コミックナタリー Power Push - 「ドリフターズ」
島津豊久役・中村悠一、織田信長役・内田直哉、那須与一役・斎賀みつきインタビュー
“ドリフな漢たち”が生む、娯楽作品の到達点
若い子にはかなりおいしい現場だった
──今回すでにアニメのアフレコは終えられているとのことですが、スタジオの雰囲気はいかがでしたか。
みなさん達者な役者さんばかりで、「何年もこの役をやってたんじゃない?」ってくらい馴染みのある芝居を持ってくるし、きっちりと役を作り込んでくるので、ダメ出しが本当に少なかったです。昨今若い子たちが中心で、先輩が少ないっていう現場が多い中で、久しぶりに上から下まで揃っていたので、若い子たちにはかなりおいしい現場だったんじゃないのって思いますね。ものすごく勉強になるし、我々も毎回毎回やっていて楽しくて。だからアフレコはあっという間に終わっちゃった気がしますね。「もっとやりたいね」みたいな話もして。まあイベントでも話題に出た通り、ここでは終わらないですけどね(笑)。
──内田さんは「マイクの前で演者が『みんな俺の演技を聞いとけよ』と圧を出してくる現場だった」とおっしゃっていました。
完全にそうですね。本番をやっているときの集中力がすごいので、ビシっと決まるんですけど、終わった後には緩む部分もあって。直哉さんも「なんだよ、こんなにしゃべってるよ俺」ってブーブー言いながらも、本番が終わると「もっとしゃべりたい」って言っていたり(笑)。その辺の切り替えもすごく楽しかったです。
──与一の演技でいうと、第1話で劇中の言語であるオルテ語を話しているシーンが印象的でした。アニメ化にあたって、既存の言語を参考に一から新しい言語として作ったと伺ったのですが。
アフレコでは台本だけを渡されて、資料も何もないから「これどうやって読んだらいいんだろう」って思っていたんです。ただ与一は異世界に飛ばされてからオルテ語を覚えたという設定だし、片言って言われてるから、「あんまり作り込まないほうがいいのかな」と考えて。
──台本には抑揚の付け方や、文節をどこで切るといった指示もなく。
全然なく(笑)。読んでいると法則性はありましたけど、本当に知らない言葉をぽんと渡されたという感じでしたね。私は自由に演じさせていただいたんですが、オルテ語をしゃべるエルフ役の方々があまりにも流暢で、「これはまずいぞ」と思いましたけど(笑)。ただ自由に演じたのがかえって、与一の片言加減をアップさせたのでよかったなという気はしますね。
原作ファンが観て、「なんだこれ」とはならない
──「ドリフターズ」は原作を忠実に再現して作ったOVA「HELLSING」のスタッフが多く参加しているということもあり、原作ファンの期待が非常に高い作品だと思いますが、斎賀さんが見どころを伝えるとしたら?
原作がそのまま動いているというところですね。原作ファンの方が観て、「なんだこれ」とはならないと思います。我々もここまで再現されると思わなかったくらいですし、監督以下スタッフの方がすごくがんばっています。試写会では3話までお見せして、すでに原作ファンの方にも多く観ていただいていますけど、悪く言っている人ってほぼいないと思うんですよ。期待していただいていいですし、観て損はない作品になっていますね。
──では斎賀さんが考える原作の魅力はどのあたりでしょう。
いろいろな人物が出てきますけど、「この人はどういう人なんだろう」っていうのを知るために読み返しちゃうんですよ。あと気になるエピソードについて、読み返してみたり。そうしているうちに、また新たな魅力を発見できるんですよね。スルメのような作品というか。だから読者の方も単行本の刊行ペースが遅くても、「いや全然読み返せるから大丈夫だよ」と待てるんじゃないですかね(笑)。
──アニメはプロデューサーや演者の方々が口をそろえて「12話では終わらない」「原作完結までゆっくり作っていきたい」とおっしゃっていますね。
そうですね。アニメはまだまだ先があると思います! 12話ではきっと終わりませんので、ぜひ最後までお付き合いください。
- テレビアニメ「DRIFTERS」
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西暦1600年 天下分け目の大戦、関ヶ原の戦い──薩摩、島津家の武将、島津豊久は身を挺した撤退戦の後、死地から抜け出し一人山中をさまよっていた。
降りしきる雨の中、たどり着いたのは無数の扉のある廊下のような部屋──豊久はそこにいた謎の男、『紫』を問いただす間もなく石扉の向こう側へと送り込まれてしまう。
──そこはオルテと呼ばれる国家が支配する世界、人間とデミ・ヒューマンと呼ばれる「人ならざる」ものが暮らす異世界だった。
異なる時代から先に流れ着いていた織田信長、那須与一ら歴戦の英雄とともに豊久は揺らぐことのない武士(さぶらい)の思想で異世界の戦場を疾り駆ける!
放送情報
- TOKYO MX / AbemaTV:10月7日(金)23:00~
- とちぎテレビ:10月7日(金)23:30~
- KBS京都:10月7日(金)25:00~
- 南日本放送:10月7日(金)25:30~
- 岐阜放送:10月10日(月)25:00~
キャスト
- 島津豊久:中村悠一
- 織田信長:内田直哉
- 那須与一:斎賀みつき
- 菅野直:鈴木達央
- ハンニバル:青山穣
- スキピオ:家中宏
- ブッチ:小野大輔
- キッド:高木渉
- 安倍晴明:櫻井孝宏
- オルミーヌ:古城門志帆
- カフェト:西田雅一
- 黒王:楠大典
- ジャンヌ・ダルク:皆川純子
- ジルドレ:乃村健次
- アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァ:北西純子
- ラスプーチン:田中正彦
- 土方歳三:安元洋貴
- 源九郎判官義経:石田彰
- 紫:宮本充
- EASY:伊藤かな恵
- シャラ:間島淳司
- マルク:続木友子
- マーシャ:石塚さより
- Blu-ray BOX「DRIFTERS」2016年12月24日発売 / 37800円 / NBCユニバーサル・エンターテイメント / GNXA-1870
- 特装限定生産 / Amazon.co.jp限定
- 特装限定生産
斎賀みつき(サイガミツキ)
6月12日生まれ、埼玉県出身。主な出演作に「ドリフターズ」(那須与一役)をはじめ、「地球へ…」(ジョミー・マーキス・シン役)、「もやしもん」シリーズ(結城蛍役)、「プリパラ」(紫京院ひびき役)など。