音楽ナタリー Power Push - 中島愛

3年間の出来事 2度目の青春

2014年3月20日、東京・日本青年館でのワンマンライブをもって音楽活動を休止した“まめぐ”こと中島愛。2008年、テレビアニメ「マクロスF」の歌姫ランカ・リー役で華々しいデビューを飾り、以降も順調な活動を続けていた中での突然の活動休止宣言は大きな波紋を呼んだ。その後は以前より関わっていたアニメ作品の関連イベントに時折出演したのみで、表舞台からは長らく遠ざかっていたが、2016年12月1日に活動再開を発表。12月11日には、2008年のデビュー時に初めて立った思い出のステージ、東京・ヴィーナスフォート 教会広場で復帰ライブを行い、およそ2年9カ月ぶりの歌声をファンに届けた。

古巣フライングドッグより2月15日にリリースされる活動再開第1弾シングル「ワタシノセカイ」は、2017年1月から放送中のテレビアニメ「風夏」のエンディングテーマ。ひさびさの新曲は、爽快にリスタートを切るような疾走感のあるロックサウンドに仕上がった。

活動休止直前のインタビュー(参照:中島愛「Thank You」インタビュー)では「新しい経験を重ねたあとで、いつか歌を歌ったらどうなるかな」と語っていた彼女。活動再開を果たした今はどのような心境なのか、詳しく話を聞いた。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 草場雄介

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120%受け手として過ごした3年間

──活動休止の発表をされたのが2013年の12月2日で(参照:中島愛が音楽活動休止、3rdアルバム&3月にラストライブ)、活動再開の発表が2016年12月1日でした(参照:中島愛が活動再開!「風夏」ED担当、思い出の地でフリーライブ)。満3年のタイミングで発表というのは、狙って?

そうですね。活動再開に向けての動きが固まってきた中、区切りのいいところで。

──この約3年間はどんな生活を送っていたんでしょうか。

中島愛

一番は、ミュージカルやライブを観に行くことですね。お休みしている分チケットも取りやすいので、気になっていた作品を片っ端から観に行っていました。それ以外は……ごはん作ったり寝たり起きたり(笑)、普通の生活を送っていました。

──「お客さん」として過ごした3年間。

はい。120%受け手の気持ちになって、でもあくまで音楽やお芝居からは離れずに、視点を変えて楽しんでいました。

──それはいずれ活動を再開することを視野に入れてのことだったのでしょうか。

いえ、最初は本当に先が見えなくて。自分のわがままで選んだ道だけど、将来にモヤがかかったような状態で、気持ちも沈んでいたんです。いろんなことに前向きになれない時期があって。最初の1年はあまりに気持ちが暗くなってしまったので、とにかく外に出ようと。何か理由を付けて外に出ようと思ったときに、ミュージカルやライブのチケットを取れば、外に出る理由ができるから。ちょうどそのとき観たかった舞台が、なかなかチケットが取れない人気の作品だったんですけど、たまたま1席取れたんですよ。それで行ってみたら、いち観客として見事にハマってしまって。そこから少しずつ外に出て行くようになって……徐々に徐々に、「ステージに立つってうらやましいな」「私もまたステージに立ちたいな」という気持ちがよみがえってきたんです。

ミュージカルとNegicco

──その間にも以前から携わっていたアニメ関連のお仕事で何度か拝見しましたが、アーティストとしての活動については、もしかしたらそのまま再開しない可能性もあった?

ありました。音楽を楽しんではいましたけど、それを自分につなげることを想像できない期間が長かったので。

──受け手として楽しんだものの中で、特にいいと思った舞台や音楽を具体的に挙げると?

中島愛

舞台については、それまでほとんど観に行ったことがなくて、有名なミュージカル作品にも触れたことがなかったんですよ。なので、すごく王道な「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」も初めて帝国劇場で観たんですけど……それはすごい体験でした。ガツンときましたね。ライブだと、これは友達だからというわけじゃないんですけど、Negiccoちゃんのワンマンライブには皆勤賞に近いぐらい行きました(笑)。

──新潟にまで足を運んだんですよね(笑)。

はい(笑)。Negiccoちゃんのライブを観たことは、活動を再開するにあたって正直ものすごく原動力になりました。

──Negiccoにとってのこの3年は、一気に駆け上がったり、たまに傷付いたり、非常にドラマチックな時期でしたよね。

そうなんです。ドラマチックな出来事を観客として観ていて、一番仲のいいNao☆ちゃんには、そんな中でどういう思いを持って活動しているのか直接お話を聞いたりもしていて。3人がすごくキラキラしていて、うらやましいなと思ったんですね。ミュージカルとNegiccoちゃん、その2つの柱が大きかったです。

「いつやるの? 今でしょ!」

──アーティスト活動再開の場は、古巣であるフライングドッグになりました。これはどういう経緯で?

だんだん「歌いたい」という気持ちがチャージされてきたなと自覚した去年の初め頃に、家族が入院するという出来事があって。今はもう退院して元気なんですけど。そのときに「いつか、いつか」と思っている自分にすごく気付かされたんです。いつかやりたいなと思う夢が多すぎて、「それっていつやるんだろう?」「今しか見せられないものもあるんじゃないかな」って。そんなときに……これはもう本当に巡り合わせなんですけど、4月に広島の竹原市で「たまゆら」というアニメ作品の最後の卒業式イベントが行われて、そこにサプライズゲストとして出てほしいというお誘いがフライングドッグの方からあったんです。体育館のステージで、ピアノの演奏だけをバックに3曲歌って。

──中島愛名義で歌を歌うのは、それこそ活動休止前ラストライブ(参照:中島愛、思い出の青年館で熱唱「絶対にまた会いましょう」)以来ですよね?

中島愛

はい。体育館のステージからお客さんの顔を見たときに……その頃はもうそちら側(客席)にいるのが自然になっていたので、ひさしぶりにステージの上で歌を歌って、自分の表現1つでお客さんが笑ってくれたり、泣いてくれたりしている姿にたまらなく感動したんです。そこで「歌いたい!」という気持ちが爆発してしまって。そんなときに、ずっとお世話になっていたディレクターさんから「また歌いたいと思わないの?」って聞かれたんです。そしたら、それまで絶対言えなかった「いや、私歌いたいんですよ」という言葉が押し上げられるようについ出てきちゃって。あちらも「え!? そうだったの?」みたいな。

──なるほど、巡り合わせですね。そのとき「たまゆら」のイベントに誘われていなかったら、もっと先だったか、そのまま「歌いたい」と言い出せないままだったかもしれない。

本当にそうですね。プライベートなこともお仕事も含めて、いろんな出来事が重なっていなければ、本心を押さえたままだったかもしれません。それこそ「いつやるの? 今でしょ!」って……。

──NegiccoのNao☆さんが本家の林修先生以上に使い続けているフレーズ「いつやるの? 今でしょ!」がボディブローのように効いてきて。

本当に(笑)。身に沁みて感じました。それまではライブでNao☆ちゃんが言ってるのを観てアッハッハと笑っていたけど、急に「本当その通りだな……」って(笑)。

ニューシングル「ワタシノセカイ」 / 2017年2月15日発売 / FlyingDog
初回限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / VTZL-118
通常盤 [CD] / 1404円 / VTCL-35249
CD収録曲
  1. ワタシノセカイ
    [作詞:瀬尾公治 / 作曲:秋浦智裕 / 編曲:WEST GROUND]
  2. 最高の瞬間
    [作詞:山田稔明 / 作・編曲:古川貴浩]
  3. 愛はめぐる
    [作詞:坂井竜二 / 作・編曲:末光篤]
  4. ワタシノセカイ(Instrumental ver.)
  5. 最高の瞬間(Instrumental ver.)
  6. 愛はめぐる(Instrumental ver.)
初回限定盤DVD収録内容
  • ワタシノセカイ(Music Video)

中島愛「ワタシノセカイ」リリース記念
ミニライブ&ハイタッチ会

2017年2月18日(土)東京都 ゲートシティ大崎 B1アトリウム
START 15:00

内容:ミニライブ / ハイタッチ会(整理番号入り優先エリア入場券が必要)

観覧無料(※整理番号入り優先エリア入場券は当日8:00より会場特設販売スペースでシングル「ワタシノセカイ」初回限定盤もしくは通常盤購入者に先着で配布)

中島愛 ワンマンライブ

2017年6月4日(日)東京都 ステラボール

中島愛(ナカジマメグミ)
中島愛

6月5日生まれ、ふたご座のA型。アニメ「マクロスF(フロンティア)」のヒロインのランカ・リー役に抜擢され、2008年6月に「ランカ・リー=中島 愛」名義によるシングル「星間飛行」で歌手デビューを果たす。2014年3月より音楽活動を休止していたが、2016年12月に活動再開を発表。2017年2月には復帰第1弾となるニューシングル「ワタシノセカイ」をリリースする。