SKE48の次世代エースは?
──その珠理奈さんが卒業するということで、SKE48が変わらざるを得ないという事実もあると思います。ズバリ伺いますが、SKE48の次世代エース、ポスト珠理奈は誰になるんでしょうか?
惣田 (即答で)私ですっ!
大場 えっ⁉ すごい自信!
惣田 ……というのは冗談ですが(笑)、まあ真面目な話をすると、ポスト珠理奈はいないと思いますよ。珠理奈さんは唯一無二の存在ですから。11歳でデビューするやいなやセンターになり、SKE48を引っ張りながらAKB48の中心人物にもなって。置かれた状況としては同じく11歳で注目されている林美澪ちゃんが近くて、今後どういうふうに成長していくか私も気になりますが、珠理奈さんと同じものを彼女に求めるのは酷だと思うんですよ。
須田 SKE48の次世代エースがドーンと現れたとして、おじゅりと比べられたらその子の魅力が半減しちゃうと思う。その子にはその子の個性があるはずだから、のびのびやってほしいし。
──世間的な知名度を考えると、須田さんが次期エースという線もあるのでは?
須田 いや、それは絶対ないと思います。もちろんアイドル活動は真剣にやっていますし、SKE48のことは大好きですよ。だけど、私はエースやセンターという器ではない気がしていて。みんなを引っ張っていくというよりは、後ろから見守っていて気付いたことをアドバイスするような立ち位置。自分の感覚としては、「SKE48を背負う」というよりは「SKE48にいさせていただいている」なんですよ。
古畑 いやいや、そんなことはない! それはさすがに謙遜しすぎでしょう。
須田 でもさ、これは本音だよ。エースって周りから絶対的に認められる存在だけど、私がそうだなんて到底思えないし。
──でも、誰か1人はポジション0のセンター位置に立たないといけないわけですよね。
惣田 確かに。個人的には若い子に立ってほしいですけどね。できればまだ10代のメンバーに。
大場 可能性は後輩たち全員にあると思うんです。0番に立ったときにキラキラと輝くのは誰なのか。それって結局、実際に立ってみないとわからないんですよ。スタッフさんだって判断しきれないんじゃないですかね。チームの中ではおとなしい存在だけど、選抜に入ったら自分を堂々とアピールできる子だっているかもしれないですし。実際、今の若いメンバーは教えたことをすぐ吸収するし、意識もしっかりしていますから。
須田 1つ私からの希望を言えば、センターを「やらされている」という感じにはならないでほしいかな。「選ばれちゃった」「背負わされちゃった」という空気になると本人もかわいそうだし、応援する側も感情移入できないですから。だからセンターに立つ子は、「SKE48のセンターであることに誇りを持ってくれる子」というのが絶対条件になるかもしれない。
古畑 SKE48の顔ってことですからね……いや、もちろん私自身もその位置を諦めたわけでは決してないですよ。だけどシングル「FRUSTRATION」でセンターをやってみて、そこで気付かされたことも多かったんです。正直、あれは悔いも残っているし、リベンジしたいなという気持ちもあります。でも、それ以上に未来の象徴みたいな子がSKE48を明るく照らしてほしいという気持ちのほうが今は強いんです。だって今はSKE48がガラッと新しく変わるチャンスですから。どうせなら、大胆にモデルチェンジしたほうがいいと思う。
チャンスをつかむためにやるべきこと
──SKE48は地元・愛知の岩盤支持層が強固ですが、一方で全国的なメディア展開が弱いと指摘されることもあります。どうしたら新しいSKE48の魅力を世間に伝えられると思いますか?
須田 最近、個々の活動が目立っている気がするんですよ。たとえば北川愛乃ちゃんは独特のテイストのイラストが注目されているし、末永桜花ちゃんも電車に詳しすぎるということで番組に出るようになりましたし。私自身も昔からテレビが大好きだったからいろんな番組に出させていただけてる今の環境に感謝していて、そういう感じでそれぞれの方法で可能性を広げていけばいいと思うんです。
大場 時代は確実に変わっていますからね。今までと同じアプローチでやっていても通用しないのは間違いないと思います。例えばテレビの役割も変わってきたじゃないですか。もちろん今でもテレビの影響力はすごく大きいですけど、若い人の間でSNSが必需品になってからは、また別のアプローチもあるというか。そうなると、私たちがアイドルになってからの流れを若い子に当てはめても意味がない気もするんです。
──確かに、その通りかもしれません。
大場 でも、これはどんなお仕事でも同じだと思いますよ。結局、時代に合わせて生き延びていくしかないんです。このSNS時代にバズることができるのは、例えばSKE48だったらTikTokerでもある、おしゆき(青木詩織と荒井優希によるユニット)みたいな存在。今、TikTokのフォロワー数が60万人を超えているんですよね。あの2人は明確なSKE48の希望かもしれないけど、それって誰かの指示があったわけではなく、自分たちで勝手に動いた結果なんですよ。そして大事なのはSKE48はメンバーがやりたいと言い出したら、それを自由にやらせてくれる土壌があるということ。
──となると、セルフプロデュース力が求められる?
大場 そうです。SKE48は大人数の集団だから、女優になりたい子もいれば、モデルになりたい子もバラエティ番組に出たい子もいるでしょう。だったら、それだけの熱量を持って自分なりに動いてみればいいと思う。やれるだけのことを全部やってみればいいんですよ。そうやって自力で可能性を切り拓いたメンバーがチャンスをつかめる時代だと私は思います。自分で考えていかないと有名にはなれないんですよ、今の時代は。そうしないと人から愛してもらうことも難しい。逆に言うと、自分で考えれば愛されるチャンスも広がるはずですし、「面白い」「かわいい」と思われるきっかけを、今は自分で作るしかないんです。
惣田 今、めちゃくちゃいいこと言ってますよ。私、普通に感動しているんですけど。
大場 いや、これは自分で自分に言い聞かせていることでもあるんだけどね。なかなか難しいなと試行錯誤しつつ考えているわけで……。
古畑 いずれにしてもファンの人から「珠理奈がいなくなるから不安」じゃなくて、「珠理奈がいなくなるけど楽しみ」って思われたいですよね。今はグループの雰囲気がすごく前向きだし、スタッフさんとの風通しもいいんです。自分たちの力でもっと上を目指していきたいです。
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