正解、不正解は関係ない。今は積極的にモノづくりに関わっていきたい
──今年は30周年の区切りとなりますが、今後、どのようにご自身の表現と向き合ってきたいと思われますか?
今までやってきたことは、30年が過ぎたからと言って、あまり変わらないのかなと思います。これからも真摯に自分の表現と向き合って、闘っていくことになるのかなと。これからは、自分が感じたことや作品についてのディスカッションをどんどんやっていきたいです。これは、若手の頃はできなかったことで、もちろん、自分の能力がなかったり、見えていない世界の景色がたくさんあったりしたからだと思うのですが、最近は、自分の視野が確実に広がっていると感じているんです。正解、不正解は別にして、今は積極的にモノづくりに関わっていくことが自分にとっては大事なんだなと感じています。
──そのように意識が変わったのには、何かきっかけがあったのですか?
新作の舞台に携わらせていただくことが増えてきて、そういう感覚になってきたと思います。
──昨年はミュージカル「ファンレター」、今年はミュージカル「イリュージョニスト」のフルバージョン、先ほど話題にも出た「この世界の片隅に」、そして来年にはミュージカル「ISSA in Paris」と、オリジナル作品が続きますね。
そうなんです。ご一緒する皆さんの作品との向き合い方を間近で見て、刺激を受けました。レプリカ作品はレプリカ作品の魅力がありますが、動きや演技の方向性がきっちり決まっていたりする。でも、オリジナルは自由に作れる幅が広い。たとえ険しい道でもみんなで地道に模索していくことで、作品として良くなるという実感がたくさんありました。これからは、そういった部分でこれまで積み上げてきたものを生かしていきたいなと思っています。
アンコール公演のスペシャルゲスト、小林唯は「熱い男」
──放送・配信の翌日となる11月30日には、東京・東京芸術劇場 コンサートホールでアンコール公演「海宝直人×オーケストラ more in TOKYO Encore」が開催され、スペシャルゲストで小林唯さんが参加されます。
小林さんと最初にお会いしたのは、小林さんが僕が出演する劇団四季作品の楽屋に来られたときだったと思います。そのときの誠実な中にある熱さが印象に残っていて。その後、劇団四季を退団されてからも飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍されていますし、来年のミュージカル「ミス・サイゴン」ではクリスにも抜擢されて。彼とは「この世界の片隅に」で共演させていただきましたが、やっぱりすごく熱い男でした(笑)。「すごく楽しいです!」と言いながら出演し、公演終盤になると「寂しいです」とポロリとこぼす、とてもチャーミングな方なんです。歌声がスペシャルで、お芝居に対しても誠実に向き合っていて、先輩・後輩・年齢に関係なく刺激を受けています。小林さんとは「アラジン」で同じ役を演じた縁もありますし、劇団四季時代から彼を応援されている方も多いと思うので、ご縁を感じていただけるようなものができたらなと思っています。
──そんなアンコール公演の前に届けられるこの番組を、視聴者の皆さんはにどう楽しんでいただきたいですか?
オーケストラコンサートと言っても、堅苦しいものではないので、ぜひ気軽に観て聴いて楽しんでいただけたらと思います。このコンサートには僕のこだわりのすべてが詰まっているので、もし許されるのなら、ぜひ大きな画面で、大音量で楽しんでいただけたらと思います。
プロフィール
海宝直人(カイホウナオト)
1988年、千葉県生まれ。7歳のときに劇団四季「美女と野獣」チップ役で舞台デビュー。その後「ライオンキング」の初代ヤングシンバに抜擢される。舞台を中心に活躍を続け、近年は劇団四季の「ノートルダムの鐘」カジモド役、「アラジン」アラジン役などを務めた。2018年に「TRIOPERAS」でウェストエンドデビュー。主な出演作に、ミュージカル「アリージャンス~忠誠~」「アナスタシア」「レ・ミゼラブル」「ジャージー・ボーイズ」「この世界の片隅に」「ファンレター」「イリュージョニスト」「MURDER for Two」など。またロックバンド・シアノタイプのボーカルとしても活動。第13回岩谷時子賞では奨励賞を受賞した。2026年1・2月にミュージカル「ISSA in Paris」に出演する。
海宝直人(Naoto Kaiho) (@naotosea) | X
星風まどか
海宝直人さん改めまして、舞台芸能活動30周年誠におめでとうございます!
このような記念すべき公演にゲストとして出演させていただけて大変光栄でした。
海宝さんとは初共演だったのですが、舞台や映像などで拝見していたので海宝さんの柔らかく優しい、そして時に鋭い歌声を生で拝聴できたこと、そして何よりデュエットさせていただけたことが大変幸せでした。
フルオーケストラの皆様の演奏と海宝さんの歌声のハーモニーをこうしてまた配信という形で感じられるということで
当日会場にいらした方もそうでない方も、すべての皆様にぜひとも味わっていただきたいです!
どうぞお楽しみくださいませ♪
星風まどか
プロフィール
星風まどか(ホシカゼマドカ)
1996年、東京都生まれ。2014年、宝塚歌劇団に入団し、宙組トップ娘役、花組トップ娘役を経て、2024年5月に退団。退団後、ミュージカル「ニュージーズ」「ラブ・ネバー・ダイ」「1789 -バスティーユの恋人たち-」「マリー・キュリー」に立て続けに出演。2026年1月から3月にかけて「PRETTY WOMAN The Musical」、2月に阪急阪神不動産presents「エリザベート TAKARAZUKA30th スペシャル・ガラ・コンサート」が控える。
星風まどかstaff (@hoshikazestaff) | X
小林唯
芸能活動30周年、本当におめでとうございます。
直人さんとの出会いは劇団時代、「ノートルダムの鐘」初演の公開通し稽古を拝見したときでした。
そのときの圧倒的な歌唱力はもちろん、何より“役そのものがそこに存在し、役者が見えなくなる”という初めての体験に強い衝撃を受けました。
以来、直人さんは僕にとって大きな影響を与えてくださった存在であり、今でも僕の指針となっています。
その後、僕自身も研鑽を積み重ね、出会いから10年を経て、今回こうしてゲストとしてお招きいただけたことを本当に感慨深く感じています。
あの頃の自分にこのことを伝えたらひっくり返るでしょう(笑)。
そして今回のコンサートは、僕にとっても、お客さまにとっても夢のような内容になっています。
心から楽しんでいただける空間になるよう、精一杯努めたいと思います。
どうぞお楽しみに!
プロフィール
小林唯(コバヤシユイ)
1993年、兵庫県生まれ。2013年に劇団四季研究所に入所。「キャッツ」「アラジン」「パリのアメリカ人」「美女と野獣」など主要な役どころを演じる。2023年に退団したのち、ミュージカル「この世界の片隅に」に水原哲役で出演。またミュージカル「レ・ミゼラブル」ではアンジョルラス役にキャスティングされた。2025年12月に舞台「1995117546」、12月31日に「カウントダウン ミュージカルコンサート 2025-2026」、2026年2月に「オルガン×ミュージカルコンサート2026 in ACTCITY」、2026・2027年公演「ミス・サイゴン」に出演する。
「more in TOKYO」WOWOW放送・配信の翌日に“Encore”公演が開催!
今夏の「more」東京・大阪・千葉公演に続く追加公演として、「海宝直人×オーケストラ more in TOKYO Encore 舞台芸能活動30周年記念コンサート」が11月30日に東京・東京芸術劇場コンサートホールにて行われる。海宝のほか、スペシャルゲストとして小林唯が参加。コーラスに磯部杏莉、髙橋莉瑚、田中俊太郎、村井成仁が名を連ねた。
「海宝直人×オーケストラ more in TOKYO Encore 舞台芸能活動30周年記念コンサート」
2025年11月30日(日)開場16:00 / 開演17:00
東京都 東京芸術劇場コンサートホール
音楽監督・指揮:森亮平
出演:海宝直人
スペシャルゲスト:小林唯
コーラス:磯部杏莉 / 髙橋莉瑚 / 田中俊太郎 / 村井成仁
オーケストラ:パシフィックフィルハーモニア東京
海宝直人×オーケストラ more in TOKYO Encore 舞台芸能活動30周年記念コンサート|WOWOWオンライン



