「グラブルフェス2023」|荒牧慶彦×田中涼星 “愛”あふれるパフォーマンスに感動 舞台俳優が感じた「グラブル」オフィシャルキャストの魅力とは

人気スマホゲーム「グランブルーファンタジー」が、3月10日にサービス開始10周年を迎えた。アニバーサリーを祝うこの特集では、「グランブルーファンタジー」のリアルイベント「グラブルフェス」で“キャラクターそのもの”として振る舞う公式コスプレイヤー・オフィシャルキャストにスポットを当てた内容を紹介する。

今回の特集では、「グランブルーファンタジー」ゲーム内イベントで声優を務めた経験を持つ荒牧慶彦と、荒牧の後輩でゲーム好きの田中涼星が、2023年12月に2日間にわたって開催された「グラブルフェス2023」のアーカイブ映像を鑑賞。オフィシャルキャストの魅力や、2人が感じたオフィシャルキャストの“キャラクター愛”、自分たちが舞台に立つ際の役作りの秘訣、さらには特に気になったオフィシャルキャストなどについて、語り合ってもらった。

取材・文 / 中川朋子撮影 / 堀内彩香
ヘアメイク / 鈴木りさスタイリスト / ヨシダミホ

「グランブルーファンタジー」とは?

「グランブルーファンタジー」ビジュアル

「グランブルーファンタジー」(通称グラブル)は、Cygamesが2014年3月10日から提供しているスマートフォン・PC向けソーシャルゲーム。“広大な空の世界での冒険”をテーマにした王道ファンタジーRPGで、プレイヤーは“騎空士”となり、騎空艇に乗って空に浮かぶ島々を旅する。2023年10月には累計登録者数3600万人を突破した。

“騎空士”たちが集う!
「グランブルーファンタジー」のお祭り「グラブルフェス」

2017年に初開催された「グラブルフェス」は、「グランブルーファンタジー」の世界観をリアルに体感できるイベント。幕張メッセや東京ビッグサイトで行われる本イベントでは、グラブルの声優やプロデューサー、ディレクター陣のトーク、音楽ライブなど、さまざまなお楽しみ企画が展開するほか、キャラクターをイメージしたフードやドリンク、限定グッズも販売される。

「グラブルフェス」を彩るオフィシャルキャストたち

オフィシャルキャストとは、2017年の「グラブルフェス」初開催から、同イベントを中心に活躍する「グランブルーファンタジー」公式コスプレイヤー。オフィシャルキャストは会場で“キャラクターそのもの”として振る舞い、オフィシャルキャストステージで殺陣やキャラクターソングに合わせたダンスパフォーマンス、ファッションショーなどを披露するほか、フォトスポットでのグリーティングにも登場し、再現性の高い衣裳やビジュアル、細やかなファンサービスでファンたちを沸かせている。

荒牧慶彦×田中涼星が観る「グラブルフェス2023」
左から荒牧慶彦、田中涼星。

目指すは“立ち絵”、原作を研究してキャラクターの動きを完全再現

──荒牧さんは過去に「グランブルーファンタジー」のシナリオイベント「プラチナ・スカイⅡ」に登場したキャラクター・フェールの声を担当しました。お二人はグラブルに対してどのようなイメージを持っていますか?

荒牧慶彦 二十代前半の頃から「グラブルがすごく面白い」と、周りの友達から評判を聞いていました。1つのタイトルが10年続くって、本当にすごいこと。僕も実際に遊んだことがありますし、「多くの方々に愛されているゲームだな」という印象です。

田中涼星 “グラブル”って、今も身近なワードですよね。僕もゲームが好きなので、先日からグラブルをプレイしています。キャラクターが素敵でやりこみ要素もあるので「10年続いてきた理由がわかるな」と感じましたね。

──ではさっそく、グラブルの公式YouTubeで公開されているアーカイブ映像で、「グラブルフェス2023」でのオフィシャルキャストの活躍をご覧ください。まずは「グラブルフェス2023」DAY1のオープニング映像から。グラブルのメインヒロイン・ルリアがカメラを持ち、イベントの準備をする団員たちのもとを順番に訪ねていきます。オフィシャルキャストたちは声優さんの音声に合わせて演技しています。

田中 わあ、本当にしゃべっているみたいですね。

荒牧 皆さんうまいよねえ。

──「グラブルフェス2023」DAY1のオフィシャルキャストステージの冒頭では、ステージの進行役である、北の恵方を守護する十二神将の1人・ビカラが、観客にあいさつします。

「グラブルフェス2023」DAY1より、ビカラ。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY1より、ビカラ。© Cygames, Inc.

荒牧 ビカラが舞台のいろいろなところでポーズを取っていますね。観客の方は皆さん、写真を撮っているんですか?

──はい。オフィシャルキャストステージはすべて撮影OKなんです。

荒牧 へえー! それはファンにとってうれしい。ヘアメイクや衣裳のディテールがすごいですね。

田中 確かに。さっきのルリアも髪がツヤツヤできれいだったし、ビカラの靴下のワンポイントにもこだわりを感じます。

──四騎士のランスロット、ヴェイン、ジークフリート、パーシヴァルによる手合わせや、女性キャラクターによるアクション、殺陣のパフォーマンスにも注目です。「ちょっと待ったあ!」の掛け声で、鼓の音と共に卯の十二神将・マコラが客席側から登場しました。

「グラブルフェス2023」DAY1より、左からヴェイン、ランスロット、パーシヴァル、ジークフリート。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY1より、左からヴェイン、ランスロット、パーシヴァル、ジークフリート。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY1より、マコラ。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY1より、マコラ。© Cygames, Inc.

荒牧 最高な登場の仕方ですね。日本刀みたいな武器が出てくるとテンション上がります。うわあすごい、マコラはハイヒール姿で戦ってるよ!

田中 カッコいい! ヒールは走りにくいし大変ですよね。

荒牧 そうそう、体重移動するだけで足をくじいてしまうこともあるし。マコラは素晴らしい体幹をお持ちですね……あっ、うさぎのしっぽがかわいい(笑)。

──マコラと“秩序の騎空団”の団長・ヴァルフリートが戦っていると、西北西を護る十二神将・ヴァジラも参戦し、三つ巴に。

田中 武器が大きくてカッコいい! このサイズだと攻撃をさばくのが大変そうですね。

荒牧 皆さん見事ですね。すごく練習したんだろうな。

左から荒牧慶彦、田中涼星。

左から荒牧慶彦、田中涼星。

──オフィシャルキャストは映像やイラストをもとに、キャラクターの癖や立ち姿を再現するそうなんですが、お二人は普段、マンガやアニメ、ゲーム原作の舞台に出演されるとき、キャラクターとしての動作をどうやって身に付けているのですか?

荒牧 原作アニメやゲームのモーションを参考にしています。僕は「キャラクター自体はもちろん、キャラクターが生きている世界のことを勉強しないと演じることができない」と考えています。だから原作のマンガを読み込んだり、アニメを繰り返し観たり、ゲームをやりこんだりしますね。

田中 僕も同じです。舞台に立つときは、寸分の狂いもなく“立ち絵”に似せたい。立ち絵は原作ファンの方々の心に強く残っていることが多いので、ポージングは特に大切にしています。

──やはり原作のイメージを大切にされているのですね。オフィシャルキャストにはモデルやコスプレイヤーとしての活動が本業ではない方も多く、ダンスやお芝居の経験があまりない方もいますが、殺陣やアクションで自然な演技を見せるために、かなりの稽古を重ねているそうです。

荒牧 「どのオフィシャルキャストも自分の中にキャラクターを落とし込んでいるんだな、すごいな」と思いました。殺陣やアクションで難しいのは、キャラクターを忘れずに演じなくてはいけないということ。そのキャラクターがやりそうにない動きをしてしまうと、お客様は現実に引き戻されてしまいます。僕は今観た中だと、ヴァルフリートさんが好きです。武器のさばき方や重心の落とし方がしっかりしていて、脚の開き方も僕好みで……ついそういうところばっかり観ちゃうんですけど(笑)。

「グラブルフェス2023」DAY1より、左からヴァルフリート、ヴァジラ。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY1より、左からヴァルフリート、ヴァジラ。© Cygames, Inc.

田中 皆さん、どの角度で撮られても完璧でした。オフィシャルキャストの皆さんは、コスプレイヤーとして被写体にもなっていると思いますが、装飾が多い衣裳を着て殺陣をしているのがすごい。美しさ、カッコよさを追求していると思いました。そのキャラクターが好きだからこそ、魅力を引き出すためにこれほど細部にまでこだわれるんでしょうね。

荒牧 うんうん。キャラクターへの愛と、「自分がこのキャラクターになるんだ」という意志が見えました。僕たちも舞台で原作に描かれていない部分を演じることがありますが、完璧にキャラクターになりきるためには自分の中で解釈を広げる必要があると思います。僕の場合、原作の研究はもちろんですし、インターネットで原作ファンの方々のご意見にも触れながら自分なりに役柄を解釈し、演技に落とし込んでいます。

田中 そうですね、自分なりに役を解釈していないと、原作にないシーンやアドリブに対応できません。だから稽古中は演出家さんに観てもらいながら「このキャラクターならこんなふうに行動するかな?」という可能性をいろいろ探るようにしています。

田中涼星

田中涼星

荒牧 キャラクターがその世界で生きている以上、何かしらの癖があるはず。その癖を見つけて演技に盛り込むことで、お客様も「あ、確かにこの人はこんなこともするかも」と発見できるんじゃないかな。観ている方の世界も広がりますし、そうやってキャラクターの新しい可能性を見つけていくのは僕らにとっても楽しい作業です。

“キャラクターそのもの”の姿で魅せるファンサービスやダンスに感動

──ここからは、「グラブルフェス2023」DAY2でのオフィシャルキャストの活躍をご覧いただきます。冒頭ではルリア、ユニ、そしてサンダルフォンが客席通路から登場し、手を振りながらステージに向かって観客の目の前を歩いていきます。

荒牧 わあ、客席が近い!

田中 サンダルフォンが配ってるチラシ、欲しいなあ(笑)。

荒牧 サンダルフォンさん、チラシの配り方をすごく研究していると思う。手の動かし方がエレガントだなあ。

──オフィシャルキャストと来場者との距離の近さや、細やかなファンサービスも「グラブルフェス」の魅力の1つで、ステージ全体の進行役・ビカラが1人で客席に降りて観客を盛り上げるシーンもあります。荒牧さんや田中さんも舞台で客席通路に降りることがあると思いますが、役を演じながら観客と近くで接する際に気を付けているポイントはありますか?

「グラブルフェス2023」DAY2より、客席に降りて会場を盛り上げるビカラ。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY2より、客席に降りて会場を盛り上げるビカラ。© Cygames, Inc.

荒牧 きっと皆さんもそうだと思うんですけど……特に意識はしないです。僕の場合、扮装をすると思考回路もキャラクターそのものになる。だからお客様の目の前に立つときも、キャラクターというフィルターを通して、感じたままに自然と振る舞っていると思います。

田中 確かに僕も、“自分”が出てくることはないですね。

荒牧 僕たち俳優の場合、原作者の方にお話を伺ったり、稽古で演出家さんとディスカッションしたりしてそのフィルターを作り上げている。きっとオフィシャルキャストの皆さんも、キャラクターに近付くために鏡の前で何度もポージングしたり、そのキャラクターについて日常的に考え続けたりすることで、ナチュラルな振る舞いを身に付けたのだと思います。そうして作り上げたパフォーマンスは本当にキャラクターそのものですよね。

荒牧慶彦

荒牧慶彦

──アプローチは違えど、荒牧さんたち俳優さんも、オフィシャルキャストの皆さんも、ステージでは完璧にキャラクターを“憑依”させているのですね。続けてランスロット、ヴェイン、パーシヴァルが、キャラクターソング「Knights of Chivalry ~誓いのフェードラッヘ~」に合わせて歌い踊るシーンです。

荒牧 良いですね、これぞフェスって感じ。ハンドマイクにバラが付いてるよ。

田中 ランスロットがマイクの下に小指だけ入れてる……これは氷室京介さんと同じ持ち方ですよ!

──あははは! これは「Special Character Live」というキャラクター3DCGライブでのランスロットと同じマイクの持ち方なんです。

田中 なるほど、そうなんですか! ランスロットはきっとBOØWYのファンだな。

荒牧 あははは!

──DAY2には、グリームニル、エウロペ、ゴッドガード・ブローディア、そしてシヴァといった使徒たちが、グリームニルのキャラクターソング「颶風ノ宣誓」に合わせてバンドパフォーマンスを披露するパートもあります。実際に演奏しているように見えますよね。

「グラブルフェス2023」DAY2より、左からエウロペ、グリームニル、シヴァ、ゴッドガード・ブローディア。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY2より、左からエウロペ、グリームニル、シヴァ、ゴッドガード・ブローディア。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY2より、左からエウロペ、グリームニル。© Cygames, Inc.

「グラブルフェス2023」DAY2より、左からエウロペ、グリームニル。© Cygames, Inc.

荒牧 これも皆さんカッコいいなあ! ギターもキャラクターに合わせたデザインになっていて、作り込みがすごい。この弾き方をまねる人もいそう。

田中 絶対いますよ! 布袋寅泰さんのギターの弾き方を再現してるファンの方、たくさんいますもん。やっぱり好きな人がしていることって、自分もやってみたくなりますよね。

──田中さんのロック愛が伝わってきますね(笑)。オフィシャルキャストがキャラクターソングに合わせてダンスやライブを披露していましたが、お2人の場合は歌やダンスにキャラクターらしさをどうやって取り入れるのでしょうか?

荒牧 僕の場合、ダンスの振付を覚えたら、キャラクター性が感じられるような表情や行動をちょっとした瞬間に取り入れるようにしています。

田中 踊っていると、フォーメーション移動中に演技のスイッチが切れて“無”になってしまいがち。でも「素に戻ったのかな」とお客様の集中力を削がないよう、そういう合間の時間を逆に見せ場にできるように意識していますね。


2024年3月16日更新