WOWOW「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月」 PR

WOWOW「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月」鈴木拡樹 / いのうえひでのりインタビュー|歴代で一番“弱い”かもしれない天魔王?悩みながら作った“超ワカドクロ”

いのうえひでのり(演出)インタビュー| “月”は“月”だけの匂いがする「髑髏城」になった

「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」“下弦の月”の公演より。©︎2017『髑髏城の七人』月/TBS・ヴィレッヂ・劇団☆新感線、【撮影:田中亜紀】

新たなお客さんを連れてきた“月”

“花・鳥・風”は劇団☆新感線の経験者が多かったんですけど、“月”は初めての人が多かったんですよね。もともと若手でやるってことが企画意図にあったのと、“花・鳥・風”とやってきて、“月”は新感線の匂いがあまりしない人でやってみてはどうか、ということになって。結果、“下弦”は特に2.5次元舞台のお客さんをいっぱい連れてきてくれたと思うし、通常の新感線のファンに比べてお客さんの平均年齢がグッと下がったと思います。

いのうえひでのり

“下弦の月”で捨之介を演じたマモ(宮野真守)は、あのカンパニーでは年上のほうでしたけど、それでもやっぱり若いし、“上弦・下弦”、どちらも元気がよくて若者らしい「髑髏城の七人」だったと思います。まあ、1990年に「髑髏城」を初演したときは、古田新太が26・7歳で捨之介をやっていますからね(笑)、本当は“若い”芝居なんです。“月”のキャストくらいの年齢の人たちでやったほうが、ハマるセリフがあるんだなっていうのは、今回演出しながら改めて感じました。

ただ、この「髑髏城の七人」連続上演の一番の問題点は、幕が開いたら僕は次のSeasonの稽古に行かないといけなくなるということなんです。いつもは初日から2週間くらいまで本番を観て、手直しをしたり、ちょっとずつ演出を変えていったりするんですが、今回の「髑髏城」では最初の“Season花”が少しほかより長く観られたくらいで、作品がランし始めるとなかなか本番を観られなかった。特に“月”は初日から3日目ぐらいまでしか劇場にいられなかったので、そこがちょっと心残りでしたね。

悩みながら作ったことが独特の仕上がりに

「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」“上弦の月”の公演より。©︎2017『髑髏城の七人』月/TBS・ヴィレッヂ・劇団☆新感線、【撮影:田中亜紀】
「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」“上弦の月”の公演より。©︎2017『髑髏城の七人』月/TBS・ヴィレッヂ・劇団☆新感線、【撮影:田中亜紀】

だから“月”の演者たちは自分で悩んで、がんばって、彼らなりの「『髑髏城の七人』Season月」の“上弦・下弦”を作っていたと思いますし、本当によくがんばってくれたなと。そんな愛おしさみたいなものを、お客さんも感じてくれたんじゃないかなと思います。ただそのぶん、甘さを感じるところも確かにあったので、新感線のヘビーウォッチャーみたいな人からいろいろキツいことを言われたりもしましたけど、彼らが悩みながら作ってる感じが独特の仕上がりにつながったと思いますし、“月”は“月”だけの匂いがする「髑髏城」になった感じがしますね。

カンパニーは、上弦は(早乙女)太一を中心に、下弦はマモを中心に、「何か問題が起きたら、その人の楽屋に集まる」というような熱いチームワークができたんじゃないかな。特にマモは、彼のキャラクターが芝居全体にも反映されていたと思います。一方の太一は、ああ見えて実はすごく細やかで真面目なので(笑)、それがほかの役者さんにも伝わっていたと思います。僕らとしては、太一は11年の「ワカドクロ」にも出演してますので、「あの太一が!」という感じもします。でも彼がそうやって今、座を引っ張ってくれることに、胸が熱くなりますね。そういう意味では、“花・鳥・風”のいずれとも“月”は全然違っていて、面白かったんじゃないかなと思います。

WOWOWライブ「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月」
2019年3月23日(土)19:00~

作:中島かずき

演出:いのうえひでのり

出演:宮野真守、鈴木拡樹、廣瀬智紀、木村了、松岡広大 / インディ高橋、中谷さとみ、中村まこと、伊達暁、肘井美佳、安田栄徳 / 羽野晶紀 / 千葉哲也 ほか

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いのうえひでのり
1960年福岡県出身。80年に劇団☆新感線を旗揚げ。以降、ドラマ性に富んだケレン味たっぷりの時代劇“いのうえ歌舞伎”、生バンドが舞台上で演奏する音楽を前面に出した“Rシリーズ”、いのうえ自身が作・演出を手がける笑いをふんだんに盛り込んだ“ネタもの”など、エンタテインメント性に富んだ多彩な作品群で人気を博す。劇団本公演以外では、シス・カンパニー公演「今ひとたびの修羅」「近松心中物語」、PARCO THE GLOBE TOKYO PRESENT「鉈切り丸」、大人計画との合同公演・大人の新感線「ラストフラワーズ」、歌舞伎NEXT「阿弖流為<アテルイ>」などのプロデュース作品も手がける。第14回日本演劇協会賞、第9回千田是也賞、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第50回紀伊國屋演劇賞個人賞など受賞歴多数。2019年から20年にかけて上演される、2019年劇団☆新感線 39(サンキュー)興行・春公演「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』」、および夏秋公演で演出を務める。