音楽ナタリー Power Push - 「SATANIC CARNIVAL'15」開催記念インタビュー 世代を超えて集える空間

松本健太(WANIMA)、横山健、キヨサク(MONGOL800)

「SATANIC CARNIVAL」はアーティストが集える空間

──今回の「SATANIC CARNIVAL」だと、やはり仲間意識はある?

横山 そうすね。僕にはあります。実は僕、「SATANIC CARNIVAL」のブッキングには一切関わってないんですよ。全部PIZZA OF DEATHの磯部(友宏氏)が考えてる。僕も意見はしますけど、全部彼が決める。でもラインナップを見て、「おおこうきたか、よし彼らと仲間になろう」とは思いますね。元から仲間意識があるバンドと仲良くするだけでなく、せっかく磯部がこういう場所を作ってくれたんだから。僕も出演者の1人としてそう思いますね。

──知らないバンドもいるんですか?

横山健

横山 いますいます。去年もバリバリいました。去年初めて会ったのが04 Limited Sazabysで。それからすごく仲良くなりましたからね。自分のツアーにも出てもらったり、僕たちが名古屋に行くと観に来てくれたり。そういうつながりがすごくできた。それがフェスの持つ空気感なんですよ。オーガナイザーが何を考えているか。アーティスト同士の交流みたいなものを考えてると、ちゃんと集える空間を作ってくれる。そういうフェスは増えてほしい。

キヨサク うん。そうですね。

──それはお客さんからは見えない部分だけど……。

横山 でもフェスの雰囲気にはすごく関係してくる。

キヨサク バンド主催のやつはみんな早めに会場入りするし、すぐ帰らないし。それで露骨にわかるかもしれない。雰囲気のいいフェスは居心地がいいから、いつまでもいたいし、ほかのバンド観に行ったり交流が増える。

──なのでバンドに好かれる、バンドが出たがるという。単なるプレイの場であることを超えて楽しみなのが、「SATANIC CARNIVAL」であると。

横山 うん、そうですね。

キヨサク 俺は初めてだけど楽しみですよ。

新作を控える3組

──モンパチは8月19日にアルバムが出るんですよね。どんな感じになりそうですか?

キヨサク 3分台多めの。今回はそういう縛りにしようと思ってます。3人って一番ミニマムな編成じゃないですか。そこでできることを追求して、もういいかなってとこまでやってみて、そこからどんどんシンプルになってきてる。今はそういう時期かもしれないです。だから曲もなるべく短く、2分とか3分で収めたいなって。

横山 BBQ CHICKENSノリだね、もはや(笑)。

キヨサク デモ作りながら、4分だと長いなあって。1番終わったらサビ、サビ終わったらソロいきます、みたいなお決まりの流れはもういいやって。そうしたら順調です。前回は15周年記念だったので、あれこれ考えながらやったんですけど、今回は何も考えずにやりたいなと思って。

──Ken Yokoyamaもニューシングル「I Won't Turn Off My Radio」が7月8日に出ます。

横山 そうなんですよ。「I Won't Turn Off My Radio」という曲がリードトラックになります。ラジオの歌なんですけどね。ラジオと自分を重ね合わせて、なんか自分が古いツールのような気がしてきて。今ラジオって必要なのかな、聴いてる人なんているのかなあ、でも絶対なくなりはしないよなあ、という思いをラジオに対して抱いていたら、もうだいぶ年を取ってしまった自分の姿に重なってしまって。そういう歌詞を書きました。

松本健太(WANIMA)

──WANIMAはミニアルバム「Can Not Behaved!!」を出して、ツアーが終わりましたね。

松本 終わりました! ツアーすごかったです。健さんやキヨサクさんがずっとやってきたような、濃密なツアーをずっとやりたかったんです。やっとやれたんでうれしくて。お客さんも反応してくれて、気持ちよかったです。

──お客さんは若いですか?

松本 若いですね。でもけっこう年配の方も……年配って言っても健さん世代の……。

横山 ははははは!(笑) 俺、年配?

松本 あ、いえ。保護者みたいな感じの人が(笑)。

──WANIMAの今後のリリースの予定は?

松本 近々何か報告できると思います。

当日に向けての抱負

──楽しみにしてます。じゃあ最後に今回の「SATANIC CARNIVAL」に向けての抱負などを聞かせてください。

横山 僕はいち出演者としてすごく楽しみたいです。「SATANIC CARNIVAL」は“PIZZA OF DEATHのフェス”ではあるけど、“横山健のフェス”ではないんです。僕が今後誘われない年も出てくると思うけど、今年もせっかく声をかけてもらったんだから十分に楽しみたい。僕のフェスじゃないとはいえ、僕も軽く噛んでるものなので、こうやって新しい出会いをどんどん生み出せていけたらなあ、と思います。だって……健太は夢だったもんね、こうやってモンパチと一緒にやるなんてねえ。

松本 そうです!

横山 だから今日、「SATANIC CARNIVAL」を介してこういう場が持てたこともすごくうれしいですし。

左から松本健太(WANIMA)、横山健、キヨサク(MONGOL800)。

──MONGOL800はフェス経験はめちゃくちゃ豊富だと思いますがいかがでしょう。

キヨサク でもPIZZAのフェスに出れるっていうのは、改めてうれしいですよ。俺らみたいなバンドマンにとって。そこで初めて会う人もいっぱいいると思うし、楽しみですね。みんななんかドカドカしてるんだろうなって。

──フェスごとに演目や演出を変えることはあるんですか?

キヨサク 俺らはけっこうありますね。今回もちょっと考えたい。

横山 クソほどブラストビートやられたらどうしよう(笑)。

──WANIMAは「SATANIC CARNIVAL」に向けていかがですか?

松本 去年出たかったんですけど、出られなくて。主催のI.S.Oさん(磯部友宏氏)がツアー中マネージメントとしてずっと一緒にいてくれたんですけど、ツアーの移動中もずっと「SATANIC CARNIVAL」のことを考えてるのを間近で見てるから、このイベントにかける思いとかが伝わってくるんです。なので出る以上、裏切りたくないなと思います。楽しみたいのもありますけど、I.S.Oさんに「WANIMAを出してよかった」と思ってもらいたいですね。

SATANIC CARNIVAL'15
2015年6月20日(土)
千葉県 幕張メッセ 国際展示場9-11ホール
出演者
SATAN STAGE

OVER ARM THROW / ROTTENGRAFFTY / KEMURI / coldrain / MONGOL800 / Fear, and Loathing in Las Vegas / Ken Yokoyama / 10-FEET / FACT

EVIL STAGE

SHIMA(オープニングアクト) / Crystal Lake / BACK LIFT / BUZZ THE BEARS / WANIMA / HAWAIIAN6 / RADIOTS / G-FREAK FACTORY / locofrank / 怒髪天 / The BONEZ / 04 Limited Sazabys / GOOD4NOTHING / SHANK

Ken Yokoyama(ケンヨコヤマ)
Ken Yokoyama

1969年10月1日生まれ。Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリスト。2004年にソロアーティストとしての活動を開始し、Ken Yokoyama名義によるアルバム「The Cost Of My Freedom」をリリースした。Ken Bandとしてライブ活動を展開して以降も、2005年の2ndアルバム「Nothin' But Sausage」をはじめ定期的に作品を発表。2008年1月に初の日本武道館公演を実施したほか、2010年10月には「DEAD AT BAY AREA」と題したアリーナライブを神戸と幕張で敢行した。2011年にはHi-STANDARDのライブ活動再開や「AIR JAM 2011」開催など、ソロ以外の活動も続々展開。2012年11月に5thアルバム「Best Wishes」をリリースした。2013年11月にはドキュメンタリー映画「横山健 -疾風勁草(しっぷうけいそう)編-」が、全国60館の劇場にて公開され、2014年9月に「Stop The World」を収めたCDが付属したDVD「横山健 -疾風勁草編-」を発売した。2015年7月には8年4カ月ぶりとなるシングル「I Won't Turn Off My Radio」をリリースする。

MONGOL800(モンゴルハッピャク)
MONGOL800

キヨサク(Vo, B)、儀間崇(G)、高里悟(Dr)による沖縄在住のスリーピースバンド。高校在学中の1998年に沖縄で結成。1999年に沖縄限定で「GO ON AS YOU ARE」をリリースするが、あまりの反響の大きさから2000年に全国発売となる。2001年に発売したアルバム「MESSAGE」は収録曲がCMソングに使用され、インディーズレーベルからの発売としては異例のメガヒットを記録。幅広い世代に響くキャッチーなメロディとストレートな歌詞でリスナーを魅了している。2015年8月に通算7枚目となるオリジナルアルバム「People People」をリリース。9月末より新作を携えてのリリースツアーを開催する。

WANIMA(ワニマ)
WANIMA

熊本出身の松本健太(Vo, B)、西田光真(G, Cho)を中心に2010年初夏に結成されたメロディックパンクバンド。2012年12月に同じく熊本出身の藤原弘樹(Dr, Cho)が加入し、現在の編成となる。Ken YokoyamaやHOTSQUALL、FOUR GET ME A NOTSなどさまざまなバンドのツアーに参加し、各地で知名度を高める。これまでに制作したデモ作品3枚は、現在までに手売りで4000枚を突破。2014年にPIZZA OF DEATHが、レーベルとして初めてマネジメント契約をしたことを発表。同年10月、同レーベルより1stミニアルバム「Can Not Behaved!!」をリリースした。


2015年7月8日更新