D.A.N.とのコラボで、新たなサウンドに挑戦したくなった
──堀込さんは「レコードの日」の11月3日にはD.A.N.とのコラボ曲「EYE」の7inch盤をYASUYUKI HORIGOME+D.A.N.名義でリリースされました。今日はせっかくTechnicsのリスニングルームにお邪魔したので、早速レコードを試聴してみましょう。ダイレクトドライブターンテーブル「SL-1200G」、ステレオパワーアンプ「SE-R1」、ネットワークオーディオコントロールプレイヤー「SU-R1」、スピーカーシステム「SB-R1」という音響システムです。
……なるほど。中声域がしっかり出ていて、この曲のよさがしっかり再現できていると感じました。楽曲や演奏のよさはもちろん、いい音を浴びる楽しみにあふれているし、できれば僕もこういう部屋を持ちたいですね(笑)。リスニングに特化した空間と言うのかな。ケーブル1つで音は変わるし、自分の好みの音を追求したい気持ちもあります。
──D.A.N.とのコラボはいかがでしたか?
すごく面白かったですね。僕が作ったデモは歌とコーラス、あとはピアノとドラムぐらいしか入っていないような、とてもシンプルなものだったんです。そのほうが彼らのテイストを入れ込みやすいかなと思って。実際に戻ってきたものを聴いたときは「ここまで膨らませてくれたんだ」と驚きましたね。彼らの手が加わることによって、自分の曲なんだけどすごく新鮮な気持ちで聴けると言うか。僕にはできない音楽になっているし、自分でも今までやってきたものと毛色の違うサウンドにトライしてみたいなと思わせてくれました。
──双方のファンにとっても新たな発見がありそうですね。
そうあってほしいなと思います。このセッションが終わってから、改めてD.A.N.の音楽や自分の音楽を聴き直したんですけど、そのどちらとも違うものになっているし、どちらのよさも入っている曲になったので。改めていいコラボができたなと実感しました。
地味さの中に備わった面白み
──堀込さんのアルバム「One」「GOOD VIBRATIONS」はアナログ盤でもリリースされていますし、レコードと相性のいいアーティストという印象があります。ご自身ではどう捉えていますか?
多分、地味な曲にも意外と面白いものが多いということが1つの理由なんだと思います。自分で言うのもあれですけど(笑)。
──地味と言うか、名曲がたくさんあると思います。
いわゆるシングルカットされている曲以外にも面白い曲があればアルバムで聴きたくなるし、それがひいてはアナログで聴くことにつながるのかなと。自分としては「わかる人にしかわからなくていい」と思って作っているわけではなくて、単純に楽しみながら作っていったらたまたまそれが地味な曲だった、ってことなんですけどね。でもそこにきちんと面白みが備わっていることは自負しています。それはキリンジ時代の作品なら兄(堀込高樹)もそう思っているだろうし、僕のソロもそうですね。うん……シングル以外にも、案外いい曲があるよってことですね(笑)。
- レコードの日
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毎年11月3日に開催されるアナログレコードの祭典。アナログレコードの魅力を伝えることを目的として、アナログレコードプレスメーカーの東洋化成が主催、Technicsが協賛している。イベント当日は全国各地のレコード店でさまざまなイベントが行われるほか、この日のために用意された豊富なラインナップのアナログ作品が販売される。
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Technics
ダイレクトドライブターンテーブルシステム
SL-1200G
- 堀込泰行(ホリゴメヤスユキ)
- 1972年5月2日生まれ。1997年に兄・堀込高樹とのバンド・キリンジでデビューを果たす。2005年にはキリンジと並行してソロプロジェクト・馬の骨としての活動も行い、2013年4月のキリンジ脱退後は個人名義でのソロ活動を開始。2014年11月には配信シングル「ブランニュー・ソング」を発表した。2016年10月には個人名義による1stアルバム「One」をリリース。自身の作品のほか、ハナレグミ、安藤裕子、一青窈、畠山美由紀、Keyco、松たか子、南波志帆、鈴木亜美といったアーティストへの楽曲提供でもソングライターとして独自の個性を発揮している。2017年11月に発表する新作CD「GOOD VIBRATIONS」では□□□、D.A.N.、tofubeats、シャムキャッツ、WONKらとコラボレーションを果たした。