ナオト・インティライミ|好き勝手作っちゃいました! 新ティライミと旧ティライミをつなぐ「7」の軌跡

新ティライミと旧ティライミをつなぐもの

──「夢のありか」はアルバムの中では唯一旅に出る前に発表された楽曲になります。

ナオト・インティライミ

「Sixth Sense」に入っていると思ってたんだけど、アルバムがリリースされた直後に発表されたシングル曲だったね。今回のアルバムに収録するか迷って、「いらないかな」と思いながらも実験的に入れてみたら、意外と浮かなかった。J-POPど真ん中のほっこりチューンな「夢のありか」が入ったおかげで新しい曲たちもより映えて入れてよかったと思いました。

──この楽曲が収録されたことで、ナオトさんの新たなステップとなる曲と、これまでにナオトさんが作ってきた曲の関連性が明確になりましたね。

そうそう。僕は以前のスタイルを捨てたわけじゃないからね。とっても大事なつなぎ役になってくれました。

──そしてアルバム終盤は「ハイビスカス」「Sing a song」「しおり」とシングル収録曲が続いていきます。

アルバムにシングルのカップリング曲は入れないほうなんだけど、「『7』」の世界観を描くうえで「Sing a song」のような楽曲は必要だったし、「しおり」は絶対にアルバムの最後に置いておきたくて。「しおり」の語源って「枝折り」で、道に迷わないように枝を折ってマークしておくことで、そこにいつでも戻ってこられるようにすることなんですよ。活動をストップして旅に出たのは覚悟のいることだったけど、心が健康になったし、音楽を作るのが楽しくなって、人生や活動のキャリアにおいてとても大切なものになりました。だから胸を張って「あのとき止めてよかった」と思える。数年後、このアルバムを聴き直したときにそんな感情が取り戻せるよう、アルバムの最後の曲に「しおり」を選んだんです。

──なるほど。アルバムを締めくくるための「しおり」でありつつ、いつか活動を振り返るときに備えた「しおり」にもなると。

うんうん。そういう意味でも、「『7』」は特別なアルバムになったよね。

少人数のお客さんの前でやっていたことを、4万人の前でもできる

──ナオトさんの2018年は12月29日に愛知・ナゴヤドームで開催されるワンマンライブ「ナオト・インティライミ ドーム公演2018~4万人でオマットゥリ!年の瀬、みんなで、しゃっちほこ!@ナゴヤドーム~」で締めくくられますが、今年1年を振り返ってみていかがでしたか?

まず47都道府県ツアーをやってみて、もっと細かく全国を回らないとなと思ったよね。福岡だったら九州、仙台だったら東北のいろんな県の人たちがわざわざ来てくれてたんだというのを実感したんです。このタイミングで47都道府県ツアーができたのも、その集大成としてナゴヤドーム公演ができるのもとてもうれしいし、貴重なライブイヤーになりました。

──47都道府県ツアー以外にフェス出演、2018年7月10日に大阪・大阪城ホールにて行われた「ナオトの日LIVE」など、1年間でかなりのライブ本数になりましたね。

しかも7カ月かけた47都道府県ツアーが終わったあともファンクラブ限定イベントが入って、日本での2周目の旅が始まっちゃったんだよね(笑)。でも本当にありがたいことで、しっかり駆け抜けられた1年になったと思う。だからこそナゴヤドームがコケたら、ここまで積み上げてきたものが台無しになっちゃうから、最高のパフォーマンスで2018年を締めくくりたいです。

──今回の取材前にライブ映像作品「ナオト・インティライミ アリーナツアー 2016 Sixth Sense」を鑑賞したのですが、お客さんたちとの一体感もすごいですよね。例えばアンコールで披露した「こころことば」では、ナオトさんが手拍子の合図を突然振っても皆さん臨機応変に対応していました。さらに「The World is ours!」では男性のお客さんが1人でサビのコーラスパートを歌う場面がありましたね。

あのお父さんも「嫌いじゃない!」って感じでねー! ああいうの、柏でストリートライブをやってた頃となんにも変わらないかも。酔っぱらいのオッサンが絡んできて「酔いどれブルースだ!」って即興で歌ってイジる、みたいなね。ストリート時代に少人数のお客さんの前でやっていたことを、4万人の前でやれたってことは、僕にとってはすごく大事なことで。僕のファンは一緒にステージに立っているという感覚でライブを観ているんじゃないかな。ガンガン歌ってくるし、なんならMC中もしゃべってるし……お客さんっていう自覚が足りない(笑)。

──ナゴヤドーム公演ではどんな雰囲気になるのか、楽しみですね。

この公演はキャリア史上最大のオマットゥリ、ドームでしかできない規模感のオマットゥリになるだろうから、子供から若者はもちろんのこと、中高年の皆さまにも楽しんでもらいたいね。帰省する前に一瞬名古屋寄ればいいだけだから!

──ちょっと気の早い話になってしまうのですが、2019年の予定はいかがでしょうか?

……(指で×を作る)。

──まだ詳しく言えないんですね(笑)。

ははは(笑)。来年は海外での活動を推し進めていきたいし、いろんな日本のフェスにも出たいし、ライブをたくさんやりたいよね。あとは完パケした曲もけっこうあるし、曲を生み出すモードにはいつでも入れるから、ワクワクしながらいい活動を行っていく……それに尽きるかな。

ナオト・インティライミ
ナオト・インティライミ ドーム公演2018
~4万人でオマットゥリ!年の瀬、みんなで、しゃっちほこ!@ナゴヤドーム~
  • 2018年12月29日(土) 愛知県 ナゴヤドームOPEN 13:00 / START 15:00
ナオト・インティライミ「『7』」
2018年12月12日発売 / UNIVERSAL SIGMA
ナオト・インティライミ「『7』」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
7538円 / UMCK-9982

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ナオト・インティライミ「『7』」通常盤

通常盤 [CD]
3240円 / UMCK-1615

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CD収録曲
  1. Shake! Shake! Shake!
  2. Start To Rain
  3. Amor y sol with 桜井和寿
  4. Sunday -オーガニックver.-
  5. My Great Days
  6. 同窓会
  7. Eraser
  8. セーフティーゾーン
  9. 夢のありか
  10. ハイビスカス
  11. Sing a song
  12. しおり
初回限定盤DVD収録内容
  • ナオト・インティライミ LIVE キャラバン 2017「旅歌ダイアリー」@Zepp Osaka Bayside
  • 「7」ジャケット撮影メイキング
ナオト・インティライミ
ナオト・インティライミ
三重県生まれ、千葉県育ち。世界28カ国を515日間かけて1人で渡り歩き、各地でライブを行うなど、世界の音楽と文化を体感。帰国後となる2009年には自らのソロ活動のほか、サポートメンバーとしてMr. Childrenのツアーにも同行する。そして2010年4月、ナオト・インティライミ名義でのメジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。同年7月には1stアルバム「Shall we travel??」を発表し、メジャーデビューからわずか8カ月後の12月には東京・日本武道館公演を開催する。その後2011年には「NHK紅白歌合戦」に初出場。2015年12月には自身初となる大阪・京セラドームでのライブを4万人の観客と共に大成功に収め、2016年11月には全国アリーナツアー11公演を行い、計10万人を動員した。2017年1月31日、自分の原点に立ち返るため世界を回る旅に出ることを宣言し、約半年の旅を経て7月10日開催の「ナオトの日」でシーンに復帰。この旅の模様はドキュメンタリー映画「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2」として劇場公開された。2018年3月からは弾き語りワンマンツアー「こんなの初めて!!ナオト・インティライミ 独りっきりで全国47都道府県 弾き語りツアー2018」を行い、7月に20枚目のシングル「ハイビスカス / しおり」、10月に21枚目のシングル「Start To Rain」、12月には7枚目のアルバム「『7』」を発売。29日には3年ぶり2度目となる愛知・ナゴヤドーム単独公演「ナオト・インティライミ ドーム公演2018~4万人でオマットゥリ!年の瀬、みんなで、しゃっちほこ!@ナゴヤドーム~」を開催する。