ももいろクローバーZ 10周年記念特集|第2回 ベストアルバム全曲レビュー&ライブ映像で紐解く“週末ヒロイン”の魅力

DISC 3

DISC 3 収録曲
  1. CONTRADICTION
  2. 走れ!
  3. 白い風
  4. コノウタ
  5. 全力少女
  6. 黒い週末
  1. 仮想ディストピア
  2. Link Link
  3. 桃色空
  4. DNA狂詩曲
  5. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
  6. Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~
ももいろクローバーZ

01CONTRADICTION

2011年7月27日発売 1stアルバム「バトル アンド ロマンス」収録曲

初回限定盤“モノノフパック”に特典CDとして同梱されるDISC 3には、事前に行われたモノノフ投票で選ばれた人気上位10曲がカウントダウン形式で収められている。10位は1stアルバム「バトル アンド ロマンス」から勝ち上がったこの曲。ライブでの初披露は、今はなき東京・よみうりランド オープンシアターEASTで行われた「ももいろクローバーZ サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは」。当時のライブでは会場を一気に盛り上げる起爆剤として機能していた。

02走れ!

2010年5月5日発売 メジャーデビューシングル「行くぜっ!怪盗少女」収録曲

シングル表題曲「行くぜっ!怪盗少女」と比肩する、初期ももクロの代表曲。アイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIVAL 2010」でのパフォーマンス動画が2011年公開の映画「モテキ」に使用されたことで広く注目を集めた。アイドル・ももクロのキラキラ感が凝縮されたポップチューンで、ライブでは大サビで照明を落とし、サイリウムの灯りのみで会場を照らす演出もおなじみ。会場の規模が上がるたび、この演出の壮観さも増していく。

03白い風

2011年12月25日発売 ワンマンライブ「ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会」開催記念シングル表題曲

2011年12月の公演「ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会」のために作られたクリスマスソングで、以降は冬の定番曲として定着している。AKB48「ポニーテールとシュシュ」を手がけた多田慎也、生田真心コンビによる直球のバラードソングで、このコンビは1stアルバム「バトル アンド ロマンス」にも心に染みるバラード「キミノアト」を提供している。

04コノウタ

2011年7月27日発売 1stアルバム「バトル アンド ロマンス」収録曲

1stアルバム「バトル アンド ロマンス」からの1曲。作詞、作曲、編曲はももクロ結成初期からの人気曲「オレンジノート」を手がけたツキダタダシによるもので、がむしゃらに歌を届けていたももクロのピュアな姿が等身大で描かれている。東日本大震災で被災した福島で2012年2月に行われたもいろクローバーZ きずなライブ2012~がんばっぺ いわき~」では「コノウタ」がラストナンバーとして届けられた。

ももいろクローバーZ

05全力少女

2011年3月9日発売 シングル「ミライボウル」通常盤収録曲

ももクロの魅力を表すキーワード“全力”がタイトルに冠されたナンバー。「ミライボウル」のカップリング曲で、発売当時は「ももクロ=全力」という言われ方はされていなかったが、汗を飛ばしながらこの「全力少女」を歌い踊るももクロの姿が印象に残っている人も多いはずだ。4人体制での初ライブとなった今年2月のバレンタインイベントでは、「行くぜっ!怪盗少女」や「 走れ!」などの初期代表曲と共にこの「全力少女」も歌われた。

06黒い週末

2012年11月21日発売 シングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」収録曲

高城れにの咳で幕を開ける痛快なハードロック。ライブではこの高城の咳を応用したユニークな演出もたびたび見られる。作・編曲はNARASAKIで、ギター演奏は人間椅子の和嶋慎治。咳で始まるイントロはBlack Sabbath「Sweet Leaf」のパロディで、“咳始まり”の楽曲としてはほかにもクレイジーケンバンド「ヒルトップ・モーテル」やOasis「Wonderwall」アルバムバージョンなどがある。

07仮想ディストピア

2013年4月10日発売 2ndアルバム「5TH DIMENSION」収録曲

2ndアルバム「5TH DIMENSION」の序盤を軽快に盛り上げるロックナンバーで、作・編曲は3rdアルバム「AMARANTHUS」の「ゴリラパンチ」も手がけたAKIRASTAR。この曲や「黒い週末」が人気上位に選ばれるようになったのは、手練れ集団・ダウンタウンももクロバンドを従えた生バンド編成でのライブがスタンダード化したことによるものか。ライブではメンバーがバイクになる冒頭の振り付けが特徴的。

08Link Link

2015年3月11日発売 シングル「青春賦」収録曲

シングル「青春賦」収録曲で、ももクロ主演映画「幕が上がる」の挿入歌。ライブを華やかに彩るポップソングがトップ3に食い込んだ。発売当初からモノノフ人気は高く、2015年にリリースされたTeddyLoidによるリミックスアルバム「Re:MOMOIRO CLOVER Z」の収録曲を選ぶファン投票では1位に輝いた。この曲では発売時期に高校卒業を控えていた佐々木彩夏が大きくフィーチャーされている。

09桃色空

2016年2月17日発売 4rdアルバム「白金の夜明け」収録曲

4thアルバム「白金の夜明け」のラストを締めくくる、KinKi Kids堂本剛の提供曲。アイドルの先輩である堂本が「新しいももクロを引き出せるように」という思いで書いたのは、少女から女性へと変わりゆく今のももクロだからこそ歌える、温かく優しいソウルナンバーだった。元気ハツラツなだけではないももクロが人気投票で2位に選ばれたことに、10年の歴史を感じる。アルバム発売時のインタビューでは、メンバーが堂本へのオファーの経緯やレコーディング時の裏話、堂本からもらったアドバイスなどについて語っている。

10DNA狂詩曲

2012年3月7日発売 シングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」通常盤収録曲

人気投票1位は、「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」通常盤のみに収録されていたこの曲。作詞は前田たかひろ、作曲は大隅知宇、編曲は横山克と、ももクロ楽曲を複数手がける作家陣により制作された。「絶望…それは弱虫の言い訳」「生き急げ 遅れるな 臆するな」「クサらずに立ち向かえ」と強い言葉で鼓舞するメッセージソングだが、リリース当時の彼女たちは平均年齢16.4歳の女の子。現在大リーグで活躍する球界のモノノフ・田中将大投手は「DNA狂詩曲」を入場曲に選び、気持ちを奮い立たせてマウンドに立っていた。なお今シーズンはももクロの新曲「吼えろ」が入場曲として使用されている。

ももいろクローバーZ

11行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-

新曲

本作のために制作された「行くぜっ!怪盗少女」の新録バージョン。「マホロバケーション」「BLAST!」「DECORATION」を手がけたinvisible mannersがリアレンジを担当し、オリジナルの持ち味はそのままに、歪んだギターやスラップペースを際立たせたライブ感あふれるアップデートを施している。イントロに差し込まれるメンバー名の“出欠”コールの変更はZ改名時以来2度目。

12Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~

新曲

同じく「Z伝説 ~終わりなき革命~」の新録バージョンだが、こちらは大きな改変が。戦隊モノの設定はそのままに決めゼリフは刷新され、Bメロとサビは新たなメロディに変更された。立木文彦は録り下ろしのナレーションで新シリーズ突入を告げる。ブルーとグリーンは果たして? クライマックスでオリジナルバージョンのサビが復活する構成には不思議なカタルシスが。アクロバティックな振り付けはどう変化するのか楽しみだ。


2018年5月31日更新