舞台「元号男子」大薮丘インタビュー|時代の変わり目、令和役を通じて“新しい感覚”に出会う|元号男子キャストからのメッセージも!

イラストレーター・志島とひろが手がけた「元号男子」が、このたび初舞台化される。本作には、元号を擬人化したキャラクター、大正、昭和、平成、令和が登場。1つ屋根の下で暮らす彼らの日常がコメディタッチで描かれる。今回の特集では、新元号・令和役を務める大薮丘にインタビューを実施。「擬人化されたキャラクターを演じるのは初めて」と明かす大薮は、キラキラと目を輝かせながら本作にかける思いを語った。大薮にとっての平成最大の思い出、そして令和に改めてチャレンジしてみたいこととは?

なお特集の後半では、大正役・和合真一、昭和役・校條拳太朗、平成役・平賀勇成、ゲスト出演する江戸役・前田剛史、幕末役・星璃、明治役・大原海輝からのメッセージも掲載している。

取材・文 / 川口聡 撮影 / 三浦一喜 ヘアメイク / 藤澤和紀

「元号男子」とは?

舞台「元号男子」イラストビジュアル。左から昭和、令和、平成、大正。(イラスト:志島とひろ / 背景:村カルキ)

イラストレーター・志島とひろによる元号の擬人化作品。2020年8月15日に「元号男子 イラスト集vol.1」が発売され、大正、昭和、平成、令和をメインにしたイラストやマンガが掲載された。また同年10月10日にリリースされたドラマCDには、1つ屋根の下で暮らす元号男子たちの心温まる物語を収録。初の舞台化となる今回は、大正(和合真一)、昭和(校條拳太朗)、平成(平賀勇成)、令和(大薮丘)の4人を軸に、“先輩元号男子”の江戸(前田剛史)、幕末(星璃)、明治(大原海輝)も巻き込んだ、いくつものエピソードが登場する。

大薮丘インタビュー

末っ子の令和くんは圧倒的“愛されキャラ”

──大薮さんは擬人化されたキャラクターを演じるのが今回初めてだそうですね。令和役のオファーが来たときの率直なお気持ちを教えてください。

大薮丘

元号を擬人化するということが、シンプルに面白いと思いました。しかも新元号の令和くん役ということで、演じられるのがすごくうれしいです。

──作中では、大正さん、昭和さん、平成くんが暮らす家に新しく生まれた令和くんがやって来ます。このインタビューのタイミングでは、お稽古に入る前ですが、令和くんをどのようなキャラクターだとイメージしていますか?

令和くんは末っ子で、圧倒的“愛されキャラ”だと思います。ポジティブで、いろんなことに好奇心を持っていて、言ってしまえば生まれたての赤ちゃんのような……ピュアで、無邪気で……まさに天使って感じです!(笑)

──とにかく純真無垢なイメージですね(笑)。そんな令和くんと、大薮さんご自身を照らし合わせたとき、似ている部分、違っている部分を教えてください。

大薮丘扮する令和。

誰にでもエンジン全開で明るく接するところは自分と似ているなと思います。思ったことをすぐ口に出してしまって、失礼になってしまうこともよくあるんですが(笑)。でもそこにはちゃんと愛を込めていて、悪気はまったくないんですよ。令和くんにもそういう部分があると思います。違うのは、僕は猫派ですが、令和くんは犬派なところです(笑)。

──舞台化するうえで、大薮さんなりの令和くん像をどのように作り上げていく予定ですか?

令和という時代のイメージってまだ明確にはなくて、これからできあがっていくものだと思います。だからこそ、自分がすでに持っているものや、これまでの経験だけでなく、新しい感覚をどんどん令和くんに取り入れていきたいですね。

独特で優しい和合真一、コメディにも振り切れる校條拳太朗

──「元号男子」メインビジュアルの撮影では大正役の和合真一さん、昭和役の校條拳太朗さんにお会いになったそうですね。

和合さんとは初めましてだったのですが、まず「令和の和に合格の合、真実はいつも一つと書いて和合真一だよ!」という自己紹介をしていただいて。とても素敵だなと思ったんですが、そのあとずっと僕のことをニヤニヤしながら見てるんですよ。すごく独特な方法で緊張気味の僕を和ませてくださって(笑)。優しいオーラをお持ちなので、稽古が楽しみですね。

──校條さんとは以前から面識があったとか。

ご一緒したことはあるのですが、その舞台がコロナの影響で中止になってしまったので、今回「元号男子」で共演できてうれしいです。校條さんは普段かっちりしているんですが、コメディのお芝居にも振り切れる方で、すっごく面白いんですよ! 凛々しいお顔で、昭和さん役にぴったりですよね。平成役の平賀勇成さんとは今回初めてご一緒するので、早く稽古でお会いしたいです。

議論を重ねながら、一丸となって

──大薮さんから見た、大正、昭和、平成それぞれのキャラクターの魅力を教えてください。

大正さんは、一番先輩で頼り甲斐がある。でもふんわりした柔らかい雰囲気もあって、ちょっと抜けている部分もあったりして、令和くん的には一番絡みやすい関係かもしれないですね。昭和さんは、威厳があって舵を取ってくれるタイプ。硬派で真面目すぎるところもありますが、そこが面白くて、いじられ役でもあります。平成くんは常に眠そうで気だるい雰囲気。ずっとゲームをしてるイメージですね(笑)。思ったことをあまり口に出さないタイプで、イマドキの子だと思います。

大薮丘

──今回はゲストとして前田剛史さん演じる江戸、星璃さん演じる幕末、大原海輝さん演じる明治という“先輩元号”も登場します。

江戸、幕末、明治と、それぞれ個性的な元号だと思うので、キャラが濃くて令和くんは会うたびにワクワクするんじゃないかなって(笑)。すでに志島とひろ先生が描かれたイラストはあるのですが、舞台ではどんなふうになっていくのか楽しみですね。

──大薮さんは、脚本・総合演出の川尻恵太さん、演出の白鳥雄介さんと、それぞれ初タッグになりますね。

そうなんです。稽古では今の自分には想像もつかないことが起こると思うので、新たな気持ちで勉強していきたいですね。役作りについても川尻さん、白鳥さんにたくさん相談すると思います。ウザいと思われてもいいので、とにかく皆さんとたくさん話をして、議論を重ねながら一丸となって作り上げたいです。


2021年3月8日更新