SKE48が通算33枚目のシングル「告白心拍数」をリリースした。
表題曲「告白心拍数」は、相手に出会った瞬間、一気に心拍数が上がるような運命的な愛を歌った告白ソング。振付に取り入れられた“脈拍ダンス”などが特徴だ。そしてこの曲をパフォーマンスする選抜メンバーは、表題曲のセンターに初めて抜擢された6期生・熊崎晴香を含む18人。現在、SKE48には現在54人のメンバーが在籍しているが、個性と才能あふれる面々の中から選抜入りするのは、たとえ人気メンバーであっても当たり前の話ではない。
今回、音楽ナタリーでは野村実代(Team S / 8期生 / 21歳)、荒井優希(Team KII / ドラフト1期生 / 26歳)、入内嶋涼(Team KII / 9期生 / 25歳)、太田彩夏(Team KII / 7期生 / 24歳)、倉島杏実(Team E / 8期生 / 19歳)、の5人にインタビュー。それぞれの“ドラマ”を抱えたうえでスポットライトを浴びている彼女たちに、新曲の注目ポイントを聞きつつ、選抜入りまでの道のり、その中で感じてきた葛藤や成長を語ってもらった。
取材・文 / 小野田衛撮影 / 塚原孝顕
新曲のポイントは“グループとしてのまとまり”
──SKE48にとって33枚目のシングルとなる「告白心拍数」。まずは表題曲の注目ポイントを教えてください。
入内嶋涼 ポイントはやっぱり、どストレートな歌詞じゃないでしょうか。初めて読んだとき、すごく秋元(康)先生っぽい歌詞だなと感じました。タイトルにもある「心拍数」というのは、ドキドキするときの感情を表現したフレーズ。王道の告白ソングと言えると思います。
太田彩夏 相手に出会った瞬間、言葉も出ないくらいドキドキが高まった感情。心拍数だけがどんどん上がっていく状態。もう自分でも好きだという気持ちが止められない。そんな恋に落ちた女の子の歌です。
野村実代 曲の最後に「Calm down 告白心拍数」という歌詞があるんですけど、ここはレコーディングのとき、「思い切り力強く歌ってほしい」とスタッフさんから指示が出たんです。だから、「告白! 心拍数!」とパワフルに歌いました。そのニュアンスを汲み取っていただけるとうれしいです。
──モジモジするような恋愛模様というよりは、自分から積極的にいくイメージなんですかね。
野村 そうですね。「後悔のないように自分の思いを伝えたい!」という気持ちがあふれている歌詞だと私は解釈しましたし、実際にそのニュアンスで歌いました。
倉島杏実 SKE48というのは昔から熱い心を持っているグループなんです。告白ソングを歌っていても、どうしても熱い気持ちが先走るんだと思います。
荒井優希 「告白心拍数」は、MVにも1つのテーマがあるんです。最初はバラバラなメンバーの気持ちがどんどんまとまっていき、最後のサビではバチッとまとまったダンスを披露する。私、これって普段のSKE48の活動にも通じることじゃないかなって感じたんです。というのもSKE48は人数が多いグループですし、日頃は自分のことでいっぱいいっぱいになることもあるんですよ。だけど最終的にはSKE48という枠の中でまとまることが大事で、ファンの方にも「SKE48は一枚岩なんだな」ということをMVを通じてアピールできたんじゃないかなと。だから私的なポイントは“グループとしてのまとまり”ですね。そこを感じ取っていただきたいです。
SKE48の情熱に女性らしさが加わった
──「告白心拍数」には“脈拍ダンス”なる聞き慣れない振付も導入されているのだとか。
野村 「心拍数」というサビのフレーズに合わせ、脈を測る動きをするんです。
太田 みんなで一斉に右の手首を左手で握る動きをするので、そこだけ切り取ると少しコミカルに見えるかも。だけど実際は歌詞とリズムと動きがピタッとハマっているから、躍動感やスピード感があって、すごくカッコいいパフォーマンスに仕上がっているんです。
──病院で脈拍を測るようなイメージではないわけですね。
野村 勢いと迫力が全然違いますから。“脈拍ダンス”では、特にメンバーの目力に注目していただきたいです。脈を測る全人類の中で、最も目力が強いんじゃないでしょうか(笑)。
──目力のある野村さんが言うと説得力があります。
入内嶋 振付に関しては、お尻を振るところもポイントです。女性らしい雰囲気が出ていて、SKE48の新機軸といえるかも。
荒井 確かに。SKE48のダンスって「がむしゃらに汗をかく」みたいなイメージが強いと思うんです。今回はその情熱的な要素も残しつつ、女性らしさも加わった感じかな。
──今回は6期生の熊崎晴香さんが初めて表題曲のセンターを務めています。
太田 初めてとはいえ、誰がどう見ても主役だと思える説得力がすごいんです。主人公感が抜群!
野村 くまさん(熊崎)が人一倍努力している姿を後輩として見てきたから、自分もがんばらなきゃなって気合いが入りました。すごく大きな背中を見せてくれる、偉大な先輩なんです。みんなから信頼されています。
荒井 努力家なのは本当にその通りなんですけど、同時に少し抜けているところもあるという。自分でもあがり症だと言っていましたし。
入内嶋 緊張のあまり、ただでさえよくない滑舌がさらにひどくなったりして……。何をしゃべっているのかもわからないんですけど(笑)、そういうところも含めてかわいいなと思います。
倉島 でも、Team Eの中では以前からセンター的なポジションでしたからね。確かに表題曲では初センターかもだけど、Team Eの一員としては納得しかないといいますか。安心感は最初からズバ抜けている感じがありました。さっき「主人公感」という言葉が出ましたが、主人公が堂々としていると物語がビシッと締まりますからね。
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