自身の“推し”であるアイドルの子供に転生した主人公が、数奇な運命をたどる様を追った人気マンガ「【推しの子】」(集英社)が、「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」のタイトルで舞台化される。中屋敷法仁が脚本・演出・作詞を手がける本作では、原作マンガの第5章「2.5次元舞台編」のエピソードに焦点を当て、小宮璃央扮するアクアらが2.5次元舞台「東京ブレイド」に挑む姿が、舞台オリジナル要素を交えて描かれる。
「2.5次元舞台編」に登場する実力派劇団・劇団ララライを演じるメンバーには、実際、それぞれの劇団に所属しているメンバーが多くキャスティングされた。ステージナタリーでは、劇団ララライキャストの石田隼、杉山圭一(★☆北区AKT STAGE)、多田直人(演劇集団キャラメルボックス)、三浦修平(劇団扉座)、永田紗茅(柿喰う客)、古賀ありさ(演劇集団円)、白崎誠也(ジャパンアクションエンタープライズ)、寒川祥吾(ジャパンアクションエンタープライズ)にインタビューを実施。公演最終日となる12月29日の2公演がau Live StreamingおよびTELASAで独占配信されることを受け、本作を配信で観る際に注目してほしいポイントや、8人それぞれが公演にかける思いを聞いた。
取材・文 / 興野汐里
au Live StreamingおよびTELASAでは、「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」最終日の模様を独占配信!
「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」ライブ配信
2024年12月29日(日)
配信情報
2024年12月29日(日)12:00開演回 ※全景映像
2024年12月29日(日)17:00開演回(大千秋楽公演) ※スイッチング映像
販売価格
2024年12月29日(日)12:00開演回
一般価格:税込2800円
Pontaパス会員価格:税込2300円
2024年12月29日(日)17:00開演回(大千秋楽公演)
一般価格:税込3800円
Pontaパス会員価格:税込3300円
※uP!!!は、12月10日(火)にau Live Streamingへ名称が変更になりました。
※Pontaパス会員価格はau Live Streamingのみ。
※購入時システム手数料として別途200円が必要。
※コンビニ支払い利用時には、コンビニ支払い手数料として別途220円が必要。
配信期間
ライブ配信:各公演ライブ配信開始~公演終了まで。
見逃し配信:ライブ配信終了後準備整い次第~2025年1月5日(日)23:59
※公演開始30分前からライブ配信ページに入場可能。
販売期間
2025年1月5日(日)21:00まで
配信チケット購入者限定の直筆サイン入りグッズプレゼントキャンペーン実施中!
参加者
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みたのりお役
石田隼(イシダシュン)1991年、三重県生まれ。俳優。主な出演作に「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン」(大石秀一郎役)、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」シリーズ(有楽町線役)、「『Dr.STONE』THE STAGE ~SCIENCE WORLD~」(ドクタロー役)などがある。
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里見勇気役
杉山圭一(スギヤマケイイチ)1982年、東京都生まれ。俳優。2003年、北区つかこうへい劇団に第10期生として入団。現在は★☆北区AKT STAGEの劇団員として活動している。
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海路ソウタ役
白崎誠也(シラサキセイヤ)熊本県生まれ。俳優。アクション俳優・スタントマンを擁するジャパンアクションエンタープライズに所属している。
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山中タンジ役
寒川祥吾(サムカワショウゴ)埼玉県生まれ。俳優。アクション俳優・スタントマンを擁するジャパンアクションエンタープライズに所属している。
まさか劇団ララライの一員になるとは!
──赤坂アカ先生、横槍メンゴ先生が手がけた「【推しの子】」は、2020年から2024年まで「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載され、11月に最終回を迎えました。原作マンガ、もしくはテレビアニメ、ドラマ、映画などのメディアミックスをご覧になったことがあれば、作品の印象を教えてください。
杉山圭一 自分自身が俳優をやっているということもあって、「2.5次元舞台編」は特に「こういうこと、実際あるある!」と思いながら観ていました。「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」の現場は、率直にすごく楽しいです。今回の座組では自分が最年長で、こんなにフレッシュな現場は初めてかもしれません。
石田隼 僕は俳優仲間から「『2.5次元舞台編』は芸能界の裏側が描かれていて面白いよ!」とおすすめされることが多くて。ありがたいことに僕も2.5次元作品に出演させていただく機会が多いので、「確かにこれはあるあるだな」「今まで知らなかったけど、制作サイドにはこんな苦労があるんだ」と改めて考える良い機会になりましたし、この「【推しの子】」という作品をきっかけに、舞台に興味を持ってくれる人が増えるんじゃないかなと思いました。
白崎誠也 僕は、まさか自分が劇団ララライの一員になるとは夢にも思わずにアニメを観ていたので、「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」のお話をいただいたときはびっくりしましたが、本当にうれしかったですね。
寒川祥吾 僕は普段、アクションシーンがある舞台に出演させていただくことが多いのですが、今回は山中タンジという役までいただいて、劇団員にもなることができて……感無量です。
演劇版劇団ララライの良さは?
──劇団ララライのキャストには実際に劇団員として活動している方々が多く、杉山さんは★☆北区AKT STAGE、多田直人さんは演劇集団キャラメルボックス、三浦修平さんは劇団扉座、永田紗茅さんは柿喰う客、古賀ありささんは演劇集団円に所属しています。そんな今回のキャスティングに、「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」制作陣の本気を感じました。
杉山 普段、ほかの劇団の方とご一緒することがなかなかないので、皆さんのお芝居を観ていると、劇団それぞれに色があるんだなということを知ることができて面白いです。各々個性が強いから、劇団ララライの色をどうやって出していくのかが難しいところでもあるんですが、バラバラなところが劇団ララライらしいのかなとも思っていて。
石田 僕自身は劇団に所属していないのですが、いろいろな劇団さんの公演に出させていただく機会が多く、そのたびに「この劇団さんはこういうカラーなんだ。自分もその色に染まってみよう」「今回はあえて、この劇団さんとは違うカラーでいってみよう」と試行錯誤する作業が楽しいですね。1人ひとりカラーは違うけど、みんなの気持ちが1つになっているところが「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」における劇団ララライの良さなのかなと思いながら演じています。
寒川 劇団ララライのメンバーと一緒に稽古をしていると、劇団って良いなあって思いますよね。僕たち劇団ララライのメンバーは舞台上で割と自由に演じさせてもらっているんですが、その時間がすごく楽しいです。
石田 そうですね。もちろん中屋敷(法仁)さんに演出をつけてもらう部分もありますけど、信じて任せていただいているところが多くて。
──特に石田さんはアドリブがお得意な印象があるのですが……。
石田 (笑)。でも、今回僕が演じるみたのりおは、七三分けにスーツ姿という、独特な雰囲気をまとった“触らぬ神に祟りなし”的なキャラクターなんですよ。たとえば、みんなで筋トレをするシーンで、(船戸竜馬役の)多田さんが「もうちょっと腕を上げて!」と周りに声をかけているんですけど、僕には一切声をかけてくれなくて、「……うん! お前はそのままでいいよ!」みたいな感じで放置されてます(笑)。
一同 ははは!
杉山 みたのりおは、実在する劇団にもあまりいなさそうなタイプだもんね。
石田 どういう芝居をするのが正解なのかまだ探っている状態ではあるんですけど、「とにかく突き進むぞ!」という気持ちで、みたのりおという役と向き合っています(笑)。
白崎 自分も稽古場でどういう居方をしたら良いのか悩むことがあるかも。今、海路ソウタとして劇団ララライの稽古に参加しているけど、白崎誠也として「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」の稽古に参加している感覚もある。自分は今、役に入っているのか素に戻っているのか、どっちだ!?みたいな。
一同 わかる!
石田 自分が演じているキャラクターの特徴を色濃く出すというより、俳優としての自分自身の特徴を色濃く出している感じもあって、不思議な感覚になりますよね。里見勇気、海路ソウタ、山中タンジの3人は舞台オリジナルキャラクターなんでしたっけ?
寒川 里見と海路はオリジナルキャラクターだけど、山中は原作マンガに2コマだけ登場してます! 見つけました(笑)。
──オリジナルキャラクターや、資料が少ないキャラクターを演じる際は役を立ち上げる難しさもあると思いますが、同時に膨らませ甲斐もありますよね。
寒川 そうですね。
石田 寒川さん演じる山中の“スーパー代役”っぷりが本当に面白いんです。山中はいろいろな役のセリフが頭に入っているし、殺陣もしっかりできるんだけど、「君の芝居はなんだかココ(心)に響かないんだよな……」みたいな理由で役をもらえていない感じがあるというか(笑)。
一同 ははは!
白崎 でも、「代役できる人?」と聞かれたら、いの一番に「ハイ! できます!」と手を挙げるんだよね(笑)。
杉山 そうそう。健気で可愛いキャラクターだよね(笑)。
短パンから見える“膝”に注目
──au Live StreamingおよびTELASAにて、公演最終日の模様が独占配信されることになりました。12月29日12:00開演回は全景映像、千秋楽となる同日17:00開演回はスイッチング映像が配信されます。本作を配信でご覧になる方に、注目ポイントを教えていただけますか?
石田 せっかくなので、劇団ララライの登場シーンに絞って見どころを紹介しましょうか! そうだなあ……周りの邪魔をしない、適度な小芝居ですかね。
寒川 劇団ララライのメンバーは、“背景”作りというか“稽古風景の雰囲気”作りを担っているもんね。また、1幕では「東京ブレイド」の稽古、2幕では「東京ブレイド」の本番が上演されるので、1幕と2幕のつながりも楽しんでもらえたらと思います。
石田 劇団ララライのメンズは、実際はみんな30オーバーなんですけど、中学校の卓球部をテーマにした「SMASH HEAVEN」という劇中劇で、みんな短パン姿になるんです。三十代の俳優たちの努力が表れた“膝”にぜひ注目してもらいたいですね。スギさんが短パンをはくのを本気で嫌がっていて面白いです(笑)。
一同 ははは!
杉山 最初はすごく恥ずかしかったんだけど、「いや、この歳になったらこういうことはもう二度と経験できないかもしれない!」と思ったら、少し楽しめるようになりました。
寒川 スギさん、青春を取り戻してる!(笑)
石田 あとは、舞台装置が本当に豪華です。舞台装置だけでなく、小道具、衣裳、音響、照明、映像……各セクションのスタッフさんが「演劇【推しの子】2.5次元舞台編」を最高の作品にしようと尽力してくださっているのをひしひしと感じるので、僕らは全力で演じるのみです!
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劇団ララライ キャスト座談会 Part2