コミックナタリー Power Push - 「ライチ☆光クラブ」

“成長を否定した少年たち”の証言

1985年に発表された伝説の舞台を、古屋兎丸が20年後、より残酷で美しい少年たちの物語として蘇らせた「ライチ☆光クラブ」。2012、2013、2015年にはこのカルト的人気を誇るマンガを原作とした舞台も上演されてきたが、このほど満を持して実写映画化を果たした。

コミックナタリーでは映画の公開を記念して、光クラブのキャスト全員にインタビューを実施。野村周平、古川雄輝、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音とこれからの活躍が期待される若手俳優9人が、見どころや作品の魅力を語ってくれた。

取材・文 / 秋葉萌実(古川、間宮、戸塚、藤原、岡山)、坂本恵(野村、池田、松田、柾木)
インタビュー撮影 / 上山陽介

 
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野村周平(タミヤ)

タミヤはこの世界で唯一の「普通」だった

──熱狂的なファンも多い原作ですが、もともとはご存知でしたか?

野村周平

原作は、はじめは知りませんでした。映画のオファーがあってから読みはじめました。

──最初に読んだとき、どんな感想を持たれましたか。

最初は難しかったですね。僕がこれまで好んで読んできたマンガではなかったので。撮影に入ってからも何度も読み返して、世界観を確認しました。

──好んで読むような作品ではなかったということですが、タミヤ役で参加することに不安はありましたか?

不安というよりも、原作ファンの方々の期待をどうやって裏切るか、どうやって裏切らないか、ということを考えていましたね。僕はマンガの世界の人間にはなれないので、自分がいいと思った芝居をするのが期待を裏切ることだと思うし。でも容姿は原作に近づけているので、そういうところで期待を裏切らないようにする、という感じでした。

──光クラブのメンバーはゼラをはじめ、キャラクターが立っている人物ばかりでした。その中でもタミヤは一番普通に近かったと思いますが、演じるうえで特にどんなことを意識されていたんでしょうか。

映画「ライチ☆光クラブ」より。

僕はタミヤっていう、この世界で唯一の「普通」で。やっぱり周りのキャラが目立ってくれれば目立ってくれるほど、僕の普通さが目立つと思っていたので、個性を出さないように、遊びすぎないようにということだけを志していましたね。あとはみんなに身を任せてやっていました。周りが本当に素晴らしかったので、刺激を受けましたね。みんな個性的にやるから、僕は個性を出しちゃいけないのに、キャラ付けしたくなっちゃったりとか(笑)。みんな楽しそうだな、いいなって憧れがありました。

──普通を演じるというのも難しそうです。

どれだけ普通にやれるかっていうのは、一番難しかったですね。正義感を出すというのも、難しかったです。正義というのも、この世界での正義なんですけど。原作のタミヤはカッコよすぎて、これになれんのかなっていうのは思ってました。原作を毎日読んで、勉強してましたね。

原作以上のライチ、原作以上のセットができていると思います

──主演ということで気概などはありましたか。

野村周平

なかったですね。気概を持ったり、座長っていうことを考えながら芝居をしても面白くないので。同世代が集まっているし、みんなでわいわい楽しくやれればいいと思っていました。

──同世代の方が9人も集まる現場というのは、珍しいことなんでしょうか。

こんなに揃うこともめったにないと思います。撮影当時は、10代もいましたし。本当、若い役者ばっかりだなあって(笑)。(藤原)季節にいたずらしたりしてました。

──どんないたずらを?

(間宮)祥太朗と一緒に、「古川(雄輝)くんがお前のこと怒ってるよ」とか嘘言ったり。「本当に、ちゃんと謝ったほうがいいよ」とか。というのも、季節に変な服装をさせて「ホテルの中を一周する」っていう罰ゲームをしたことがあったんですよ。そのときにたまたま古川くんに会っちゃったみたいで。そしたら古川くんが「ああ……」って呆れた顔をしてたらしく、季節が「絶対古川くんに嫌われたわ」って落ち込んでたんですよ。そこからそれをネタにして季節をいじったりしてましたね(笑)。

──そんなきっかけがあったんですね。

いじられまくってましたね、季節は。本当、和気あいあいとしてました。毎日ではないですけど、みんな撮影が終わったら祥太朗の部屋に集まって、酒飲んだりとかテレビ観たりとか。寂しがりやが集まってました。

──ははは(笑)。皆さん本当に仲がよかったんですね。作中では最後、タミヤが古川雄輝さん演じるゼラと対決するシーンがあります。この辺りは古川さんと事前に打ち合わせされたり?

なんにもしてないですよ。もう本当、現場でやってみてって感じですね。内藤監督とも今作が2回目だったので「もうわかってる」くらいな感じでした。

野村周平

──特に原作ファンの方に観てほしいシーンはありますか。

みんなの容姿だったり、役作りが素晴らしいです。あとはやっぱり、ライチとセットは注目してほしいと思いますね。完成度が素晴らしいので。原作以上のライチ、原作以上のセットができていると思います。皆さんの期待を裏切らないと思うので、注目して観ていただきたいです。

「ライチ☆光クラブ」2月13日新宿バルト9にてロードショー、2月27日より全国拡大公開

「ライチ☆光クラブ」

工場から黒い煙が立ちのぼり、油にまみれた町、螢光町。この貧しい地の廃墟へ、深夜に集まる9人の中学生がいた。この秘密基地の名は「光クラブ」。光クラブのメンバーは醜い大人を否定し自分たちだけの世界をつくるため、兵器として機械(ロボット)を開発していた。巨大な鉄の塊で作られた機械が動く燃料は、永遠の美を象徴するライチの実。その機械は「ライチ」と名付けられ、悪魔の数列666でいよいよ起動する。ライチに与えられた目的は、光クラブに美しい希望をもたらす「少女の捕獲」。光クラブのリーダーであるタミヤ、実質的支配者のゼラ、ゼラを偏愛するジャイボと絶対的な忠誠を誓うニコ……光クラブ内でそれぞれの愛憎が入り乱れ、裏切り者探しがはじまる中、ライチはとうとう美少女・カノンの捕獲に成功する──。
果たして、少年が願う大人のいない永遠の美の王国は実現するのか……。

スタッフ / キャスト

監督:内藤瑛亮

脚本:冨永圭祐、内藤瑛亮

原作:古屋兎丸「ライチ☆光クラブ」(太田出版)

配給・宣伝:日活

制作:マーブルフィルム

出演:野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音 、杉田智和(声)

野村周平(ノムラシュウヘイ)

1993年11月14日生まれ。兵庫県出身。2009年にアミューズ全国オーディションでグランプリを受賞。映画「日々ロック」、ドラマ「梅ちゃん先生」「恋仲」などに出演したほか、劇場アニメ「台風のノルダ」では声優を務めた。2016年は「ちはやふる」二部作、「森山中教習所」など出演作が続々と公開される。