いい匂いの伝承
菅原 私は「珠理奈さんって男子小学生みたいだな」って思うこともけっこうありますね。私と一緒に全力で変顔してくれたりするし、笑いのツボもわりと浅くて(笑)。きれいで隙がないように見えるけど、どこか親しみやすさがあるんですよ。だから多くの人に愛されているんだと思います。
青海 私にとって珠理奈さんは気配りの人です。目が後ろに付いているんじゃないかと思うくらい、いろんなところに目を配っているんですよ。私がまだSKE48に入って半年くらいの頃、サマステ(「SUMMER STATION 音楽LIVE」)という大きい野外ステージに出演させていただいたことがあったんです。そんな経験はもちろん初めてで、めちゃくちゃ緊張していたんですけど、そんな研究生の私に優しく声をかけてくれたのが珠理奈さんで。「不安に思っていることがあったら、なんでも相談してね」と言って、その場でLINEを交換してくれたんですよ。そのひと言が、どれだけありがたかったことか……。
菅原 入ったばかりの頃って本当に不安だもんね。
青海 珠理奈さん、それからもずっとLINEで連絡をこまめにくれるし、今回のシングルについても「最後も一緒にいい思い出を作ろうね」というメッセージをもらいました。私、本当に珠理奈さんのことを人間として尊敬しています。
野島 とにかく「いい女」というのが私の中の珠理奈さんのイメージです。すっぴんでもビックリするくらいきれいだし、着ているお洋服もセンス抜群だし、写真撮影やダンスのときの仕草もハッとするくらい素敵。だから私、ひそかに珠理奈さんの仕草を真似しているんですよ。
浅井 それは気付かなかったなー(笑)。
野島 あと忘れちゃいけないのが、いい匂いがすること! 私がSKE48に入ったばかりの頃、「手をつなぎながら」という曲の振りで珠理奈さんと手をつないだんです。そうしたら、めっちゃいい匂いがして驚いたんですよ! それから私も珠理奈さんに憧れて香水を使うようになりました。
林 そういうことだったんですか! 実は私、「野島さんっていい匂いがするな」って思っていたんです(笑)。
──野島さんは先日の「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」に出場し、STU48の池田裕楽さんと優勝を争いましたよね。池田さんも言っていましたよ、「野島さんからはいい匂いがした」って。「あんな都会的な女性、瀬戸内にいない」とも(笑)。
野島 ホントですか!? それはうれしすぎるなー。グループの枠を超えて、歴史は繰り返すってことですかね。となると、やがては池田ちゃんからいい匂いがするかもしれない(笑)。
青海 AKB48グループ全体に「いい匂いの伝承」が広がっていくかも。ただ、その起源は珠理奈さんですからね。やっぱりすべてを作った神なのかもしれない(笑)。
私たち若手の可能性は無限大
──ところで今、SKE48は若手の台頭が目立っていて、ファンからも大きな注目を浴びています。そのことをどう受け止めていますか?
菅原 率直に言って、うれしいですね。今回だって珠理奈さんのラストシングルという大事な節目なのに、このインタビューの参加メンバーにも林ちゃんや青海ちゃんという新しい世代が入っているわけじゃないですか。もちろんここにいる5人だけじゃなく、同じメンバーの私から見ても魅力的だと思う子がたくさんいます。正直、いつまでも先輩メンバーに頼ってばかりいてはいけないという危機感があるんですよ。そういう中で今回、青海ちゃんがフロントメンバーに選ばれたのはすごく意味があることだと思います。
青海 私がいるカミングフレーバーも、もともとは「もっと別の角度からSKE48を知ってもらいたい」「これからを担う若手メンバーにも光を当てたい」という狙いで始まったユニットなんです。なので家からリモート出演する舞台だったり、ほかのアイドルさんとの対バンライブだったり、これまでにない活動をどんどん積極的に行っていて。SKE48の熱心なファンの方以外にもアピールしているつもりですし、少しずつ輪が広がっているなという手応えもあります。
野島 私は「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の第1回大会と第3回大会に出場したんですけど、その2年の間で自分の意識が変わったと感じているんです。第1回のときは選抜に選ばれたこともない新人だったから、とにかく自分をアピールすることで精一杯でした。でも、第3回のときは「SKE48のために」という気持ちが強くなっていったんです。というのも、SKE48って「ダンスが激しい」というイメージが強いじゃないですか。だけど私としては、「歌も強いんだぞ」ということを証明したかったんです。
菅原 言うまでもなく、珠理奈さんがいなくなるのは寂しいことですが、発想を変えれば私たちにとってはチャンスでもあると思うんですよね。「SKE48=松井珠理奈」みたいな見方は根強いでしょうけど、その分「珠理奈の代わりに誰が前に出るの?」という興味は持っていただけるでしょうし。
野島 先輩たちの姿を見ていて、「自分は全然まだまだだな……」と落ち込むこともあります。だけど若さというものには、怖いものなしでトライできる特権もあると思うんですよね。11歳の林ちゃんなんて、人生が80年続くとしたら、まだ本当に始まったばかりですから。ここで失敗したとしても、長い人生の中では全然たいした話じゃないはず。そう考えると私たち若手の可能性は無限大だし、だからこそ積極的にどんどんいろんなことに挑戦していきたいなって。珠理奈さんが卒業するタイミングだからこそ、改めてそう思います。