never young beach|4thアルバムでネバヤンが到達したバンドとしての新境地

ネバヤンメンバーが紹介する「STORY」を感じるレコード

  • 安部勇磨

    デヴェンドラ・バンハート
    「What Will We Be」
    安部勇磨(Vo, G)
    もともとnever young beachは「細野晴臣さんとデヴェンドラとLittle Joyを足したような音楽をやりたい」と思って始めたバンドなので、これはもう絶対に外せない1枚ですね。デヴェンドラさんとは京都で一緒にライブもやらせてもらったんですけど、そのときに「君たちはThe GrowlersとTelevisionとThe Beach Boysが混ざったようなバンドだね。それに君の歌からはなんらかの情景が伝わってくる」と言ってくださって。本当に希望をもらいましたね。日本語の歌でも海外のアーティストにちゃんと伝わるんだなって。
    Bahamas
    「Earthtones」
    安部勇磨(Vo, G)
    「STORY」のモードに入るきっかけになった1枚ですね。細部までものすごく計算された音が、本人たちの感覚的な演奏とめちゃくちゃよいバランスで混ざってる。中でも「Opening Act」という曲がとにかくすごいんです。ドラムが普通に8ビートを叩いているんですけど、そのうしろでもう1台のドラムが16ビートを刻むことで、リズムが跳ねて聴こえるんですよね。しかも、そこにゴスペルっぽいコーラスが入ることで、いなたさが中和されるというか。このアイデアは「歩いてみたら」でも使ってます。
  • 阿南智史

    ドナルド・フェイゲン
    「The Nightfly」
    阿南智史(G)
    このレコードはスズケンからアメリカ土産でもらったんです。まずジャケットが素晴らしいですよね。僕のイメージする80年代アメリカのカッコいい部分がここに凝縮されていて、これだけでもうストーリーが浮かんでくる。サウンドプロダクションもすごくいいですよね。どれか1つでも音が抜けたら成立しないくらいに音像がそぎ落とされていて、ある意味そこは「STORY」で目指したものに近いのかもしれません。インタビュー中に「リッチな音」みたいな話になりましたけど、このアルバムはまさにそれですよね。曲にダンディズムがあるというか。
    恒松正敏
    「TSUNEMATSU MASATOSHI」
    阿南智史(G)
    これはジャケ買いしたレコードで、実はまだ聴いてないんです(笑)。僕、顔ジャケが好きなんですよ。バンドだとなかなかそうはいかないけど、ソロアーティストはやっぱり顔ジャケですよね。やっぱりこういう感じがカッコいいなって。それで恒松さんがフリクションのメンバーだとも知らず手に取ったんです。なんというか、この表情だけで物語が伝わってくるというか。たぶんアップテンポで元気な音楽ではないんだろうなと思うし、どこか哀愁がある感じにも惹かれますよね。そこはドナルド・フェイゲンのジャケにも言えることかな。
  • 巽啓伍

    Chicano Batman
    「Freedom Is Free」
    巽啓伍(B)
    Chicano Batmanはスペイン語でも歌うバンドなんですけど、このアルバムは全編英語詞ですね。今回の制作中もよく聴いてました。すごくエキゾチックで、1枚通して聴くと旅行したような気持ちになれるというか。特に2曲目と4曲目はものすごくキャッチーでいいんですよ。ミニマルなリズムと、その中でコーラスとギターが有機的に作用していく感じは「STORY」に通じるようなところがあると思う。
    ステラ・ドネリー
    「Beware of the Dogs」
    巽啓伍(B)
    まず、顔がかわいすぎますよね(笑)。それにソフィア・コッポラの映画みたいなユース感がある。あと、Chicano Batmanにも言えることなんですけど、余計な音が入っていないんですよね。それでいてキャッチーな歌がしっかり生きてる。必要な音だけで構築されていて、あまり味付けをしていないところがいいなと。「STORY」には女声コーラスが入ってるんですけど、彼女の声に聴き惚れたことの影響があったかもしれないですね。
  • 鈴木健人

    スティーヴィー・ワンダー
    「Talking Book」
    鈴木健人(Dr)
    僕はSly & The Family StoneやParliamentみたいなファンク、黒人音楽が大好きなんです。で、このアルバムはリズムにせよ、各フレーズの絡み方にせよ、細部のこだわりがものすごいんですけど、そういう細部を見ずとも、素直にいいと思えるポップな曲がそろっているんですよね。それこそ音楽の教科書に使われてもおかしくないくらいの大衆性があるというか。僕が「STORY」でやりたかったこともそういうことだよなと思ったので今回はこれを選びました。
    キング・カーティス
    「Live at Fillmore West」
    鈴木健人(Dr)
    これはライブ盤でパフォーマンスの熱量が凄まじくて、とにかくサックスのメロディが美しいんですよ。でも、このライブの半年後にキング・カーティスは刺されて死んじゃうんですよね。ドラムを叩いてるのはバーナード・パーディ。セッションドラマーとして何千もの曲に参加してる人なんですけど、彼はインタビューで「どんな曲であろうとメロディに寄り添うこと。そして、自分だからこそ出せるグルーヴを大事にしてる」と話していて。僕はこの人の演奏はもちろん、ドラマーとしての姿勢にもすごく影響を受けています。
never young beach

ツアー情報

never young beach HALL TOUR 2019
  • 2019年5月10日(金)北海道 道新ホール
  • 2019年5月12日(日)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)
  • 2019年5月15日(水)新潟県 新潟市音楽文化会館
  • 2019年5月17日(金)愛知県 名古屋市公会堂
  • 2019年5月24日(金)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2019年5月29日(水)東京都 NHKホール