ごはんと音楽が一緒になっちゃえばいいのに

──ヒップホップを聴くようになったのはDJみそしるとMCごはんとして活動を始めてからだそうですが、その前はどんな音楽を聴いていたんですか？

カクバリズムのアーティストさんやbonobosさんの音楽が好きで。いつだったか、カクバリズムさん企画の野音のイベントに行って、おいしいものを食べながらライブを観てたんですね。そのときに幸せすぎて、ふと「ごはんと音楽が一緒になっちゃえばいいのに……」って思って。それがDJみそしるとMCごはんの原点かもしれません。

──さかのぼって幼少期はどんな音楽を聴いていましたか？

スチャダラパーさんや電気グルーヴさん、斉藤和義さんの曲が入ってる「ポンキッキーズ」のコンピレーションが大好きで、いつも車に乗りながら聴いてました。3、4歳のときは母の影響でピチカート・ファイヴさんとか聴いてましたね。教育テレビ（Eテレ）の番組も、そこで流れている音楽も大好きでした。それぞれジャンルは違うんですけど、今の自分の作る音楽につながっているところがあると思います。

──確かに。普段はどんな場所で曲を作ってるんですか？

キッチンが多いです。最近引っ越して、妹と暮らしてるんですけど、キッチンが広いのでホントに幸せです。もうキッチンで暮らしてるようなものですね。

──曲を作る上で心がけていることはありますか？

一番はわかりやすさです。伝えたいことが料理のレシピなので、ちゃんとそれが聴き取れるように工夫したり、わかりやすい歌詞にしたり。トラックもなるべく毎回違う雰囲気になるよう心がけてます。

──ちなみに曲はすぐできるタイプですか？

いつも苦労してます……。この前はどうしても曲ができなくて、沖縄に行っちゃいました。

──え!?

スパムの曲を作ることになったんですけど、東京ってあまりスパム料理がないじゃないですか。（DJみそしるとMCごはんは現在ランチョンミート「スパム」とコラボ企画を展開中。参考：組み合わせたらおいしいのは？みそしるごはん×スパムコラボ企画）でも沖縄はスパム料理がたくさんあるんで、どうせだったら現地調査だ！と。そこでスパムおにぎりを食べて、スパムが入った味噌汁を飲んで……。

──曲は無事完成しました？

実はまだなんです（笑）。でも環境によって曲の雰囲気が変わることを実感しましたね。リズムやサウンドにしっかり“南国感”が出た曲になりそうです。

──料理をするときは音楽は聴きますか？

はい！ やっぱり音楽かけながら料理するほうが楽しいです。カフェで働いていたとき、みんな音楽をかけながら仕込みをしてて。私は主にMikaを聴いてましたね。それを聴きながらロコモコ丼を作ったり、ペペロンチーノを作ったり。

──作る料理によって聴く音楽を変えたりは？

じっくり煮込むタイプのときは、やっぱりスローな曲がいいですね。手早く作るときはリズムの軽い曲で。

──自分の曲をかけながら料理をしたりは？

かけないんです。歌詞が料理にまつわるものなので歌詞が気になっちゃう。自分の曲は、主に妹とフラフープをしてるときにかけてますね。ちなみにフラフープをしながら聴くのにぴったりなのは、最新アルバム「ジャスタジスイ」に入ってる「缶詰ロワイヤル」です（笑）。

オススメはゴムベラ！

──さてこれから始まる連載では、ゲストの方と一緒に料理をしていくわけですが……。

どれだけゲストの方たちとぶつかっていけるか楽しみですね。

──あれ？ 一応「おしゃべりキッチン」は対決ではなくて、一緒に作るというコンセプトなんですが。

戦いになるかもしれないです（笑）。料理ってその人のキャラクターも好みも出るじゃないですか。どんなものを食べて育ってきたのかとかも透けて見えるし。それが怖くもあり、楽しみでもあり。対談も料理も個性がぶつかりあう場ですし、結局戦いになると思います！ 戦わないと、音楽業界で生き残っていけないんで。

──（笑）。この連載は料理が苦手な人、これから料理に挑戦したいという人にも読まれると思うのですが、料理を楽しむためのコツってありますか？

例えば自分がいいと思ったお皿を買っちゃうとか。いいお皿を買ったら、おいしい料理を盛りたいじゃないですか。もう1つはお気に入りの調理器具を探すこと。調理器具っていろんなものがあって、本当に面白いんですよ。お気に入りのアイテムがあると、料理がきっと楽しくなると思います。

──そんなおみそはんが好きな調理器具って？

断然ゴムベラです！ お鍋のものを余すことなく取れるのがすごく快感で。ゴムベラは小と大の両方をそろえることをオススメしたいですね。

──最後に、これから連載を始めるにあたっての意気込みをお願いします。

料理版「徹子の部屋」のような長寿企画にしたいですね（笑）。黒柳徹子さんみたいになれるよう一生懸命がんばります！ 意気込みだけは大きくいきます！