松下優也のすべてがわかるアルバム「I AM ME」

──今回のアルバムには、そんな松下優也という人間そのものが詰まっているという感じですね。

このアルバムの僕の中でのテーマは、とにかく自分が今まで経験してきたものをすべて詰め込むこと。1枚で松下優也のすべてがわかるようなアルバムにしたいなと思いまして。

──だから「I AM ME」。

そうです！ 僕は小さい頃から、自分らしくありたい、人と同じことをしたくない、人とはかぶりたくないっていう思いが常にあるんです。だからこのタイトルは結構すぐに出てきましたね。

──「これが僕です！」と言える、まさに名刺代わりの1枚なんですね。

「松下優也」はデビューからじゃなくて僕自身が生まれたときから続いているストーリーであって、日々の積み重ねや人との出逢い、いろんな経験があって今の自分がある。だからこそ、そのどれか1つでも欠けたらきっとこのアルバムはできてないと思うんです。だから僕の中では本当に松下優也の10代の集大成っていうか、10代の卒業アルバム的な作品ですね。

言葉では言い表せない世界観を大切に

──18曲を通して聴くと、2曲目の「YOU」と3曲目「foolish foolish」という、最新シングルからデビュー曲へ続く流れがすごく印象に残りました。歌声から、松下さんの成長ぶりをはっきり感じることができます。

やっぱり人の成長とともに曲も成長していくと思うんですよね。歌への感情の込め方だったり、その世界観の感じ取り方だったり、歌い手の価値観が変わることによって曲って大きく変わっていく。だからそれで言うと、「foolish foolish」と「YOU」ではすごい差があると思います、いろんな意味で。

──中にはラップ曲あり、作詞を担当した曲ありと初めての挑戦も多いですね。「声にならなくて」「first snow」では、女子高生デュオのSistaと互いに初のコラボレーションも。

はい。初めてのフィーチャリングは戸惑いもありましたけど、やっぱり男だけじゃ絶対表現しきれない、女の人しか出せないものをSistaにはすごいいい感じに表現してもらえたかな。特にこの曲は男目線、女目線の両方がある曲なんで、それを楽しんでほしいですね。

──では、歌詞やリリックを作るときに心掛けてることはありますか？

僕がすごく大切にしているのは、そのニュアンスだったり言葉では言い表せない世界観なんです。だから、曲をいただいて初めて聴いたときのファーストインプレッションがすごい大事。最初に頭に思い浮かぶことがあったら、これをテーマにしちゃおうって。

──どんなシチュエーションで書くことが多いですか？

歌詞やリリックを書くときはいつも夜中、25時ぐらいから始めて朝方までバーっと書いていることが多いですね。ほかに何もない、自分の世界に入り込める時間を作って書きたいので、昼じゃ絶対書けないです。

クールも怠け者も、どっちも本当の自分

──ところで、松下さんがデビューされたとき「18歳なのに大人っぽいなぁ」という印象を多くのリスナーが持っただろうし、今もクールなイメージが強いと思うんです。でもこうして話しているととっても明るい気さくなキャラクターで、実際の松下さんってそんなパブリップイメージと少しギャップがあるのでは、と感じるのですが。

昔からよく大人っぽいって言われていますねぇ。自分では何が大人っぽいのかよくわかんないんですけど。でも実際デビュー当時は、大人に囲まれた中で若いって思われたくない、自分のしっかりしたとこを見せないといけないって構えていたところはありました。普段友達と喋っているときはむっちゃ怠け者っぽいところもありますし、今も考えるときは死ぬほど真剣に考えます。ギャップはあるけど、どっちも本当の自分なんで。

──今は昔よりも固く構えている部分がほぐれてきた？

うん、自分のありのままを見せていけるようになったかもしれないですね。しっかりしたとこは無理に見せようとしなくても、自分の成長の中で自然と表れてくるものだなって。まぁまだまだなとこはいっぱいありますけど、今はあまり深く考えてないです。

──その自信を生み出したものはなんなんでしょう。

日々の行いじゃないですかね。日々がんばっていなかったら自信なんて生まれないと感じているんです。僕は常にもっと俺がんばらないと、こんなんじゃまだまだあかんって気持ちを持っていて、自分のダメなとこを1つ1つ消化してくことで自信につなげていますね。