いい新曲を書いてみせる！the pillowsツアー完走、対バンの秋へ

the pillowsが20thアルバム「STROLL AND ROLL」を携えた全国ツアーのファイナルを、7月22日に東京・Zepp Tokyoで開催した。

「STROLL AND ROLL」のオープニング曲「デブリ」で幕を開けた今回のステージ。5月から計27公演を積み重ねてきたツアーの集大成とあって、冒頭から圧巻の演奏でBUSTERS（ファン）の大歓声がこだまする。山中さわお（Vo, G）は「ひさしぶりじゃないか。今夜はいよいよクライマックスだ！ 最後の最後まで仲よくしようぜ」と挨拶して場内のボルテージをどんどん上げたほか、フロアの「さわおさーん」「Peeちゃーん（真鍋吉明［G］の愛称）」「シンちゃーん（佐藤シンイチロウ［Dr］の愛称）」と盛んに呼ぶ声に対し「お客さーん」と呼びかけて爆笑を起こした。

中盤、山中が「俺たちの青春時代にはインターネットはなかった。音楽を、ロックを教えてくれたのはラジオだ。ラジオに感謝を込めて」と前置きして「レディオテレグラフィー」を披露した。さらに「STROLL AND ROLL」の収録曲「エリオットの悲劇」「ブラゴダルノスト」「カッコーの巣の下で」でセンチメンタルな旋律に繊細な言葉を織り交ぜ世界観を演出。ひさびさに演奏された「Come on, ghost」では山中がハンドマイクで歌う一幕もあった。

メンバー紹介の場面では、佐藤が「ツアーの合間を縫って個人的に桜島とか北海道に旅行に行ってきた」と、兼務するTheピーズのツアーに絡めて笑いを誘う。真鍋は「ロックバンドはアルバム作ってツアーをやるのはワンセットなので、今日はバンドにとって大みそか。そんな日を見届けにきてくれてありがとう」と語った。さらにサポートベーシストの有江嘉典（VOLA & THE ORIENTAL MACHINE）は「くれぐれも会場内でポケモンGOとかしないでライブに集中してみんなで楽しみましょう」と初めてツアーに参加したとは思えないほど、バンドになじんだ様子を見せた。

アンコールにて、山中は「27年もやってる長いバンドだから、一応代表曲なんかもあったりして、黄金期もあると自分では思っていて。今日は『ハイブリッド レインボウ』とか『Funny Bunny』とかやんなくてごめんね。また君たちが『あの頃のあの曲聴きたいな』って思ってくれるのもやるからさ、新曲作ったらまた一緒に遊んでくれよ」と素直な心情を吐露。ダブルアンコールでは4人がステージ上にてビールで乾杯し、ツアー中のエピソードに花を咲かせたほか、the pillowsが海外でブレイクするきっかけとなったアニメ「フリクリ」の続編作品の音楽を担当することも報告。山中は「愛着があるからうれしいね。似合う、いい新曲を書いてみせる！」とファンの前で誓った。

興奮冷めやらぬBUSTERSの拍手に促され、トリプルアンコールでは「POISON ROCK'N'ROLL」も披露。2時間半を超えるライブは幕を閉じた。なお、この日の模様を収録したDVDとBlu-ray（タイトル未定）が11月下旬にリリースされることが決定。さらに9月の対バンイベントに続いて、11、12月にthe pillows主催イベントが各地で開催されることも明らかになった。