霧の立ち込めた山奥の崖にいるイメージ
──「天(ama)」は静と動の緩急を生かした演奏がすごくカッコいいですよね。イメージですけど、雲ぐらい霧が深い崖の上で、天を仰いでいる画が浮かびました。
一同 おおー!(拍手しながら)
命 そうなんです! 実際に仕上がったミュージックビデオの映像はちょっと違うんですけど、僕の最初の曲のイメージはそれでしたね。すごく霧の立ち込めた山奥の崖にいるイメージ。まさにぴったりな表現ですね。
──「天(ama)」はフェスでも披露されていますが、お客さんはどんなリアクションをされていますか? 皆さん息を呑んでいるのでは?
命 リアクションがわかりづらい曲なんですよね。盛り上がるような曲じゃないので、みんな心の中で何を思ってくれているんだろう。
影丸 心に響いていたらうれしいですね。
命 ライブって難しいんですよね。ウケているかどうかって、演奏してるときはわからないところがあって。ワイワイ盛り上がる曲をやると、その場はすごく沸くから「すごいウケてる!」と思いがちなんですけど、意外と全然響いてなかったりする。
龍矢 音に乗っていただけとか。
影丸 心に残ってないとか。
命 そういうバンドをインディーズのライブハウスでごまんと見てきましたから。
影丸 はははは。
命 「あのバンドのライブは毎回めちゃくちゃ盛り上がるけど、お客さんは全然おらんな」とか。関係者が「あのバンドはお客さんの心を持っていった」と言ってるけど、実は全然持っていってないとか。全然盛り上がっていないと思っていたバンドのほうが、実際はめちゃめちゃ評価が高かったり、お客さんの心をめっちゃつかんでいたりするんですよね。
──「天(ama)」は広い会場ほど迫力を感じられる楽曲ですよね。
命 そうですね。小さいライブハウスよりも、アリーナとかホールでやったら映えそうです。
──それこそ11月20日から開催される全国ホールツアー「全国開闢禊 - 天ト地 -」では、ホールだけでなくツアーファイナルで神奈川・横浜アリーナにも立ちますね。
命 EPの曲がツアーでどう生きるのか楽しみですね。「バリネギ -sexy green onion-」で会場がどんな光景になるのかも、「E.v.e」がどういう演出になるのかも楽しみです。「天(ama)」も絶対にカッコいい演出にできるやろなって想像しながらワクワクしています。
蓋、開けてください!
──改めて「Gran ∞ Grace」はどんな1枚になりましたか?
命 非常に完成度の高い作品になりました。地に足がついているし、本当ジグザグらしいよさが出てる。過去作と比べてどうかはまだわからないですけど、そんな印象があります。
影丸 命さんの「ジグザグらしい」のひと言に尽きますね。これを聴いてもらえたら、どんなバンドなのかがわかるんじゃないかな。
龍矢 命さんが「地に足がついた」と言ったように、いい意味で新曲らしくないというか、今までのジグザグの手持ちにあってもおかしくない5曲ですね。すぐにでもセトリに組み込めるぐらい、ジグザグに馴染む曲たちだなと思っていて。今後のライブで披露するのが楽しみです。
──現状でもジグザグは名が知られていますけど、ここからさらに大きくなっていくだろうと思います。
命 まだ、全然無名ですよ。いわゆるヒットソングがあるわけでもないですし、何もバズってないですから。業界の人には知ってもらえているけど、例えば一般の人に「ジグザグって知ってる?」と調査をしたら、ほとんどの人が知らないと思う(笑)。そういう意味では、知ってもらう余地と伸びしろしかないですね。
──すでにジグザグを認知している人に対して「こんな部分も知ってほしい」と思うことはありますか?
命 認知はしているけど、見た目の雰囲気から「ちょっと苦手かも」と敬遠している人もいると思うんですよ。でもね、蓋を開ければものすごく親しみやすいし、キュートな曲があるし、めちゃくちゃとっつきやすいんですよ。
龍矢 ははは、そうですね。
命 ただ、蓋が重すぎるという。それはいつも思いますね。フェスとかでジグザグの名前は最近よく見るとか、「目が隠れてる人でしょ? ああいうの苦手や」みたいな。何も知らへんのに、“ああいうの”でくくられるというね。なので、もっと中を見てもらいたい気持ちはあります。蓋の中を覗いた人にしかわからない驚きがあり、そこのギャップが魅力でもある。ただよく「沼に引きずり込まれる」と僕らに対して言ってくれる人がいるんですけど、そういう役割を果たしてんのかなって。この蓋の重さが、開けたときの衝撃を大きくしてるのかなと思いますね。蓋、開けてください!
公演情報
-真天地開闢集団-ジグザグ「全国開闢禊 -天ト地-」
- 2024年11月20日(水)神奈川県 相模女子大学グリーンホール 大ホール
- 2024年11月22日(金)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2024年11月25日(月)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
- 2024年11月27日(水)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
- 2024年11月30日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
- 2024年12月6日(金)静岡県 静岡市民文化会館 大ホール
- 2024年12月8日(日)石川県 本多の森 北電ホール
- 2024年12月10日(火)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
- 2024年12月12日(木)福岡県 福岡サンパレス
- 2024年12月18日(水)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
- 2024年12月20日(金)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2024年12月24日(火)神奈川県 横浜アリーナ
プロフィール
-真天地開闢集団-ジグザグ(シンテンチカイビャクシュウダンジグザグ)
「愚かな者に救いの手を差し伸べる」をコンセプトに掲げ、2016年に本格始動。現在は命 -mikoto-(Vo)、龍矢 -ryuya-(B)、影丸 -kagemaru-(Dr)の3人で構成される。2018年7月に1stシングル「帰りたいけど帰れない」をリリース。2022年11月に初の東京・日本武道館での単独公演を開催した。全国の音楽フェスに出演して着実にその名を広め、2023年10月に4thアルバム「慈愚挫愚 四 -最高-」を発表。2024年11月にEP「Gran ∞ Grace」とライブBlu-ray「全国開闢禊 -最高- 紀行」を同時リリースし、初のアリーナ公演を含むライブツアー「全国開闢禊 -天ト地-」を行う。