THE CONVOYに若手メンバー4人が加入、今村ねずみ「大いに堪能して」と期待

今村ねずみ率いるTHE CONVOYによる新作「THE CONVOY SHOW vol.32『asiapan』」が、2017年2・3月に全国5都市で上演される。ステージナタリーでは、10月半ばに行われた本作のビジュアル撮影現場に密着した。

昨年結成30周年を迎えたTHE CONVOY。新作最大のトピックは、新メンバーの加入だ。約500通の応募からオーディションによって選ばれたのは、荒田至法、後藤健流、佐久間雄生、本田礼生の4人。若手ながら、それぞれにミュージカルなどの舞台を経験している面々だ。ビジュアル撮影の序盤は緊張の面持ちだった彼らも、今村をはじめ、瀬下尚人、石坂勇、舘形比呂一、黒須洋壬、トクナガクニハルら“先輩”の朗らかさに導かれるように、和気あいあいムードに。カラフルな衣装に身を包み大きくアクションする一瞬をとらえたパターンと、スーツ姿でシックに決めるパターンの2種類が撮影された。

新メンバー加入について今村は「これからコンボイショウを広げていこうと思ったとき、若い人たちと一緒にもの作りをしてみたらどうなるだろうと考えました」と話す。さらに「若手が目指すエンタメの世界には、ミュージカル、2.5次元舞台、ストレートプレイとさまざまなジャンルがあります。その中に『THE CONVOY SHOW』があってもいいんじゃないかな、と思って。それでオーディションという出会いの場を作ってみたんです」と続ける。

オーディションは5、6時間にも及び、歌や踊り、エチュードなどさまざまな課題が出された。そこで今村は受験者の体力や根気の有無を見定めていったという。合格した4人を今村は「ダンスがうまい子もいれば、思い切りがいい奴もいる。そんなにイケてないけどトータルで見たらバランスが抜群によくて、叩けば何とかなりそうな子もいるし（笑）」と評し、表情をほころばせた。

ただ、当初今村は彼らの“加入”については数年先にしようと考えていたと語る。しかし4人がオーディションに臨む姿勢を目にして、新作に出演させることを決定した。彼らの加入で「THE CONVOY SHOW」はどのように変わるのかと記者が尋ねると、今村は「（これまでの）スタイルを崩すことはないですね」と即答。むしろ彼らに、ミュージカル、芝居、レビューショーと多くの要素を含んだ舞台「THE CONVOY SHOW」を「大いに堪能してほしい」と期待を込める。

新メンバーの加入で10人体制となり、初めて上演される「THE CONVOY SHOW vol.32『asiapan』」。今村は2016年にアジアの国々を旅した際、アジア人の中で自分が“日本人である”という意識を強く持ち、このタイトルが浮かんだという。本作では東南アジアのとある国を舞台に、遺跡群に囲まれた街のゲストハウスに集う幼なじみの2人組、友人から届いた1枚のハガキを手にした男、早期退職を機にバックパッカーになったと名乗る男、旅行雑誌のライターが、現地に生きる若者との交流を通じて日本の景色や残してきた人々を回想する姿が描かれる。今村はゲストハウスのオーナーに、瀬下、石坂、舘形、黒須、トクナガはゲストハウスに泊まる日本人旅行客に、そして新メンバーの4人はゲストハウスのスタッフ、タクシーの運転手、物売りなど現地の人間に扮する。

本作の上演にあたり、今村は「『お前はどこから始まったんだ？』っていうリアリティが、作品を作る上でより重要になってきた」と語る。その上で「これまでのコンボイショウのスタイルが、すでにオリジナル。だから、ひたすらやるだけです。そして今回加入した新メンバーに『これがコンボイショウなんだ！』と実感してもらうのが、僕の作り手としての役割。これからもオリジナルのパワーにこだわっています」と力強く語った。

公演は、2017年2月25日から3月1日まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて行われる。その後、3月5日に北海道・札幌市教育文化会館 大ホール、3月8日に愛知・東海市芸術劇場、3月11日に大阪・森ノ宮ピロティホール、3月14日に福岡・ももちパレスと巡演する。なお参加にあたり、新メンバー4人は以下の通りコメントしている。

荒田至法コメント

かっこいい大人の男達の最高のパフォーマンスに自分も加わりたいと思い、オーディションに挑戦しました。メンバーの方々の背中を見てたくさん成長していきたいです。

後藤健流コメント

未だに自分がCONVOYさんのステージに立つなんて実感がないですが、出来る努力は全てして、大！ 大！ 大先輩方と共に、全身全霊をかけて、ステージでパフォーマンスを披露します。

佐久間雄生コメント

観劇させて頂いた時、衝撃と感銘を受けました。僕達が生まれる前から存在しているこの歴史あるTHE CONVOY SHOWの舞台に立てるなんて、とても光栄で、胸が熱くなります。

本田礼生コメント

楽しみ半分、不安半分です。メンバーの一員として舞台に立てるのは、とても光栄だし幸せな事だと思っています。自分が持っているものすべてを出せるように、とにかく全力でぶつかろうと思います。