「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』“飛翔”」醍醐虎汰朗×須賀健太|さらなる演劇の頂へ!“新生烏野”に繋ぐ思い 烏野新キャスト11人へのQ&Aも!

それぞれの烏野高校排球部の在り方

──演劇「ハイキュー!!」では、日向の相棒であり、ライバルでもある天才セッター・影山飛雄の存在も重要になってきます。それぞれ影山飛雄役のキャストとは、どのような接し方をされるのでしょう?

須賀 僕の場合、初演(2015年)から“勝者と敗者”(2017年)までの木村達成と、“進化の夏”(2017年)から“最強の場所”(2018年)までの影山達也が演じた2人の影山飛雄と共演しているのですが、役者としての性質が2人は正反対だったんです。達成は何かあるとみんなに指摘してくれるタイプだったから、僕が補助に回った。影ちゃん(影山達也)はあまり言わない人だったので、僕が自然と引っ張っていくようになった。どちらもいいバランスで、それは面白いカンパニーの在り方だったなと。日向翔陽と影山飛雄がどう居るかで作品や座組全体の空気感が変わってくると思っていたんです。

左から醍醐虎汰朗、須賀健太。

──一方、新生烏野では、赤名竜之輔さんが影山飛雄役を演じられますね。

醍醐 赤名くんと僕は同い年ですが、赤名くんは今回、お芝居初挑戦なんです。僕はお芝居をやってきたけどダンスをやったことがない、逆に赤名くんはダンスがピカイチなので、足りないものを補い合えるいい意味での凸凹コンビだと思っています。新生烏野では、日向と影山中心と言うより、カンパニー全体がチームとしてよくなることを考えたいですね。

須賀 僕らのときは烏野チームがオラオラしすぎていて、「敵チームは、敵チーム」という感じだった。「俺らがここまで上がってくるから、お前らも来いよ!」みたいに焚き付ける盛り上げ方だったんです。そのせいか「烏野、怖い」とも言われたんだけど(笑)。烏野チームが常に先頭を走って引っ張っていかなきゃいけないとプレッシャーをかけていたからこそ、そういう態度を取っていたんですね。手を抜いている人には、同じチームでもちゃんと言うし、お互いが納得するまで話し合いました。根底に信頼関係があったからこそ、自分たちに対しても厳しくできたのは自慢できるところです。

醍醐 僕も“あきらめないチーム”がいいなと思っていて、妥協はしたくないですね。みんなすごく真面目に稽古に取り組んでいて、例えば段取りを覚えるのが苦手な人はずっとメモを取っていたり、そういう姿勢が素敵だなと思いますし、今の座組が大好きです。僕も自分にできることは精一杯やりたいなと思います。須賀さんほどの器の大きさではないのですが……。

須賀 持ち上げても何にも出ないぞ!(笑)

醍醐 じゃあ稽古場に来ていただくときに……何かを(笑)。

須賀 差し入れを……ね!

一同 あははは!(笑)

須賀 早くみんながお芝居をしているところを見たいですね。今度こっそり稽古を見に行こうと思います(笑)。

──そんな劇団「ハイキュー!!」を束ねるのは演出・脚本のウォーリー木下さんですが、須賀さんにとってウォーリーさんはどんな演出家でしたか?

須賀 ウォーリーさんはすごく演劇が好きで、役者のことをよく見ている。もの作りって楽しいなって改めて思わせてくれたのがウォーリーさんでした。それに最後の最後まで僕たちに任せてくれるんです。ウォーリーさんの中ではすでに答えが出ていることも、役者が自分で気付くまで待ってくれる。僕らがアプローチを変えたりすると、一番に楽しんでくれるし、誰よりも笑ってくれます。ウォーリーさんを笑わせるための稽古もあったくらいで。

醍醐 確かに稽古場で人一倍笑ってますね。演じ方を少し変えたときも気付いてくれて。細かい部分を見てくれているんだなと思ってうれしかったです。やり方を任せてもらえることで、役者の地力が付くと言うか、育てていただいているような感覚で。そんな環境に身を置けているのがとてもありがたいです。

さらなる演劇の“頂”を目指して

──演劇「ハイキュー!!」はロングラン公演でもあるので、かなりの持久力が必要になってくると思います。日向の大好物と言えば“たまごかけごはん”ですが、お二人にとってのパワーの源はなんでしょう?

須賀 焼肉ですね! みんなでご飯に行くときもよく焼肉が候補になりますし。結局、肉です!(笑) 醍醐くんは?

醍醐 これ言うのすごい恥ずかしいんですけど……僕、本当に一番大好きなのが、メロンパンなんですよ。

須賀 あはは!(笑) でも僕も甘いもの好きだなあ。

醍醐 メロンパンを食べてる瞬間が本当に至福で……。

須賀 好きなものをどんどん食べたほうがいいよ。演劇「ハイキュー!!」はとにかく動くから、日向をやってる間は何を食べても太らないと思うし(笑)。

醍醐 食べます!(笑)

左から醍醐虎汰朗、須賀健太。

──太らないのはうらやましい限りです(笑)。新キャストを迎えて、さらなる演劇の“頂”を目指していく演劇「ハイキュー!!」ですが、須賀さんから醍醐さんへエールをお願いします。

須賀 すごく身体を使う舞台なので、まずケガに気を付けてください。僕らがそうだったように、醍醐くんと新生烏野キャストにしか出せない魅力が絶対にあると思うので、そこを突き詰めてほしいですね。僕らは感情になるべく嘘がないようにやってきたし、全力で演じることって口で言う以上に大変なことだと思う。でも大変なことをみんなでやり遂げるのが演劇「ハイキュー!!」の魅力だと思うので、エネルギーに溢れた舞台にしてほしいです!

醍醐 ありがとうございます! カンパニー一丸となって絶対面白い作品にして、須賀さんたちの思いを繋げていきたいと思います。

須賀 楽しみにしてます!