小学校の音楽会でZAXのドラムのうまさに感激
──そんな2人が音楽に興味を持ち始めたきっかけは?
ZAX PABLOの姉ちゃんが、洋楽……特にメタルとかすごい好きやって。
PABLO メタルっちゅうか、1980年代のアメリカのヒットチャート系の洋楽だったらなんでも聴いてた。Motley Crueとかシンディ・ローパーとかマイケル・ジャクソンとか。なのでわりと自然に洋楽が身近にあって。そしたら僕が小5ぐらいのときに、7歳上の姉ちゃんがギターを始めたんですよ。必然的に僕もなんとなくギターを触るようになって。そこからです。当時はバンドブームもあったから初期のX JAPANとかLUNA SEAとかにも影響を受けて。6年生のときはもうNirvanaとかMetallicaとか聴いてましたね。
──PABLOさんの影響でZAXさんも洋楽を?
ZAX そうすね。洋楽はPABLOの影響すね。
PABLO オレ、最初何を聴かせたんだっけ? レニー・クラヴィッツ? The Smashing Pumpkins? Nirvana?
ZAX 小6ぐらいか……「自由への疾走」やな(レニー・クラヴィッツが1993年に発表したアルバム「Are You Gonna Go My Way」)。
PABLO 小学校5年のときに音楽会があって。こいつのクラスは「ロッキーのテーマ」やってたんですよ。こいつは小太鼓担当だったんですけど、それがやたらうまかったんですよ。「小学生のレベルちゃうな!」みたいな。ロールとかめっちゃうまくて。そのとき「なんであんなうまいの?」って聞いたのを覚えてる。
ZAX うち、父親が指揮者で、母ちゃんはピアノとマリンバの先生だったんです。で、親父が「雷の真似」とか言って家でよくドラムロールをやってて。なので親しんではいたんです。
──じゃあお二人ともお家に音楽的環境があった。
PABLO 言われてみれば確かにそうですね。それで、「オレ、ギターやってるねん」って話をして、なんとなとくそこから、オレがギター弾いてこいつがドラムを叩いて、ということを始めてましたね。
ZAX 学校終わってPABLOんち行くのが楽しみでしょうがなかった。
──じゃあ最初はバンドじゃなくて2人のセッションと言うか……。
PABLO そうだね! 今と同じじゃん(笑)。
ZAX リトルPOLPO!
ツレと群れてスタジオ入ってライブする、それが楽しかった高校時代
PABLO それで中学に入って、LUNA SEAのコピーとか初めて。
ZAX 「ROSIER」とかやってたな。
PABLO そう。そこから漠然と「バンドやりたい!」という気持ちが生まれて、バンドの真似事をやるようになった。でも本格的にバンドを始めたのは高校に入ってからですね。オリジナル曲を作るようになって。
ZAX ちゃんとスタジオ入って。
PABLO そうそう。でライブもやり始めて。4人で。
ZAX Metallicaのコピーとかやってな。
──そういうヘヴィなロックをやるようになった。
PABLO 最初はメタリカっぽい音楽から入って、その後デスメタル化していきました。より過激で激しい方向に。それで高1から高2までは、毎月のようにライブやってましたね。
ZAX 大阪まで出てね。
PABLO スタジオも週に2、3回入ってたもんね。
──その頃はもうプロになるつもりだったんですか?
ZAX いや。単純に楽しかったんですよね。
PABLO うん。僕もそのときはそこまで考えてなかったですね。
ZAX ツレと群れてスタジオ入って。それが楽しい時期。
PABLO ほかにやることもなかったしね。田舎っちゃあ田舎(兵庫県宝塚市中山五月台)だったし。すごく閉鎖的なコミュニティの場所だったんで。
別々の道に進むもP.T.P.で再開
──では高校を出て、そのバンドはどうなるわけですか。
PABLO その頃はいろいろ……ZAXはZAXで就職したり、オレはオレで好みが変わったりして、結局その4人組は空中分解するんですよ。僕は別のバンドでデビューするために東京に来て。ZAXは就職で先に上京してて。そこから2004年にP.T.P.を始めるまでは、お互い別々に活動してて。
──P.T.P.で一緒にやるようになったきっかけは?
PABLO そのときP.T.P.でドラムを探してて。やっぱ(ZAXは)むちゃくちゃうまかったんですよね。今高校生のときのバンドの音源聞いても、普通にうまい。
ZAX フレーズ変わってへん。
PABLO そう(笑)。僕は東京出てきてしばらくは違うタイプの音楽をやってたけど、P.T.P.でまた激しい音楽をやり始めたから、ZAXの顔がピコーンと浮かんで。でも全然会ってないし、その頃彼は全然違うタイプの、それこそ今のPOLPOみたいな音楽をやってて、ちょっと逡巡したんですよ。でもP.T.P.はすげえいいバンドだし「やっぱりZAXしかいない」と思って、声をかけてみようと。
──どうだったんですか、ひさびさに声をかけられたとき。
ZAX うれしかったですよ。「じゃあちょっと手伝おうか」って。
PABLO 最初は本当そんなノリだよね。
──で、やはりP.T.P.に魅力を感じた。
ZAX そうすね。やっていくうちに。
──なるほど。そこでP.T.P.が本格的に活動を開始し、そのあとの活躍は皆よく知るところだと思うんですが、2012年にKさんが亡くなって、バンドは活動を停止します。その時点で将来どうするか、2人で何かやろうとか考えなかったですか。
PABLO いや、なかったすねえ……。
次のページ »
再び別々の道へ
- POLPO「peels off」
- 2018年1月20日発売 / TOWER RECORDS
-
特別限定盤 [CD+アナログ盤+TシャツXLサイズ]
8100円 / TRJC-1073 -
特別限定盤 [CD+アナログ盤+TシャツLサイズ]
8100円 / TRJC-1075 -
特別限定盤 [CD+アナログ盤+TシャツMサイズ]
8100円 / TRJC-1076
- 収録曲
-
- 30 Steps
- in the mountain
- encore
- Rhaphidophoridae
- Night Cafe
- Wings of Black
- Sleeping Bug
- Manhunt
- White Painted Johnny
- A fool born in April
ライブ情報
- POLPO「PWYW LIVE 2018 "peels off"」
-
- 2018年3月1日(木)東京都 WWW
- 2018年3月4日(日)大阪府 SUNHALL
- POLPO(ポルポ)
- Pay money To my PainのPABLO(G)とZAX(Dr)からなるユニット。2017年で、知り合って30年経つことをきっかけに結成された。2017年12月に東京・shibuya eggmanにてショーケースライブを実施。2018年1月に10曲入りのアルバム「peels off」をリリースし、3月にチケット料金を観客が終演後に決めて支払って帰るという“Pay What You Want(PWYW)”方式でワンマンライブ「PWYW LIVE 2018 "peels off"」を大阪と東京で開催する。