渋谷龍太(Vo)書き下ろし小説「都会のラクダ」と共に振り返るSUPER BEAVERの歩み
2005
4月
同じ高校に通っていた渋谷龍太(Vo)、上杉研太(B)、柳沢亮太(G)、そして柳沢の幼なじみである藤原“28才”広明(Dr)の4人によって東京で結成される。
「やなぎの幼馴染です」「…」「十七歳です」「…」「藤原広明と言います」「…」「よろしくお願いします」「…」 悪い冗談もここまでくると怒りを通り越す。柳沢の連れてきたその男は、今現在の藤原となんら変わらない、眉の下がったおじさんであった。
「都会のラクダ」19ページより
- 藤原“28才”広明(Dr)
- 実は初めて渋谷に会ったこの時、大好きなアミちゃんが取られそうだという理由で遅刻してきた。アミちゃんて誰?笑
2006
11月
音楽コンテストにて全国大会グランプリとオーディエンス大賞を同時受賞する。
柳沢と、上杉と、藤原と、強く握手して、いろんなものを共有した。我々はバンドなんだって、そんな当たり前の事に、グッときた。
「都会のラクダ」86ページより
- 上杉研太(B)
- ライブ前の円陣等、声かけは自分発信で行っていて、リーダーとしての役割を感じるのはそのくらいです。笑
2007
12月
初の全国流通作品となるミニアルバム「日常」をリリース。
2009
2月
「心景」リリースツアーのファイナルとして東京・SHIBUYA O-WEST公演を開催。
6月
EPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。表題曲がテレビ東京系アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマ、カップリング曲「道標」がテレビ東京系アニメ「NARUTO-少年編-」のオープニングテーマとして使用される(参照:SUPER BEAVERメジャー第1弾はNARUTOエンディング曲)。
やはりメジャーレーベルの方からお話を頂いたときは、転機なんて言葉では生ぬるいくらいの衝撃だった。大人の階段を上る為の足掛かりを見つけたと同時に、人生の安定も確定したと思った。だって当時の私にとって、メジャーデビューイコール売れるという公式は、反転させた売れるイコールメジャーデビューという公式でもあったからである。
「都会のラクダ」116ページより
- 柳沢亮太(G)
- 同時に「売れる」ってどうなるんだ?テレビ出れるの?一気にライブのお客さん増えるのかな?いやでも、そんなにトントン拍子にはいかないよな…?みたいな疑いもあったなあ。
11月
シングル「シアワセ」、1stフルアルバム「幸福軌道」をリリース(参照:SUPER BEAVER、メジャー初アルバムに幸福への軌道綴る)。
2010
3月
ツアー「幸福軌道ツアー2010」を全国7カ所で開催。ファイナルは東京・UNITで行われた。
10月
ミニアルバム「SUPER BEAVER」をリリース。映画「ソラニン」の劇中に登場するバンド・ロッチにミニアルバム収録曲「ささやかな」を提供し話題を集める(参照:「ソラニン」宮崎あおい歌唱曲を作者バンドがセルフカバー)。
2011
所属していたレーベルと事務所を離れ、1年間で100本を越えるライブを行う。
開放感に己を蝕まれず、地に足をつけて今まで出来なかったことをたくさんしに行こう。まずは挨拶回りじゃないか?今までまともに挨拶できなかったライブハウスに、自分たちの足で挨拶をしにいこうゼ。ちゃんと話せなかったバンドにもう一度対バンをお願いしようよ。そうだ、今まで殆ど禁止状態にされていた打ち上げに全部参加しよう。ありがとうも、ごめんなさいも、言いたい人がたくさんだな。やりたいこといっぱいあるよ。伝えたいこと、嘘のないように伝えられるバンドでいなけりゃな。
「都会のラクダ」135ページより
- 上杉研太(B)
- こじれてしまっていた4人の関係がまた一つになったような、そこから新しい冒険に出るような、ワクワクした感覚でした。
2012
4月
ということで新譜を出しましょう。決まり、パチパチ。うん。ん。しかし。はて、CDはどうやって作るのだろうネ。レコーディングとか、包装とかネ。 で、どうしたらレコード屋さんに置いていただけるのだろうネ。……さっぱり、だ!
「都会のラクダ」161ページより
- 柳沢亮太(G)
- 「紙資料」と呼ばれる関係者用の資料も見よう見まねで作ってコンビニのコピー機でコピーしまくったり、自分で足使っていろんな人に会いに行ってプロモーション的なことしたり…でもやっぱりそれも楽しかったんだよなあ。
7月
フルアルバム「未来の始めかた」をリリース(参照:SUPER BEAVERニューアルバムにワンオクTakaら推薦文)。
9月
柳沢がSCANDALの4thアルバム「Queens are trumps-切り札はクイーン-」収録曲の「声」を作詞作曲する。
2013
4月
アルバム「世界が目を覚ますのなら」を発売(参照:SUPER BEAVERレコ発ツアーにEGG BRAIN、撃鉄ら)。
5月
柳沢がSCANDALのシングル「会わないつもりの、元気でね」の表題曲を作詞作曲。同曲は同年6月公開の堤真一主演映画「俺はまだ本気出してないだけ」の主題歌に採用された。
10月
下北沢CLUB251にて「SUPER BEAVER vs SUPER BEAVER('05~'10)」と題したワンマンライブを開催(参照:対バン相手は過去の自分!? SUPER BEAVER東京公演詳細)。第1部ではバンド結成の2005年からメジャーレーベルに在籍していた2010年までの楽曲を、第2部では自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げた2012年以降の楽曲を演奏した。
同じバンドには違いはないのだが、あの時分の我々と、この時分の我々とでは、過去現在を比較しての一般的な差異よりも、もっと大きなものがあったと思うので、それを我々なりのエンターテインメントとして、表現し、そして我々のなかでしっかり消化(昇華)しようと思ったのだ。
「都会のラクダ」177ページより
- 藤原“28才”広明(Dr)
- 何度も向き合ってきたつもりの過去と本当の意味で決着を着ける最後の機会だと思って挑んだライブだった。
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- ライブDVD+小説「10th Anniversary Special Set『未来の続けかた』」2016年10月12日発売 / 4298円 / [NOiD] / murffin discs / NOID-0014
- 「哀余る」
- 2016.04.10 @Zepp DiverCity
SUPER BEAVER 10周年〆「都会のラクダSP~スーパーフィーバー~」
収録内容
- →
- 361°
- 鼓動
- 言えって
- ことば
- 歓びの明日に
- あなた
- シアワセ
- 深呼吸
- らしさ
- 日常サイクル
- your song
- 人として
- 青い春
- ルール
- うるさい
- 証明
- 東京流星群
- ありがとう
- 愛する
- 秘密
- ILP
- 渋谷龍太(Vo)初の書き下ろし小説「都会のラクダ」全208ページ
ライブ情報
10th Anniversary Special Set「未来の続けかた」発売記念 トーク&サイン会
- 2016年10月13日(木)東京都 タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
20:00~ - 2016年10月16日(日)愛知県 名古屋PARCO 西館一階エントランス
15:00~ - 2016年10月21日(金)大阪府 タワーレコード難波店 5Fイベントスペース
19:00~ - 詳しくはこちら
SUPER BEAVER(スーパービーバー)
2005年に東京で結成されたロックバンド。メンバーは渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“28才”広明(Dr)の4人。ギターロックを基調としたエモーショナルなサウンドと、メッセージ性あふれるまっすぐな歌詞を特徴とする。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。2010年10月にリリースされたミニアルバム「SUPER BEAVER」の収録曲「ささやかな」が、映画「ソラニン」のラストシーンで使用され話題を呼んだ。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを実施。2012年に自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げ、シングル「歓びの明日に」を発表した。2013年、東京・Shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組み、翌2014年2月にフルアルバム「361°」をリリースした。その後精力的にツアーや自主企画ライブを開催し、9月にはテレビアニメ「ばらかもん」の主題歌「らしさ」を含むシングル「らしさ / わたくしごと」を発表した。同月に柳沢が緊急入院するという事態に見舞われたが、バンドはサポートメンバーを迎えライブ出演をキャンセルすることなく敢行。柳沢の退院後にアルバムの制作に入り、バンド結成10周年の節目に当たる2015年4月1日、アルバム「愛する」をリリースした。2016年1月より3カ月連続でシングルをリリースし、4月にはバンド史上最大規模のワンマンライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催。6月にフルアルバム「27」を発表し、10月にZepp DiverCity TOKYO公演の様子を収めたライブDVDと渋谷による書き下ろし小説「都会のラクダ」をパッケージした「10th Anniversary Special Set『未来の続けかた』」を発売する。