PARCOプロデュース「プレイハウス」根本宗子×磯村勇斗×松隈ケンタ|GANG PARADEと挑む異色ミュージカル、常識をぶち壊す最高の“遊び場”

“1人対10人”で「わけがわからないっ!」

──稽古場でのギャンパレメンバーの印象はいかがですか?

磯村勇斗

磯村 真面目ですよね。

根本 すごく真面目です。演出を1個つけるたびに「ありがとうございます!」と言われるんです。

磯村 確かに言ってますね。

根本 演出してて、あんなに「ありがとうございます」って言われたことないです(笑)。何かを吸収してやろうという姿勢がすごいですね。

松隈 稽古場の映像をちらっと拝見したんですが、なんだか恥ずかしくて……。よく知ってる身内がテレビに出てるのを観るような感覚でモゾモゾしましたよ(笑)。

根本 稽古では衣装も着てないですし、照明もない状態ですからね。

松隈 確かに。あと「演技、大丈夫かな?」って親心的に心配な部分もあったりします。そこは本番を観てのお楽しみですね。

磯村 みんな本当にタフですよね。稽古で1日中歌って踊っているのに、疲れた様子が全然ないし。僕も歌って踊るシーンがあるのですが、彼女たちはその倍以上動いて、芝居にも集中して取り組んでいるので、精神力は俳優陣より強いかもしれません。きっと本番にも強いと思います。

──磯村さんはそんなパワフルな10人を相手にする役どころですよね。

「プレイハウス」ビジュアル

磯村 ギャンパレのみんなから一斉にワーワー言われるシーンがあるんですが、“1人対10人”という感じなので、稽古場で「わけがわからないっ!」って口に出して言っちゃいました(笑)。根本さんからも「全員で聖夜を疲れさせたい」と言われているのですが、彼女たちの勢いに負けないようにセッションしていきたいですね。

根本 ギャンパレは今回初舞台ではありますが、日々すごい数のライブをこなしてきているので、舞台に立つことに関して、私も尊敬しています。俳優さんとも芝居の作り方が違って、ギャンパレはセリフを動きとリンクさせながら覚えていく。それはアイドルで言うところの歌詞と振付の関係に近い気がします。

松隈 なるほど。僕はギャンパレのレコーディングのとき、「ドレスを着たまま、水にダイブする感じで歌って!」というふうに具体的なイメージを指示したりします。それもある意味、演出と言うのかな。ただ自由に歌わせるのではなく、キーワードを提示することで彼女たちは曲の世界にグッと入り込んでくれるんですよね。あと例えばヤママチミキはクネクネした声で歌う癖があるんですが、普通のディレクターなら絶対嫌だと思うんですよ(笑)。ほかのスタッフが「あの歌い方は変だから止めさせた方がいい」と言っても、僕だけは「いや、やり通したら絶対よくなるから!」と説得して。

磯村 クネクネってどういう感じで歌うんですか?

松隈 しゃくるというか。

根本松隈 (声に出してヤママチの歌い方を再現する)

磯村 なるほど!

松隈ケンタ

松隈 突き詰めたら彼女の強い個性になったんです。似たような感じでキャン・GP・マイカもエロ系のしゃくりをよくやるので、「どんどんやってください」と。あまりアイドルっぽい歌い方ではないかもしれないけど、僕は基本的にアイドルが嫌いなんで(笑)。

磯村 アイドル嫌いなんですか!

松隈 大嫌いなんです(笑)。

磯村 ギャンパレさんもくくりは“アイドル”ですよね?

松隈 アイドルのカテゴリーには一応入ってるんですが、僕個人としてはロックバンドに曲を書いているつもりでプロデュースしてます(笑)。

一同 あははは!

根本 私はミキちゃんの歌声が大好きで。ミキちゃんは劇中1人で歌うシーンが多いのですが、稽古でも「そのクネクネをふんだんに使って!」と伝えている曲と、「クネクネしないで!」って言っている曲があるんです。詞に感情を乗せるには、ストレートに歌ったほうが観客に届きやすかったりするので。この間、試しに「リトル・マーメイド」の曲を歌ってもらったんですが、それはクネクネしなかったから、「その感じで『sugar』歌って」って言ったら、ミキちゃんも「なるほど!」と納得してました。

ギャンパレの“演技派女優”は誰か?

──ギャンパレには、例えばカミヤサキさん、ユメノユアさん、テラシマユウカさんのように作詞で才能を発揮しているメンバーもいますが、10人の中で一番の“演技派女優”は誰だと思いますか?

根本宗子

根本 みんなそれぞれによさはあるんですけど、強いて言うならココ・パーティン・ココですかね。演技って、その世界に普通に存在して自然とセリフを言うことが一番難しかったりするんですが、なんでかわからないけどココちゃんは最初からそれができていて。普段のままの状態でスイッチの切り替えなく芝居に入れるっていうのは魅力的ですよね。

磯村 ココさんはセリフの声量も俳優陣がちょっとビビっちゃうぐらい大きいですよね。

根本 ギャンパレメンバーは大体みんな私に「声大きくして」って言われてるんですけど、ココちゃんだけは言われてない(笑)。

松隈 わかります。歌もそうですもん。レコーディングで「こんな感じで」って指示したとき、すぐ入り込めるのはココとか(ユイ・ガ・)ドクソンです。あいつらは普段から2人でワチャワチャやってますから、女優よりお笑い芸人のほうがいいんじゃないかなと僕は思いますが(笑)。

根本 確かに稽古場でも一番しゃべってる2人かもしれません。

松隈 ギャンパレのレコーディングは、いつも前半5人と後半5人に分けているんですが、実はココとドクソンを一緒にしないようにしてるんです。あいつらも気付いてないと思うんですけど(笑)。

磯村 しゃべっちゃうからですか?

松隈 そうですね。もうレコーディング中ずっとうるさいんです(笑)。「松隈さん今のいいですねー」とか、後ろで月ノとかのモノマネ大会が始まりますし。あ、ギャンパレはみんなモノマネが上手です。

磯村 それは大事ですね。

松隈 そう。やっぱり歌手でも役者でも特徴をすぐつかめるというのは長所ですよね。

根本 ナルハ(ワールド)もかなり女優向きですよ。

磯村 確かに女優気質だと思いました。

松隈 へえ、そうですか! 意外!

根本 まだ技術はないかもしれませんが、出してくるものが正解なんです。

松隈 じゃあ、ココとナルハは根本さんに差し上げましょう!(笑)

一同 あははは!