)25:00~
キャスト
- 島津豊久:中村悠一
- 織田信長:内田直哉
- 那須与一:斎賀みつき
- 菅野直:鈴木達央
- ハンニバル:青山穣
- スキピオ:家中宏
- ブッチ:小野大輔
- キッド:高木渉
- 安倍晴明:櫻井孝宏
- オルミーヌ:古城門志帆
- カフェト:西田雅一
- 黒王:楠大典
- ジャンヌ・ダルク:皆川純子
- ジルドレ:乃村健次
- アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァ:北西純子
- ラスプーチン:田中正彦
- 土方歳三:安元洋貴
- 源九郎判官義経:石田彰
- 紫:宮本充
- EASY:伊藤かな恵
- シャラ:間島淳司
- マルク:続木友子
- マーシャ:石塚さより
- Blu-ray BOX「DRIFTERS」2016年12月24日発売 / 37800円 / NBCユニバーサル・エンターテイメント / GNXA-1870
- 特装限定生産 / Amazon.co.jp限定
- 特装限定生産
内田直哉(ウチダナオヤ)
1953年5月1日生まれ、東京都出身。主な出演作に「ドリフターズ」(織田信長役)をはじめ、「COBRA THE ANIMATION」(コブラ役)、「NARUTO-ナルト-疾風伝」(うちはマダラ役)、映画「インディ・ジョーンズ」シリーズ(インディアナ・ジョーンズ役)など。