ももいろクローバーZ|走る人に寄り添うももクロの新応援ソング

百田夏菜子インタビュー

「一緒に走ろうね」と歌う応援ソング

──今回のMVの撮影では終始走ってばかりでしたね。

カメラに向かってピースを決める百田夏菜子。

走るMVだとは聞いていたんですけど、撮影が始まって「あれ? 思った以上にマジだな……」と思いました(笑)。ほかの撮影では風を当てて走っているように見せることが多いんですけど、今回はルームランナーを使ったシーンもあって、気合を入れないと脚が置いていかれるんじゃないかというくらいのスピードだったので、リアルに走っている感じが表れていると思います。フォームもちゃんと教えてもらいました。スポーツが大好きなので撮影で体を動かせるのは楽しいです。

──9月配信の「あんた飛ばしすぎ!!」のMV撮影では校舎でロケが行われましたが、今回はほとんどがグリーンバックでの撮影です。正直、撮影しているときの心境はどんなものなんですか?

監督さんが撮影しながら「ここでは火山が吹き出てて」とかいろいろ説明をしてくれるので、できあがりの景色を想像しながら走ってます。話を聞けば聞くほど「どんなMVになるんだろう!?」とワクワクしますね。

──途中からはいろんな格好をしたエキストラの方々が撮影に参加していて、百田さんは医者やナース、スポーツ選手たちと走っています。

走ったり、努力したりするときの気持ちは人それぞれだと思うんですけど、「GODSPEED」は一緒に前を向いて走るという点ではみんなつながっているじゃないかと感じられる曲で。いろんな人たちと一緒に走ることによって、そのことを映像で表現できていると思います。

──ももクロは8月から5カ月連続の新曲リリース企画を行っていて、「GODSPEED」はその第4弾楽曲となります。

うちら、いつもは1年に1回新曲をリリースするかどうかっていうスピード感なのに(笑)。でも、今回みたいに急に連続でリリースすることがときどきあって。

──2015年には「夢の浮世に咲いてみな」「青春賦」「『Z』の誓い」といったシングルが3カ月連続で発売されました。

百田夏菜子

そうそう。でも、5カ月連続で新曲を配信するというリズム感は初めてですね。次から次に新しい曲が作られて、MVができあがっていって。私たちも「来月はどんな曲が来るのかな?」と楽しみだし、モノノフさんも同じだと思います。配信した曲が次のアルバムに収録されるということもあって、アルバムを作っているような感覚にも近いかもしれないです。みんなが曲を聴きながらアルバムを楽しみにしてくれたらいいですね。

──GARLICBOYSの楽曲のリメイクである「あんた飛ばしすぎ!!」はパンクナンバーで、ももクロの主演ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」の挿入歌として使われた10月配信曲「天国のでたらめ」は後半で曲調ががらりと変わる楽曲でした。そんな中「GODSPEED」は、ももクロらしいさわやかな応援ソングに仕上がっていて、4曲目にして王道の曲が来たなという印象です。

ですね。ただ「がんばれ」とか「応援してるよ」と伝えるような応援ソングは今までにもあったんですけど、今回みたいに「一緒に走ろうね」と歌う曲は新鮮で、すごく好きですね。「がんばって」と言われてももちろん背中を押されると思いますが、「私も一緒に走るから」と寄り添われたほうが「もっとがんばろう」という気持ちになるじゃないですか。歌割りの面でも最初のサビは4人のソロで回して、その次はユニゾンで歌うという盛り上げ方は今まであまりなくて。AメロとBメロをソロでつないで、サビをみんなで歌うパターンが多かったので、「王道な曲が来たな」という気持ちもありつつ、私たち的には新鮮な部分もたくさんあります。

──ところで百田さんは中学生の頃、駅伝部に所属していたことがあるそうですが。

あー、いやそれは(笑)。駅伝部っちゃ駅伝部でしたけど、無理やり入らされてたんですよ。女子バスケットボール部に所属していて、夏休み中、女バスの部員は全員駅伝部に入らなくちゃいけなかったんです。

──そういうことだったんですね。

でも1年生のときはコートでのバスケの練習に参加できなくて、体力作りのために部活中ずっと外を走っていたので、「GODSPEED」を聴くとそのときのことを思い出しますね。1人で走っているよりも、チームで走っているほうががんばれる感覚が蘇ってきて、懐かしくなります。

玉井詩織インタビュー

走っているとき以外に聴いてもグッとくる

──MVの撮影は順調ですか?

エキストラと記念撮影する玉井詩織。

それより、あのお姫様役の人、15歳だって。中3。ヤバくない? めっちゃかわいかった。

──(笑)。今回はそんなお姫様や漁師、宇宙飛行士といったエキストラの方々と一緒にとにかく走るMVになっています。

いやー、いいですね。朝ランニングみたいで(笑)。朝走りたいなという思いもあるんですけど、家にいるとどうしても一歩踏み出せないから強制的に走らされて気持ちがいいです。フォームも教えてもらって、楽しいですね。

──走ることは好きですか?

あんまり得意ではないし、そんなに好きでもないけど、嫌いでもないです(笑)。そもそもそんなに走る機会がなかったんですよね。小学校や中学校でもマラソン大会はなかったし、運動会で走るくらいでした。でも、運動会の前日は同級生と一緒に走り込んでました(笑)。運動会の前の日にもう疲れちゃうっていう。

──駅伝やマラソンをテレビで観ることはあります?

箱根駅伝のときは意識してなくても、気付いたら家族の誰かしらがテレビをつけていて。ずっとテレビの前にかじりついているわけじゃないけど、ついつい気になって観ちゃいますね。

──なるほど。MVのほうに話を戻しますと、4人が着ているスポーティなジャージ衣装も印象的です。

これ、めっちゃ着心地いいです。ももクロの衣装は派手で動きにくいものが多いですが、これだったら休憩時間中も着ていられて、楽ちんです。

──走るのに最適な衣装ですね。グリーンバックの前で撮影しているときは、できあがりの映像を想像しながら走っているんですか?

グリーンバックのときはとりあえず完成形を想像しながら撮影に臨んでいて、できあがったときに自分の想像とどれだけ近いかを比べるのが楽しみですね。でも「『Z』の誓い」(映画「ドラゴンボールZ 復活の『F』」の主題歌)のMVは想像しきれない部分が多くて、実際にできあがったものを観たら私たちが「ドラゴンボール」の世界に入り込んでいてビックリしました。

──「GODSPEED」は5カ月連続新曲リリース企画の第4弾楽曲ですが、毎月新曲を発表するというスピード感には慣れました?

大勢のエキストラと走る玉井詩織。

本当に極端ですよね。でも、別に大変とか、不自然な感じはないです。毎回モノノフさんの反響が聞こえてくるし、自分たちもこのペースで新曲が完成していくのは楽しいです。アルバムがリリースされる来年の5月まで、みんなに楽しんでもらえたらいいなと思います。

──「GODSPEED」のような王道の曲は好きですか?

やっぱりスッと耳に入ってくるメロディは好きですね。王道の曲も増えてきたものの、ももクロは初期から変化球の曲が多くて。こういうストレートな曲を歌うのはいまだに新しさがあって楽しいです。

──テンポや歌詞も走っているときに聴くとピッタリな印象です。

「GODSPEED」はがんばっている本人とそれを支えている人、両方の気持ちを歌っている曲で。しかも走っている人に限らず、例えば就職活動をしている人とそれを応援してる人とかにも当てはまると思うんです。走っているとき以外に聴いても胸にグッとくるような歌詞がたくさん詰まっています。