ナオト・インティライミ「まんげつの夜」 PR

ナオト・インティライミ|世界に挑む“切符”を手にして…この夏、ティライミが動き出す

ナオト・インティライミの22枚目のシングル「まんげつの夜」が8月14日にリリースされた。

昨年はシングル「ハイビスカス / しおり」「Start To Rain」やアルバム「『7』」でオントレンドなサウンドを盛り込んだ楽曲を発表したナオト。年末には愛知・ナゴヤドームでワンマンライブ「ナオト・インティライミ ドーム公演2018~4万人でオマットゥリ!年の瀬、みんなで、しゃっちほこ!@ナゴヤドーム~」を行い、2018年をにぎやかに締めくくった。そんな彼が2019年初のCD作品としてリリースするニューシングル「まんげつの夜」は得意のJ-POPに回帰したナンバー。今回のインタビューでは改めてJ-POPを意識したというシングルの各収録曲や、自身の心情の変化について話を聞いた。さらにNaoto名義でUNIVERSAL MUSIC LATINから世界デビューすることを受け、海外活動に向けての意気込みも語ってもらった。

取材・文 / 高橋拓也 撮影 / 永峰拓也

※アルバムタイトル「『7』」の二重カギカッコはカギカッコが正式表記。

インティだけど、満月ラバーだからね

──昨年発表のシングル「ハイビスカス / しおり」「Start To Rain」やアルバム「『7』」ではオントレンドなサウンドを盛り込んだ、新たなナオトさんの一面が表現されていました。一方で今回のシングル「まんげつの夜」の各収録曲は、再びJ-POPへ回帰したような印象を受けたんです。

まさにそうだね。海外での活動が多くなって、あちらで制作した曲も相当増えてきたんです。そんな中で日本と海外、それぞれの活動の住み分けができるようになって、これまで以上にJ-POPサウンドを追求したくなって。去年はどこまでオントレンドなサウンドが日本で通用するかを探ってて、リスナーに対して「みんなこれはイケる?」みたいな感じに確認をしていたんです。結果自分の中ではいいバランスでアルバムが完成したけど、今回はもうちょっとJ-POPらしさを強くしようと思ったの。

──確かに今回のシングルではJ-POPの多様な音楽性や、その魅力をそれぞれの楽曲で表しているように感じました。まず表題曲「まんげつの夜」はバラードですが、“あなた”に出会えたことで見つけられたものを挙げつつ、“あなた”自身が今この場にいない、ということが歌われています。月というテーマはちょっと意外に思いまして。

ナオト・インティライミ

ナオトといえばインティ、つまり太陽だからね。でも実は僕、月も好きだから。

──ミュージックビデオのオフショット映像でも、ナオトさんが「満月ラバーだからね」とお話ししているシーンがありました。

満月の日はずーっと月、見てるもんね。昔から星座とか惑星が好きでよく調べてたんだけど、月は地球に隕石がぶつかって、飛び散った破片が1個になって生まれた……というのが有力説なんです。言ってしまえば月も本来地球だったわけで、それを知ったらシンパシーが沸くじゃない? この地球と月の関係を、恋人や家族との関係になぞらえて歌詞を書いてみました。

──家族だけでなく恋人や友人など、さまざまな人を想起することができる歌詞は意識的に作り上げたのでしょうか。

そこはけっこうこだわったかな。歌詞の内容が薄くなって、ふわっとしちゃうのはとにかく避けたかったから、具体的なシチュエーションを持ち込みつつ、聴く人それぞれの体験を当てはめることができるよう気を付けました。満月は毎日だとありがたみがなくて、見えるときと見えないときがあるからいいんだよね。満月の日は必ず1カ月に1回訪れるわけで、そんな日が家族や恋人のことを強く思うきっかけになってほしくて。普段は冷たくしちゃったり、感謝を伝えるきっかけがなかったりするけど、満月をきっかけに「そうだ、田舎にいる親に電話してみるか」とか思えたらいいよね。

──例えば狼男のお話だと、姿が変わるきっかけが満月を見ることであったり、1カ月に一度しか見ることができないものとして、月がなんらかのモチーフとして登場する作品もありますね。

うんうん。月と地球は一番引力が引き合っている惑星で、人間の血液もその引力に引っぱられているんだって。だから感情的や感傷的になりやすい、メンタルへの影響もあるらしいんです。そういうことを勉強していくと、確かにみんなギラギラというか、そわそわしている感じがして、いろいろ気付いたことがありましたね。それから「まんげつの夜」では恋をすると月だけでなく、鳥の声や花のきれいさが全然別物に感じると歌っているけど、そこは花鳥風月の逆順に展開するように書いたんです。世界の見え方が変わることと、身近な人への愛が「まんげつの夜」では表現されているね。

人間って、他人と比べることで簡単に不幸になっちゃう

──一方でカップリング曲の「花」は開放感のある、さわやかなナンバーとなっています。挫折やネガティブな感情について触れながらも、“僕だけの花を咲かせたい”というテーマが全編にわたって描かれていて、「まんげつの夜」とはまた違ったJ-POPらしさが感じられました。

この曲ではシンプルな8ビートが使われているんだけど、僕の楽曲の中ではかなり珍しいと思う。ある種J-ROCKらしい要素でもあるかも。そこにレゲエ風のビートを交えて、キャッチーな抜け感を大事にしました。「花」はロサンゼルスで歌詞作りや歌入れをしたんだけど、海外向けの活動を行っている中で、日本向けの楽曲を作ったらどうなるのか試した曲でもあるかな。あとは海外での活動中に一喜一憂が激しくなっちゃって、その感情を全部この曲に詰め込んでやろうと思ったんだよね。40歳目前の自分の覚悟を表した、決意ソングでもあります。

──ナオトさんご自身に呼びかけているような内容でもあると。

その要素はけっこう強いね。今の自分をむき出しにすることで、僕と同じように挑戦したい人だったり、今まさに挑戦している人に共感してもらえたらいいな。「俺、今こんなズタズタだけど、40歳からでもいけるんだぜ」「とがってた情熱を忘れてはいないかい?」とみんなで思い出そうぜって感じ。あとは自分ならではの魅力を引き出す、という意味も「僕だけの花を咲かせたい」の部分に込められているね。

──自分らしさを花に例えている、ということですね。

それに人間って、他人と自分を比べることで簡単に不幸になっちゃうから。「あの人に比べたら全然ダメだ」と思う前に、自分ができる表現に集中して取り組めばノイジーな考えはなくなるし、比べるヒマもなくなってくる。音楽の評価もランキングがすべてじゃないとは思いつつ、どうしてもこの競争社会では比べられちゃうし、自分も惨めな気持ちになったりしたけど、旅に出たことで「これでいいんだ」と思えるようになったよね。

J-POP的キャッチーさ+変則ビート=ティライミ節

──「アカルイミライ」では自分のアイデンティティを求めながらも、“アカルイミライ”を目指す姿が描かれています。「Start To Rain」など、いわゆるオントレンドな要素を盛り込んだ時期に近いサウンドですが、制作は海外で行われたのでしょうか?

ナオト・インティライミ

これは逆に日本で作ったね。この曲で日本向けと海外向け、両方のちょうどいい塩梅を見つけられたんだよ。サビのメロディなんてもう恥ずかしいくらいキャッチーなJ-POPなの。ここまで極端だと普通は安っぽくなっちゃうんだけど、ラテンビートを加えることによって、いなたくならないことに気付いたんです。

──なるほど。

これだけでインティライミらしさがものすごく出てくるし、腑に落ちたよね。つまりサビはものすごくわかりやすいけど、リズムをちょっと変則的にするサウンドが“ティライミ節”と言えるんじゃないかな。「アカルイミライ」だけじゃなく、King & Princeに提供した「マホロバ」を作っているときにもハッとなって。試しに“ティライミ節”をブッこんでみたらカッコよくなったし、採用されたんだよ。「アカルイミライ」のおかげで「花」のような8ビートの曲もより際立つし、今まで当たり前のように使ってきたラテンビートの重要性を発見できました。