「スペナタ」#06 「LUNATIC FEST. 2025」|RYUICHI×吉井和哉×TAKUYA∞による“決起鼎談” (3/3)

解散を経験したLUNA SEAとTHE YELLOW MONKEYからUVERworldへ

吉井 そういえば、LUNA SEAもTHE YELLOW MONKEYも1回解散してますよね(笑)。

RYUICHI そうなんですよね。ここまでずっと続けていたわけではない。

吉井 BUCK∞TICKとかスピッツとか、ずっと続けているバンドは本当に尊敬する。何にも歯向かわず、己の道をコツコツ進み続けているじゃないですか。

RYUICHI やっぱり長くやっていると、ちょっとした不満とかいろんなものがどこかで出てくるし。

吉井 で、「また何か新しいことができるんじゃないか」と思ったりね。

RYUICHI うん。きっとおごっていた時代もあったから、LUNA SEAは終幕したんだと思うけど。

吉井 あと、ソロ活動への憧れもありましたよね。で、「仲がいいから、どうせバンドに戻れる」ってどこかで僕は思っていたけど、それはちょっと甘えだったなと。TAKUYA∞は解散とか休止とか、大丈夫?

吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)

吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)

TAKUYA∞ ああ、僕らはないですね。それが一番の強みかなっていうぐらいメンバーが仲よくて、ずっと続けていきたいという意思が共通してありますね。

RYUICHI 一度、UVERworldの打ち上げに参加させてもらったことがあるけど、やっぱりファミリー感が強かったもんね。

TAKUYA∞ そうですね。幼稚園から一緒のやつが半分くらいいますから。

吉井 そりゃ解散しないよ。

RYUICHI うちもたまたま、メンバー全員地元が近いんだけど、もう本当に地元の仲間が集まってる感じ。

TAKUYA∞ UVERworldには4つ年下のギター(彰)がいるんですけど、彼でさえも僕の家から2車線の道路を挟んだ向かいの家に住んでたりするんで。

RYUICHI もう本当に地元なんだね。じゃあ、昔は先輩って呼ばれてたわけだ。

TAKUYA∞ 昔はそうですね。本当に僕以外のメンバーの性格がよすぎて、それが長く活動するうえでよかった気がします。僕が一番ゲジゲジトガってるというか、痛々しいトガり方をしていて。もちろんみんなそれぞれトガってはいるんですけど、それでも僕のことを支えてくれて、そのバランスに助けられてます。

吉井 宝物だね。

RYUICHI イエモンってみんな地元が近いんですか?

吉井 そういう馴れ初めはないですね。今の僕とベースの廣瀬(洋一)さんの家は環七を挟んで、(両手を肩幅くらい広げて)これくらいな感じですけど(笑)。

RYUICHI けっこう近いですね。

吉井 近い。けど、ちっちゃい頃のことは知らないから。

RYUICHI そうそう、ANNIE(菊地英二)くんには僕のソロのときにドラムを叩いてもらったことがあるので、めちゃくちゃ性格がいいことを知っています。いろいろ脱線しちゃいましたけど(笑)、LUNA SEAにとってはファンが待っていてくれたことが大きいですし、メンバーがまたそこにいてくれて再結成できたっていうのも大きい。本当にありがたいなって感じますよね。

吉井 人格者に支えられた結果ですよね。

RYUICHI だから、UVERworldにはこのまま活動停止も解散もなく、突っ走ってほしいですね。

TAKUYA∞ そこだけは僕も安心しています。

RYUICHI 今もけっこうな本数のライブをやってるもんね。

TAKUYA∞ そうですね、年間70本ぐらいのときもありますから。ライブがとにかく好きなので、ドーム公演の3日ぐらい前に2、300人キャパのライブハウスでもやったりしますし、とにかくライブが楽しいですね。

TAKUYA∞(UVERworld)

TAKUYA∞(UVERworld)

RYUICHI プライベートも含めていろいろ話を聞いていると、地方でのライブが終わってすぐ東京に戻ってきたり、ライブ当日に海外から戻ってきたりしてるよね。あれ、飛行機が遅れたら大変でしょ?

TAKUYA∞ そうなんすけど、なんか漠然と間に合うっていう気持ちになっちゃってて(笑)。

RYUICHI たぶんスタッフはヒヤヒヤしてるよ(笑)。

TAKUYA∞ スイスから直接羽田に着いて、羽田からそのまま千歳に行ってライブをしたり。

吉井 すごいね(笑)。

吉井和哉、TAKUYA∞にとって「LUNATIC FEST.」とは?

RYUICHI 「LUNATIC FEST.」をひと言で表すとどういうものになるかな? さっき吉井さんが言ってくれた「月の祭典」はすごくいい言葉だなと思いました。

吉井 気に入ってもらえた。

RYUICHI あと何か崇拝するものであったり……それはイデオロギーや宗教とはちょっと違うかもしれないけど、月に魅せられた信者が集まるみたいな。

吉井 神秘的だったりね。

RYUICHI それがロックファンに響いてくれたら、すごくうれしいなと。

吉井 釣りをしていて、月の力って本当に感じるんですよ。

RYUICHI 夜ですか?

吉井 いや、それは昼間でも。例えば、満潮干潮も月に関係しているし。あと、意外と魚って立春とか、そういう暦に対して人間よりも忠実なんですよ。外は冬なのに湖の中はもう春になっていることに魚のほうが先に気付いて、「冬にいない魚がいるじゃん」みたいなこともある。

RYUICHI すごい。っていうことは、立春とかああいうのを作った人たちは自然の流れをみんな理解していたんですね。

吉井 そうそう。余計な情報がなくて、本当に自然のものだけで全部測って生きていたという。「LUNATIC FEST.」はそういう「本能のフェス」になるといいですね。

RYUICHI 「本能のフェス」もいいですね。TAKUYA∞くんは「LUNATIC FEST.」をひと言で表すと、どう?

TAKUYA∞ 今回初めて僕を見る方は「大丈夫かこいつ?」って思うかもしれないですけど(笑)、その印象を覆す場所にしましょうかね。

吉井 なんかまたレッドゾーンいきそうだね、バーン!って。

RYUICHI ライブのMCで「全部くれてやるよ!」って言ってるもんね。「もう喉なんか全部、今日は終わってもいいんだ俺は!」みたいなこと言ってるでしょ?

TAKUYA∞ いや、でもこの日に向けて、今日からちょっと燃えようかなと思います。マジでぶっ壊れるぐらいに。ぶっ壊れたあとのしんどさを経験してるから、限界を超えるのってちょっと怖いじゃないですか。でも、「LUNATIC FEST.」の日は本気でいきたいと思います。

RYUICHI ちょっと話が脱線しちゃうかもしれないけど、普通にいいライブをやればいいのに、どこかギリギリのところで限界を触ってるというか、ときどき突き破ったりして次の日の朝に後悔することがあるんだよね。あれ、なんなんだろう。本能なのか、そこまで行くと「いいライブができたな」と満足して寝られるんだけど、次の日のことが頭のどこかから消えちゃってるんだよね。

吉井 やっぱりアドレナリンに抱かれる気持ちよさを知ってるから、そのときが来ちゃったらどうしても拒否できない。

RYUICHI そうですね。うちのドラムの真矢くんとも「(バンドマンは)縦軸は肉体労働者だよね」という話をよくするんですけど、それこそライブが終わって「なんでここまでやっちゃったかな」って2人で笑って、次の日のリハーサルに行くと「あれ、昨日俺、事故とかに遭った?」みたいな話でさらに笑い合うんですよ。

吉井 そこまでやっちゃった代償がね(笑)。

RYUICHI やっぱりアドレナリンですかね。

吉井 そうですね。ライブをやってるときはもう最高なんですけど。

RYUICHI そういう意味では、ファンの人たちにも究極のライブを届けられるのではないかと思いますね。

TAKUYA∞ 対バンとかフェスって、やっぱり相手がいいライブをすると一番燃えるじゃないですか。僕、その「いいライブをする相手」になれるよう「LUNATIC FEST」では全力でやります。数分でいいので観てもらえたら、絶対に時間を無駄にさせない。みんなのやる気に火を点けたいと思います。

吉井 さっきRYUICHIくんがポロッと「次があるかわからない」って言ったんだけど、本当にそうなんだよね。もっと若ければ「次も、次も」というイメージを膨らませられるけど、一度絶望を味わってるからね。だから「次ないかもしれないので」ぜひ楽しみにしてほしいです。

RYUICHI すごくこだわりの強い人たちが集まって、みんなライブを全開でやるわけだから、オーディエンスもいろいろ蓄えておかないと最後まで到達できないかもしれない。それこそバンドがいつまで続くかみたいな話と一緒なので、この2日間に全力を注ぎ込んで一緒に燃え尽きてほしいと思っています。

左から吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)、RYUICHI(LUNA SEA)、TAKUYA∞(UVERworld)。

左から吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)、RYUICHI(LUNA SEA)、TAKUYA∞(UVERworld)。

番組情報

LUNATIC FEST. 2025 ~RYUICHI×吉井和哉×TAKUYA∞~ TALK SESSION

2025年10月8日(水)23:00~24:00

番組情報はこちら

公演情報

LUNATIC FEST. 2025

  • 2025年11月8日(土)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
    <出演者>
    LUNA SEA
    BRAHMAN / DIR EN GREY / GODLAND / lynch. / MY FIRST STORY / Novelbright / SIAMSOPHIA / シド / T.M.Revolution
  • 2025年11月9日(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
    <出演者>
    LUNA SEA
    BUCK∞TICK / 黒夢 / MUCC / NEMOPHILA / 凛として時雨 / ROTTENGRAFFTY / UVERworld / THE YELLOW MONKEY / 9mm Parabellum Bullet

公式サイト

プロフィール

LUNA SEA(ルナシー)

RYUICHI(Vo)、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)、真矢(Dr)からなるロックバンド。1989年に現編成での活動を開始し、1991年にYOSHIKI(X JAPAN)主宰の「Extasy Records」から1stアルバム「LUNA SEA」をリリース。翌1992年に2ndアルバム「IMAGE」でメジャーデビューを果たした。1994年のシングル「ROSIER」がロングヒットを記録し、東京・東京ドームや神奈川・横浜スタジアムでライブを行うなど日本を代表するロックバンドへと成長する。しかし2000年11月に“終幕”を発表し、同年12月26、27日に行われた東京ドーム公演をもってバンドの歴史に幕を下ろした。終幕以降も各メンバーはソロアーティストとしてのキャリアを重ね、精力的な音楽活動を展開。2007年12月24日に東京ドームで一夜限りの復活ライブを行い、このライブをきっかけに2010年8月に“REBOOT”と称して本格的な再始動を発表した。2015年6月には主催フェス「LUNATIC FEST.」を千葉・幕張メッセで行い大成功を収める。2023年10月より過去のツアーを再現する「DUAL ARENA TOUR」を開催。結成35周年を迎えた2024年には、再び過去のツアーを再現するツアー「ERA TO ERA」シリーズを展開した。2025年2月にアニバーサリーイヤーを締めくくる東京ドーム公演を行った。11月8、9日に幕張メッセで主催フェス「LUNATIC FEST. 2025」を行う。

THE YELLOW MONKEY(ザイエローモンキー)

1989年に吉井和哉(Vo)、菊地英昭(G)、廣瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)の現メンバーで活動開始。ハードロックとグラムロック、歌謡曲を融合させた独自の音楽性で人気を集める。1995年1月にリリースされたシングル「Love Communication」がスマッシュヒットを記録し、その名を一気に広めた。「JAM」「楽園」「LOVE LOVE SHOW」「BURN」といったヒットソングを次々と送り出すも、2001年1月の東京ドーム公演「メカラ ウロコ・8」を最後に活動休止状態に。そして2004年7月に解散を発表した。解散後はメンバーそれぞれソロで活躍していたが、2016年1月に再集結を発表。2019年4月に19年ぶりのアルバム「9999」を発表した。2019年末にスタートした結成30周年記念の東名阪ドームツアーは新型コロナウイルス感染拡大の影響により途中で中止を余儀なくされたものの、2020年11月に東京・東京ドーム公演のリベンジ開催を果たす。2023年10月には吉井が約2年にわたる喉の病気の治療を経て療養していたことを発表。2024年4月に約3年半ぶりの有観客ライブを東京ドームで開催した。同年5月に5年ぶりのニューアルバム「Sparkle X」をリリースした。最新楽曲はアニメ「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット」のオープニングテーマとして話題の「CAT CITY」。

UVERworld(ウーバーワールド)

滋賀出身のメンバーで結成されたロックバンド。2005年7月にシングル「D-tecnoLife」でメジャーデビューを果たす。ライブハウスからホール、アリーナ、ドームまで1年を通してライブ活動を精力的に行い、2008年より毎年12月25日に東京・日本武道館でクリスマスライブを開催するなど、常に大きな注目を浴びる。2011年より男性限定ライブ「男祭り」を開催し、2017年には埼玉・さいたまスーパーアリーナで約2万3000人の会場キャパシティを男性客のみで埋めるという日本記録を樹立。2019年12月に東京・東京ドームで約4万5000人の男性客を動員する「KING'S PARADE 男祭り FINAL」、2023年7月に神奈川・日産スタジアムで約7万人の男性客が集う「UVERworld KING'S PARADE 男祭りREBORN at NISSAN STADIUM 6 VS 72000」を行い、自ら日本記録を大幅に更新した。2024年4月にはハワイで女性限定ライブ「UVERworld QUEEN'S PARTY 女祭り THE FINAL in HAWAII 2024」を実施。2025年に結成25周年とデビュー20周年を迎え、6月に東京・東京ドーム公演「UVERworld LIVE "EPIPHANY" at TOKYO DOME」を2日間にわたって開催した。7月にアルバム「EPIPHANY」をリリース。11月から冬のツアー「UVERworld 2025 WINTER TOUR "BOOM GOES THE WORLD"」でライブハウス、ホール、アリーナを巡る。