POLPO|出会って30年のPABLOとZAXが、今鳴らすオルタナティブロック

小学校の音楽会でZAXのドラムのうまさに感激

──そんな2人が音楽に興味を持ち始めたきっかけは?

ZAX PABLOの姉ちゃんが、洋楽……特にメタルとかすごい好きやって。

PABLO メタルっちゅうか、1980年代のアメリカのヒットチャート系の洋楽だったらなんでも聴いてた。Motley Crueとかシンディ・ローパーとかマイケル・ジャクソンとか。なのでわりと自然に洋楽が身近にあって。そしたら僕が小5ぐらいのときに、7歳上の姉ちゃんがギターを始めたんですよ。必然的に僕もなんとなくギターを触るようになって。そこからです。当時はバンドブームもあったから初期のX JAPANとかLUNA SEAとかにも影響を受けて。6年生のときはもうNirvanaとかMetallicaとか聴いてましたね。

──PABLOさんの影響でZAXさんも洋楽を?

ZAX そうすね。洋楽はPABLOの影響すね。

PABLO オレ、最初何を聴かせたんだっけ? レニー・クラヴィッツ? The Smashing Pumpkins? Nirvana?

ZAX 小6ぐらいか……「自由への疾走」やな(レニー・クラヴィッツが1993年に発表したアルバム「Are You Gonna Go My Way」)。

PABLO 小学校5年のときに音楽会があって。こいつのクラスは「ロッキーのテーマ」やってたんですよ。こいつは小太鼓担当だったんですけど、それがやたらうまかったんですよ。「小学生のレベルちゃうな!」みたいな。ロールとかめっちゃうまくて。そのとき「なんであんなうまいの?」って聞いたのを覚えてる。

ZAX うち、父親が指揮者で、母ちゃんはピアノとマリンバの先生だったんです。で、親父が「雷の真似」とか言って家でよくドラムロールをやってて。なので親しんではいたんです。

──じゃあお二人ともお家に音楽的環境があった。

PABLO 言われてみれば確かにそうですね。それで、「オレ、ギターやってるねん」って話をして、なんとなとくそこから、オレがギター弾いてこいつがドラムを叩いて、ということを始めてましたね。

ZAX 学校終わってPABLOんち行くのが楽しみでしょうがなかった。

──じゃあ最初はバンドじゃなくて2人のセッションと言うか……。

PABLO そうだね! 今と同じじゃん(笑)。

ZAX リトルPOLPO!

ツレと群れてスタジオ入ってライブする、それが楽しかった高校時代

PABLO それで中学に入って、LUNA SEAのコピーとか初めて。

ZAX 「ROSIER」とかやってたな。

PABLO そう。そこから漠然と「バンドやりたい!」という気持ちが生まれて、バンドの真似事をやるようになった。でも本格的にバンドを始めたのは高校に入ってからですね。オリジナル曲を作るようになって。

ZAX ちゃんとスタジオ入って。

PABLO そうそう。でライブもやり始めて。4人で。

ZAX Metallicaのコピーとかやってな。

──そういうヘヴィなロックをやるようになった。

PABLO 最初はメタリカっぽい音楽から入って、その後デスメタル化していきました。より過激で激しい方向に。それで高1から高2までは、毎月のようにライブやってましたね。

POLPO

ZAX 大阪まで出てね。

PABLO スタジオも週に2、3回入ってたもんね。

──その頃はもうプロになるつもりだったんですか?

ZAX いや。単純に楽しかったんですよね。

PABLO うん。僕もそのときはそこまで考えてなかったですね。

ZAX ツレと群れてスタジオ入って。それが楽しい時期。

PABLO ほかにやることもなかったしね。田舎っちゃあ田舎(兵庫県宝塚市中山五月台)だったし。すごく閉鎖的なコミュニティの場所だったんで。

別々の道に進むもP.T.P.で再開

──では高校を出て、そのバンドはどうなるわけですか。

PABLO その頃はいろいろ……ZAXはZAXで就職したり、オレはオレで好みが変わったりして、結局その4人組は空中分解するんですよ。僕は別のバンドでデビューするために東京に来て。ZAXは就職で先に上京してて。そこから2004年にP.T.P.を始めるまでは、お互い別々に活動してて。

──P.T.P.で一緒にやるようになったきっかけは?

PABLO そのときP.T.P.でドラムを探してて。やっぱ(ZAXは)むちゃくちゃうまかったんですよね。今高校生のときのバンドの音源聞いても、普通にうまい。

ZAX フレーズ変わってへん。

PABLO そう(笑)。僕は東京出てきてしばらくは違うタイプの音楽をやってたけど、P.T.P.でまた激しい音楽をやり始めたから、ZAXの顔がピコーンと浮かんで。でも全然会ってないし、その頃彼は全然違うタイプの、それこそ今のPOLPOみたいな音楽をやってて、ちょっと逡巡したんですよ。でもP.T.P.はすげえいいバンドだし「やっぱりZAXしかいない」と思って、声をかけてみようと。

──どうだったんですか、ひさびさに声をかけられたとき。

ZAX うれしかったですよ。「じゃあちょっと手伝おうか」って。

PABLO 最初は本当そんなノリだよね。

──で、やはりP.T.P.に魅力を感じた。

ZAX そうすね。やっていくうちに。

──なるほど。そこでP.T.P.が本格的に活動を開始し、そのあとの活躍は皆よく知るところだと思うんですが、2012年にKさんが亡くなって、バンドは活動を停止します。その時点で将来どうするか、2人で何かやろうとか考えなかったですか。

PABLO いや、なかったすねえ……。

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再び別々の道へ

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収録曲
  1. 30 Steps
  2. in the mountain
  3. encore
  4. Rhaphidophoridae
  5. Night Cafe
  6. Wings of Black
  7. Sleeping Bug
  8. Manhunt
  9. White Painted Johnny
  10. A fool born in April

ライブ情報

POLPO「PWYW LIVE 2018 "peels off"」
  • 2018年3月1日(木)東京都 WWW
  • 2018年3月4日(日)大阪府 SUNHALL
POLPO(ポルポ)
Pay money To my PainのPABLO(G)とZAX(Dr)からなるユニット。2017年で、知り合って30年経つことをきっかけに結成された。2017年12月に東京・shibuya eggmanにてショーケースライブを実施。2018年1月に10曲入りのアルバム「peels off」をリリースし、3月にチケット料金を観客が終演後に決めて支払って帰るという“Pay What You Want(PWYW)”方式でワンマンライブ「PWYW LIVE 2018 "peels off"」を大阪と東京で開催する。