ストレイテナーが10月17日に2枚のベストアルバム「BEST of U -side DAY-」「BEST of U -side NIGHT-」を同時リリースした。
これらの2作品には2003年のメジャーデビュー以降にリリースされた全楽曲の中からファン投票によって選ばれた上位25曲と、各メンバーが選んだ1曲、そしてアニメ「アンゴルモア元寇合戦記」オープニングテーマの新曲「Braver」の計30曲が15曲ずつに分けて収められている。音楽ナタリーではバンドのオリジナルメンバーであるホリエアツシ(Vo, G, Piano)とナカヤマシンペイ(Dr)に、このベストアルバムに関するインタビューを実施。「DAY」と「NIGHT」というコンセプトが生まれた背景や、メンバーそれぞれが選んだ楽曲の選曲理由、また初のアニメタイアップに込めた2人の思いなどを聞いた。
取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 山川哲矢
ファンが真っ当に聴きたい曲を選んだ25曲
──「BEST of U -side DAY-」「BEST of U -side NIGHT-」はファン投票の結果、上位25位までに入った曲などを収録したベストアルバムです。まずファン投票の結果を受けて、お二人はどういう感想を持ちましたか?(参照:ストレイテナー人気曲1位はあのナンバー、ベスト盤は2枚同時リリース)
ホリエアツシ(Vo, G, Piano) 予想通りなものもあれば、意外な曲もありましたね。
ナカヤマシンペイ(Dr) 僕はどちらかと言うと順位が意外だったかな。曲自体はある程度想像していたものが多かった。
ホリエ 以前も楽曲のファン投票をやったことがあったんですけど、それはライブのセットリストを決める投票だったんですよね。そのときとはまた違う選曲になってるのが面白くて、ファンの方々が真っ当に聴きたい曲を選んでくれた感じが、今回の投票結果から伝わってきました。
──ホリエさんがおっしゃったセットリストを決める投票は、2013年2月の東京・日本武道館でのワンマンライブの際に行われたものですね(参照:ストレイテナー、ファンと作り上げた2度目の武道館公演)。今日はそのセットリストも持ってきました。
ナカヤマ 懐かしい! でもこうやって見ると、思ったほど劇的な変化はないよね。
ホリエ 確かに。このときの武道館は「GUNSHIPRIDER」とか「Dive」のイメージが強くて。今挙げた2曲は、ファンの「ここでしかやらないだろ」みたいな意図が感じられたコアな曲だったんです(笑)
──当たり前のことではありますが、新しいランキングでは新曲が入った分、曲が入れ替わってるわけですよね。
ホリエ うん。ちゃんと新曲が評価されていて、投票してもらえてることは僕らにとってはうれしいことですね。
ナカヤマ こうやって投票結果を見比べると、「彩雲」が3位っていうのがすごいね。ここまでファンの人気を集めた「彩雲」は偉い。
──先ほどホリエさんは「意外な曲が入っている」、ナカヤマさんは「意外な曲順だった」とおっしゃっていましたが、具体的にどの曲が意外でしたか?
ホリエ 僕はやっぱり17位の「シンデレラソング」ですね。この曲って5年前くらいにライブでやってた曲で、それ以降はあまり披露してなかったんですよ。だからちゃんと観てくれてる人にインパクトを残せていたんだっていうのがうれしくて。
ナカヤマ 僕はもう頭の並びから、1位「REMINDER」、2位「シーグラス」、3位「彩雲」、4位「Melodic Storm」、5位「冬の太陽」という順番で支持を集めていることが意外で。ただ、投票時の男女比率とか細かいデータを見せてもらったらある程度納得できたんですよね。
ホリエ けっこう男性ファンと女性ファンで好きな曲が分かれるんだよね。
ナカヤマ そう。それに男女共に好かれてる曲は自ずと上のほうの順位になるし。データを見せてもらって、この独特のバランスがどう生み出されたのか読み解いていくのがけっこう面白かった。
アートワークから生まれたコンセプト
──ファン投票で上位25位に選ばれた曲が2作品のベストアルバム「BEST of U -side DAY-」「BEST of U -side NIGHT-」に振り分けられたわけですが、そもそもこの「DAY」と「NIGHT」のコンセプトはどういうきっかけで生まれたんですか?
ホリエ 最初はざっくりとバンドの歴史を網羅した作品を2つ作ろうとして曲を振り分けてたんですけど、そのタイミングでナカヤマくんがベストアルバムのアートワークを作っていまして。そのとき出来上がったのが「side DAY」の華やかなアートワークだったんです。2枚が同じアートワークだと面白くないから、せっかくなら色を変えてもう1つ作ろうという話になったときに「DAYとNIGHTの色分けにしようか」と思い付いて。昼と夜、2つのイメージに分けることになったんです。
──シンペイさんはどういう構想を持ってアートワークを作っていたんですか?
ナカヤマ まず20周年のアーティスト写真をモチーフにしたもので考えてて。このアー写を使えば今までの集大成的な作品であることをわかりやすく表現できるし、トリビュートアルバム(2017年10月リリースの「PAUSE ~STRAIGHTENER Tribute Album~」)のジャケットにもこのアー写が使われているから、それと対になるなと思ったんですよね。ベスト盤だから派手にしようと考えて、色を付けていったのが「side DAY」のイラストなんです。
ホリエ 最初はね、僕らの服にも色を付けようって話をしてたよね。
ナカヤマ うん。でも服に色で柄を付けるには面積が少なすぎて、背景を塗ることにしたんです。
──ということは「NIGHT」という発想をもらって、もう1つのベスト盤のアートワークを作り始めたわけですね。
ナカヤマ そうです。色味をいじれば「NIGHT」っぽくできるなと思って。紛らわしいジャケットで「DAY」と「NIGHT」を間違って買うことがないように、青をベースにしたわかりやすい「NIGHT」のジャケットを作りました。
──アートワークから着想を得て2つのコンセプトが決まったわけですが、その後の曲の振り分けはどうでしたか?
ホリエ 基本的にはそれぞれのベスト盤にオールタイムの曲を満遍なく入れたいという方針は変わらず、コンセプトに合う曲をそれぞれ振り分けるようにしました。どちらかと言うと、悩んだのは曲順ですね。
ナカヤマ ホリエくんに任せっきりだったからね。曲順は。
──どういうところで悩んだんでしょうか?
ホリエ 具体的には「side NIGHT」の「KILLER TUNE」と「Man-like Creatures」の順番ですね。最初「KILLER TUNE」はリミックス版のほうを収録するつもりで並べてたんですけど、票を集めてたのは原曲のほうだったんです。なので原曲を入れることにしたんですけど、マスタリングのときに1曲ずつ順番に聴いてたらこの2曲の順番が気になって。最初は「Man-like Creatures」の次が「KILLER TUNE」だったんですけど、その順番を逆にしました。
ナカヤマ ライブではおなじみの曲順もあるかもしれないですね。
ホリエ うん。ただライブそのまんまになっちゃう可能性もあったから、そこはそうならないよう意識して進めました。
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ストレイテナーにとって“大きな曲”
- ストレイテナー
「BEST of U -side DAY-」 - 2018年10月17日発売 / Virgin Music
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初回限定盤 [CD+DVD]
3996円 / TYCT-69130 -
通常盤 [CD]
2916円 / TYCT-60121
- CD収録曲
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- DAY TO DAY
- DISCOGRAPHY
- PLAY THE STAR GUITAR
- From Noon Till Dawn(feat.Tabu Zombie&Kunikazu Tanaka)
- Ark
- Toneless Twilight
- 泳ぐ鳥
- TRAIN
- シンクロ
- SIX DAY WONDER
- WHITE ROOM BLACK STAR
- 羊の群れは丘を登る
- REMINDER
- Farewell Dear Deadman
- 彩雲
- 初回限定盤DVD収録内容
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CD収録曲のライブ映像を収録
- ストレイテナー
「BEST of U -side NIGHT-」 - 2018年10月17日発売 / Virgin Music
-
初回限定盤 [CD+DVD]
3996円 / TYCT-69131 -
通常盤 [CD]
2916円 / TYCT-60122
- CD収録曲
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- Braver
- The World Record
- SAD AND BEAUTIFUL WORLD
- Melodic Storm
- Sunny Suicide
- シーグラス
- TENDER
- KILLER TUNE
- Man-like Creatures
- シンデレラソング
- Lightning
- AGAINST THE WALL
- 冬の太陽
- ネクサス
- ROCKSTEADY
- 初回限定盤DVD収録内容
-
CD収録曲のライブ映像を収録
- ストレイテナー
- 1998年にホリエアツシ(Vo, G, Piano)とナカヤマシンペイ(Dr)の2人で結成。2003年のメジャーデビューのタイミングで日向秀和(B)が加入。さらに2008年には元ART-SCHOOLの大山純(G)が加わり、4人編成に。2009年2月には4人編成となってから初めてのフルアルバム「Nexus」を発表し、同年5月にアルバムを携えてのツアーファイナルとして初の日本武道館公演を開催した。ホリエはソロプロジェクト・entとして、日向はNothing's Carved In Stone、EOR、killing Boyのバンドメンバーとしても活動するなど、各メンバーがさまざまなバンドやプロジェクトで活躍している。バンド結成20周年のアニバーサリーイヤーとなる2018年には4月にニューシングル「The Future Is Now / タイムリープ」を、5月にニューアルバム「Future Soundtrack」を発表した。同年10月にはファン投票によって選ばれた楽曲などが収録されるベストアルバム「BEST of U -side DAY-」「BEST of U -side NIGHT-」を同時リリースし、全国23カ所を回る全国ツアー「My Name is Straightener TOUR」をスタートさせた。2019年1月には千葉・幕張イベントホールでワンマンライブ「21st ANNIVERSARY ROCK BAND」を開催する。