コミックナタリー Power Push - 「ドリフターズ」
島津豊久役・中村悠一、織田信長役・内田直哉、那須与一役・斎賀みつきインタビュー
“ドリフな漢たち”が生む、娯楽作品の到達点
残酷な部分でさえ芸術的に見せる
──斎賀さんはOVA「HELLSING」に、ハインケル・ウーフー役で出演されていましたね。
ええ。ですから平野さんの名前はもちろん存じ上げていましたし、どういう作品を描かれる方なのかというのはわかっていたんですけど、「ドリフターズ」はまたすごいところに切り込んできた作品だなと思いまして(笑)。
──与一役に決まる前から原作はお読みに?
しっかり読ませていただいたのは役が決まってからなんですけれども、以前からタイトルは周りから聞いていまして。すごくファンの多い作品なんだなと認識していましたね。実際に読んでみて、かなり残酷なシーンの多い作品ではあるんですけど、残酷さを感じさせないパワーを持っていて不思議な読後感があるなと思いました。
──そのパワーというのは、どういうところから来ているんでしょう。
お話の基盤だったり、やりたいことがしっかりしているから、残酷な部分でさえ芸術的に見せてしまうんだと思います。それに加えてコミカルなシーンを入れることで、読者を残酷な状況や怖さの中に落としたままにしておかない。
──平野先生が描かれるギャグは、会話が続いている中でパッと挿入されて、すぐにまた通常の会話に戻りますよね。瞬発力があるというか。
アニメではギャグからシリアスに移るとき、テンポが途切れずにちゃんと繋がっているのですごいなと思います。実はコミカルに見せているシーンの中にも、その後の重要な布石になる箇所があったりするので、「コミカルなシーンだからいいや」と流し見せずに、チェックしてほしいですね。
──与一は信長との掛け合いが多いですよね。
あまり男臭くならないように
──斎賀さんは以前、上映イベントで与一を「頭のいいところをあまり見せないんだけれども、実は考えている」と評していましたね。
与一って基本的には何も語らない子なんですよね。ただカメラをパッと振られたときの表情を見ると、ちょっと引いたところで戦況を伺いながら、自分がどう動いたらいいのかっていうのを考えてるんだなっていうのが伝わってくるんです。戦況を伺ったうえで、豊久だったり信長だったりを諌めるために動いて。それって頭のいい子しかできないと思うんですよね。豊久なんかはどちらかというと猪突猛進でバッと行っちゃって、あとで大変なことになっても「大丈夫、これでOKじゃ」って言っちゃうような人だったりするんですけど。
──豊久、信長、与一の3人は絶妙なバランスで支え合っていると。
そうですね。3人の衣装の色分けは、豊久が赤、信長が黒、与一が青になっていて、戦隊もののキャラクターのイメージカラーと役割が一致しているんじゃないかと思って。ピンクの衣装は着ていないけど、オルミーヌがピンクになるのかな(笑)。
──中村悠一さんにインタビューさせていただいた際に、「どのキャストにも『こういう風に演じてほしい』という、監督からのリクエストがほとんどなかったと思う」と伺ったのですが。
これがホントになかったんですよ。テストをやって何も言われずに「じゃあ本番やりましょうか」という流れだったので、「えっ、いいの?」となったくらいで(笑)。ただオーディションを受けたときに、「ジャンヌ・ダルクが割と男性的なので、与一はあんまり男臭くしないで」っていう話はされたんですね。与一は設定的にも女と見まごうばかりの美青年で、豊久も信長と与一が一緒にいるのを見て「森乱丸かと思った」と言っていましたし、そのへんをちょっと意識して、がっつり19歳の男子にはしないようにしたのはありますね。
──役作りをするうえで、ほかにも心がけたことはありますか。
とにかく物語の中で与一が与一らしくあればいいっていうのを前提に演じました。アニメでは与一が動いているのであって、斎賀みつきという役者がそこにいるわけではないというか。与一が息をして、セリフをしゃべって動いているっていう感覚を観ている方に持っていただけていればいいなと思っています。
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- テレビアニメ「DRIFTERS」
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西暦1600年 天下分け目の大戦、関ヶ原の戦い──薩摩、島津家の武将、島津豊久は身を挺した撤退戦の後、死地から抜け出し一人山中をさまよっていた。
降りしきる雨の中、たどり着いたのは無数の扉のある廊下のような部屋──豊久はそこにいた謎の男、『紫』を問いただす間もなく石扉の向こう側へと送り込まれてしまう。
──そこはオルテと呼ばれる国家が支配する世界、人間とデミ・ヒューマンと呼ばれる「人ならざる」ものが暮らす異世界だった。
異なる時代から先に流れ着いていた織田信長、那須与一ら歴戦の英雄とともに豊久は揺らぐことのない武士(さぶらい)の思想で異世界の戦場を疾り駆ける!
放送情報
- TOKYO MX / AbemaTV:10月7日(金)23:00~
- とちぎテレビ:10月7日(金)23:30~
- KBS京都:10月7日(金)25:00~
- 南日本放送:10月7日(金)25:30~
- 岐阜放送:10月10日(月)25:00~
キャスト
- 島津豊久:中村悠一
- 織田信長:内田直哉
- 那須与一:斎賀みつき
- 菅野直:鈴木達央
- ハンニバル:青山穣
- スキピオ:家中宏
- ブッチ:小野大輔
- キッド:高木渉
- 安倍晴明:櫻井孝宏
- オルミーヌ:古城門志帆
- カフェト:西田雅一
- 黒王:楠大典
- ジャンヌ・ダルク:皆川純子
- ジルドレ:乃村健次
- アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァ:北西純子
- ラスプーチン:田中正彦
- 土方歳三:安元洋貴
- 源九郎判官義経:石田彰
- 紫:宮本充
- EASY:伊藤かな恵
- シャラ:間島淳司
- マルク:続木友子
- マーシャ:石塚さより
- Blu-ray BOX「DRIFTERS」2016年12月24日発売 / 37800円 / NBCユニバーサル・エンターテイメント / GNXA-1870
- 特装限定生産 / Amazon.co.jp限定
- 特装限定生産
斎賀みつき(サイガミツキ)
6月12日生まれ、埼玉県出身。主な出演作に「ドリフターズ」(那須与一役)をはじめ、「地球へ…」(ジョミー・マーキス・シン役)、「もやしもん」シリーズ(結城蛍役)、「プリパラ」(紫京院ひびき役)など。