SPAC2019「ふじのくに⇄せかい演劇祭」から「メナム河の日本人」まで 宮城聰×今井朋彦対談|普遍的、かつ先鋭的に

2019年度SPAC年間上演ラインナップ

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」
「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」

2019年4月27日(土)~5月6日(月・振休)

静岡県 静岡芸術劇場、舞台芸術公園、駿府城公園 ほか

2000 年に「Shizuoka 春の芸術祭」としてスタートし、11年から「ふじのくに⇄せかい演劇祭」と名称を改め、毎年開催されている舞台芸術イベント。「ふじのくに(静岡県)と世界は演劇を通じてダイレクトに繋がっている」というコンセプトのもと、国内外のアーティストが集い、交流している。

アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」より。©︎Géraldine Aresteanu

アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)

静岡県 静岡芸術劇場

コンセプト・演出・舞台美術:ヨアン・ブルジョワ

アーティスティック・アシスタント:津川友利江

「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」より。©︎Y. Inokuma

「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」

2019年4月27日(土)・28日(日)

静岡県 舞台芸術公園 野外劇場「有度」

作:唐十郎

演出:宮城聰

出演:SPAC / たきいみき、石井萌水、奥野晃士、春日井一平、木内琴子、武石守正、舘野百代、永井健二、三島景太、吉見亮、若宮羊市

内容紹介2009年に初演された本作。「源氏物語」の光源氏と葵上、生霊となった六条御息所の三角関係に、チェーホフの「六号室」を織り交ぜた唐十郎の「ふたりの女」を、宮城が舞台芸術公園 野外劇場「有度」の空間に解き放つ。

「マダム・ボルジア」イメージビジュアル©︎KATO Takashi

「マダム・ボルジア」

2019年5月2日(木・休)~5日(日・祝)

静岡県 駿府城公園

作:ヴィクトル・ユゴー

構成・演出:宮城聰

音楽:棚川寛子

出演:SPAC / 美加理、阿部一徳、大内米治、大高浩一、片岡佐知子、加藤幸夫、河村若菜、貴島豪、黒須芯、小長谷勝彦、鈴木真理子、関根淳子、大道無門優也、ながいさやこ、布施安寿香、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎

内容紹介ルネサンス期のイタリアに実在した稀代の悪女ルクレツィア・ボルジアを描くヴィクトル・ユゴー作品に、日本の戦国時代後期の風俗や衣裳を重ねて立ち上げる。殺人をも厭わないルクレツィアだが、生き別れた息子を思うときは母の顔を見せ……。駿府城公園の空間を存分に生かした宮城演出に注目だ。

ミュージカル「マイ・レフト / ライトフット」より。©️Tommy Ga-Ken Wan

ミュージカル「マイ・レフト / ライトフット」

2019年5月2日(木・休)・3日(金・祝)

静岡県 静岡芸術劇場

演出・作:ロバート・ソフトリー・ゲイル

作曲・作詞:クレア・マッケンジー、スコット・ギルモア、リチャード・トーマス

内容紹介スコットランドからやってくる明るい社会派ミュージカル。舞台はアマチュア劇団の稽古場。「インクルーシビティ(包括性)」をテーマに映画「マイ・レフトフット」の舞台化を試みるメンバーは、劇団スタッフで脳性麻痺のクリスにアドバイスをもらおうとするが……。

「歓喜の詩(うた)」より。©︎Luca Del Pia

「歓喜の詩(うた)」

2019年5月5日(日・祝)・6日(月・振休)

静岡県 静岡芸術劇場

構成・演出:ピッポ・デルボーノ

花構成:ティエリ・ブテミ

音楽:ピッポ・デルボーノ、アントワーヌ・バタイユ、ニコラ・トスカーノ ほか

内容紹介ヨーロッパで活躍するピッポ・デルボーノの集大成とも言える作品。構成・演出・音楽を手がけ出演もする本作では、ベルギーの巨匠、ティエリ・ブテミによる花々に彩られた空間で“歓喜”へ至る道を描き出す。

「メディアともう一人のわたし」より。©︎Moon Kwanill

「メディアともう一人のわたし」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)

静岡県 舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」

原作:エウリピデス

翻案・演出:イム・ヒョンテク

内容紹介韓国の演出家イム・ヒョンテクが、ギリシア悲劇「王女メディア」を韓国歌舞劇として立ち上げた人気作。伝統芸能のパンソリの歌や太鼓を取り入れたパワフルな演出に注目だ。

「コンゴ裁判~演劇だから語り得た真実~」より。

ドキュメンタリー映画「コンゴ裁判~演劇だから語り得た真実~」

2019年4月27日(土)・28日(日)

静岡県 グランシップ 映像ホール

脚本・監督:ミロ・ラウ

内容紹介スイス人演出家のミロ・ラウが脚本・監督を務め、今も紛争状態にあるコンゴを舞台にしたドキュメンタリー映画。ラウは、紛争下における事件の被害者、加害者のほか法曹関係者や市民に「演劇への参加」を呼びかけ、模擬法廷での“裁判”を行う。

ストレンジシード静岡2019ロゴ

「ストレンジシード静岡」

2019年5月3日(金・祝)~6日(月・振休)

静岡県 駿府城公園、静岡市役所・葵区役所 ほか静岡市内

プログラムディレクター:ウォーリー木下

出演予定アーティスト:ままごと×康本雅子、梅棒、BATIK、範宙遊泳、ロロ、山田うん、FUKAIPRODUCE羽衣、ホナガヨウコ企画、KPR/開幕ペナントレース、川村美紀子、いいむろなおき、劇団壱劇屋、オイスターズ、こふく劇場、ブルーエゴナク、カゲヤマ気象台、劇団 短距離男道ミサイル、渡邉尚、突劇金魚、Mt.Fuji

内容紹介4年目を迎える「ストレンジシード」。ウォーリー木下がプログラムディレクターを務める本企画では、国内外の多彩なアーティストが静岡のストリートで、ダンスから演劇、マイムまでさまざまなパフォーマンスを披露する。

2016年に上演された「イナバとナバホの白兎」より。©︎日置真光
新演出版「イナバとナバホの白兎」

2019年6月8日(土)・9日(日)

静岡県 静岡芸術劇場

構成・演出:宮城聰

台本:久保田梓美&出演者一同による共同創作

音楽:棚川寛子

出演:SPAC

内容紹介2016年にフランス国立ケ・ブランリー美術館とSPACの共同制作によって初演された本作。今回は新演出に挑む。

人材育成事業「SPACシアタースクール」

2019年8月

静岡県 静岡芸術劇場

秋→春のシーズン2019-2020
2018年に上演された「寿歌」より。©︎HIRAO Masashi

#1「寿歌」再演

2019年10月

静岡県 静岡芸術劇場

演出:宮城聰

出演:SPAC

企画:愛知県芸術劇場、SPAC-静岡県舞台芸術センター

内容紹介2018年に愛知、静岡ほかで上演された「寿歌」を早くも再演。北村想の代表作を、宮城の演出で立ち上げる。なお前回、SPACでは野外劇場「有度」にて上演されたが、今回の会場は静岡芸術劇場となる。

2016年に上演された「サーカス物語」より。©︎HIRAO Masashi

#2「ペールギュントたち(仮題)」

2019年11月

静岡県 静岡芸術劇場

作:ヘンリック・イプセン

演出:ユディ・タジュディン

出演:SPAC

内容紹介ヘンリック・イプセンの戯曲「ペール・ギュント」を、インドネシアのユディ・タジュディンの演出により、SPACの俳優とインドネシア、日本、ベトナム、スリランカのメンバーによって上演する。

2016年に上演された俳優発案企画「青森県のせむし男」より。©︎SPAC / Photo by NAKAO Eiji

#3「セチュアンの善人」

2019年12月

静岡県 静岡芸術劇場

作:ベルトルト・ブレヒト

演出:渡辺敬彦

出演:SPAC

内容紹介ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの代表作の1つを、SPACの俳優・渡辺敬彦の演出で上演。善良な人間を探すため、3人の神がセチュアンの街に降り立つが……。

2011年に上演された「グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~」より。©︎三浦興一

#4「グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~」再演

2020年1月~2月

静岡県 静岡芸術劇場

原作:グリム兄弟

作:オリヴィエ・ピィ

訳:西尾祥子、横山義志

演出:宮城聰

音楽:棚川寛子

出演:SPAC

内容紹介2011年に初演された本作を再演。グリム童話を元にフランスの劇作家オリヴィエ・ピィが描いた戯曲を、俳優の歌と楽器演奏を交えて宮城が立ち上げた人気作。

2013年に上演された「わが町」より。©︎HIRAO Masashi

#5「メナム河の日本人」

2020年2月~3月

静岡県 静岡芸術劇場

作:遠藤周作

演出:今井朋彦

出演:SPAC

内容紹介2010、13年にSPAC「わが町」の演出を手がけた文学座の今井朋彦が、遠藤周作の戯曲を演出。17世紀初めにアユタヤ王朝(タイ)に渡った山田長政を軸とする歴史活劇だ。

人材育成事業「SPACこども大会」

2020年3月

静岡県 静岡芸術劇場

SPAC-静岡県舞台芸術センター

専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動する日本初の公立文化事業集団。1997年に初代芸術総監督・鈴木忠志のもとで本格的に活動を開始し、2007年より宮城聰が芸術総監督を務めている。

宮城聰(ミヤギサトシ)
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京芸術祭総合ディレクター。東アジア文化都市2019豊島舞台芸術部門総合ディレクター。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年にク・ナウカを旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から評価を得る。2007年4月、SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を切り取った作品を次々と招聘し、“世界を見る窓”としての劇場作りに力を注いでいる。14年7月にアビニョン演劇祭から招聘された「マハーバーラタ」の成功を受け、17年に「アンティゴネ」を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演した。代表作に「王女メデイア」「ペール・ギュント」など。04年に第3回朝日舞台芸術賞、05年に第2回アサヒビール芸術賞を受賞。第68回芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。19年4月にフランス芸術文化勲章シュバリエを受章。
今井朋彦(イマイトモヒコ)
1987年に文学座附属演劇研究所に入所。92年に座員となり現在に至る。劇団公演のほか、古典から現代劇、コンテンポラリーダンス作品など外部出演も多数。近年の主な舞台に「子午線の祀り」(演出:野村萬斎)、「TERROR」(演出:森新太郎)、「Le Père 父」(演出:ラディスラス・ショラー)。19年は「Taking Sides~それぞれの旋律~」(演出:鵜山仁)、主演作「再びこの地を踏まず─異説・野口英世物語─」(作:マキノノゾミ、演出:西川信廣)に出演予定。12月に文学座アトリエの会にて松原俊太郎書き下ろし作品を演出する。
※初出時、プロフィール内に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

2019年4月16日更新