ナタリー PowerPush - ももいろクローバーZ

「いま、会える記者」ももいろクローバーZ 「労働讃歌」作詞者、大槻ケンヂを直撃取材だZ!!

今日は彩夏です

──大槻さんはちょうど今の彼女たちと同じぐらい、高校生ぐらいの頃からインディーズで活動されてますよね。その頃はどんな生活でしたか?

大槻 えーとね、すぐペダルが外れる自転車に乗って……。

玉井 えー(笑)。ペダル?

大槻 そう、チェーンじゃなくてペダルが外れるんだよ。モテない暗い冴えない男の子だったんだけれども、映画がすごく大好きで。当時はレンタルビデオなんてなかったけど、その代わり「名画座」っていう古い映画を2~3本立てで安く上映してる映画館がたくさんあったの。学生だったら500円ぐらいで観られたのかなあ。だからお昼代を抜いて、そのペダルが外れる自転車に乗って、都内各地でいろんな映画を観てましたね。暗ーい映画少年でした。その頃好きだったアイドルは薬師丸ひろ子さん。

──その少し後にはおニャン子クラブも登場しますね。

大槻 あー、おニャン子は浪人生時代だったかなあ。

インタビュー風景

佐々木 おニャン子クラブさんは好きでしたか?

大槻 大好きでしたよ。浪人生時代の僕はニート、引きこもりみたいな感じだったのね。そんで「夕やけニャンニャン」を観ることと、コンビニでマンガの「人間交差点」を読むのだけが楽しみだったの。

ももクロ 人間交差点……(メモを取りながら)。

大槻 「人間交差点」はちゃんとメモしておいたほうがいいよ。いずれ、みんなも読むことになるから……。

玉井 おニャン子さんは誰が好きだったんですか?

大槻 僕が好きだったのはね、白石麻子ちゃん。

佐々木 あーはー(笑)。

大槻 知ってるの!?

佐々木 はい(笑)。詳しくは知らないですけど、確かユニットもやられてますよね。

大槻 そうそうそう、ニャンギラスのね……。

有安 全然付いていけないんだけど!

百田 ちょっと佐々木さんホントはいくつ? 25歳なんでしょ?

玉井 今日来てるのはお母さんのほうですか?

佐々木 いえ、今日は彩夏です(笑)。

名画の予感「ももクロ大脱走」

大槻 そうそう、「シロメ」(ももクロ初主演作。映画撮影であることを知らされないまま廃墟に連れられたメンバーが恐怖と戦う様子を描いた異色のフェイクドキュメンタリーホラー)も観たよ。あれは名作ですよ。

ももクロ イヤーッ!!

大槻 あれはアイドル好きの男の子が観たい理想の映画ですよ。ファンは作られた架空の役柄の女の子なんて観たいわけじゃなくて、むしろアイドルの素の表情が観たいわけですよ。そこらへんのファン心理を絶妙に突いていて。あとは、みんな根性あるなーと思った。

インタビュー風景

百田 ホンットにイヤだったんですよ! もう終わりだと思った。真剣に逃げる方法を探してたんですよ、みんなで。

大槻 それ、逃げちゃったらもっと面白い映画になったのに!「ももクロ大脱走」だ。

玉井 目隠ししてバスで来たんで、逃げ道がわかんなかったんですよ。

大槻 バスジャックして逃げ出しちゃえばよかったんだよ。

有安 れにちゃんが免許取ってたらよかったのにー!

高城 あの頃は年齢がまだ……。今度ドッキリにあったらやり返してやりたいよね。

──映画マニアの大槻さんが言ってるんだから、「シロメ」が大名作なのは間違いないですよ。

玉井 「シロメ」大名作、と……(メモを取りながら)。

佐々木 映画少年だったのに、なんでロックミュージシャンになったんですか?

大槻 1970年代後半にYMOっていうバンドが出てきて、1980年代の始めにニューウェイブって音楽が流行したのね。テクノポップとか。80年代ジャパニーズニューウェイブってのは、映画や演劇やデザインをやってる人たちがとりあえずバンドをやる、なんてのも流行った時代なの。僕も映画が好きでマンガを描いたりしてたんだけど「ならばちょっとバンドもやろうかな」って始めたのが、筋肉少女帯。

佐々木 YMO、ニューウェイブ……(メモを取りながら)。

高城 きんにくしょうじょたいってどう書くんですか?

ステージの印象の1/3ぐらい

百田 元々私たちのこと知ってましたか?

大槻 もちろんもちろん。ライブも一度観させてもらってるんですよ。中野サンプラザの夜のほう(2011年4月10日「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」の第2部「早見あかりFINAL そして…」)を。

ももクロ ウソー!!

──メンバー全員がワンワン泣いてるところを観てるわけですね(笑)。

百田 うわー、ヤだー。恥ずかしいよね。

大槻 2階の最前列ド真ん中でね、ナッキー(NARASAKI)と一緒に観てたの。今はね、僕の周りもももクロちゃんのファンは多いですよ。「クイック・ジャパン」なんかでもすごく推してもらってるじゃない? あの雑誌も、銀杏BOYZ、Perfume、神聖かまってちゃんときてももクロに行ったから、すごいところを推すなあって(笑)。いやー、ライブはすごかったよ。感動したね。あと、みんないつかヒザを壊すね。

ももクロ アハハハハハ(笑)。

大槻 でもステージだと大きく見えるよね。目の前で見るとこんなに小さいんだ。ステージの印象の1/3ぐらいに見える(笑)。

インタビュー風景

玉井 よく言われるよねー。「ちっちゃ!」って。私たちみんな、平均よりちっちゃいと思います。

大槻 ももかちゃんが一番ちっちゃいんだよね?

有安 はい。148cmです。

大槻 148かあ。それじゃ女子プロに入れないかもな。

有安 そうなんですか!?

大槻 エスパー伊東さん的コンパクト感だよね。彼は155cmぐらいかな?

百田 あ、私だ。私とおんなじだ。

ニューシングル「労働讃歌」 / 2011年11月23日発売 / スターチャイルド

  • 初回限定盤A [CD+DVD] 1700円(税込) / KICM-91372 / Amazon.co.jp
  • 初回限定盤B [CD+DVD] 1700円(税込) / KICM-91373 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. 労働讃歌
  2. サンタさん
  3. 労働讃歌 (off vocal ver.)
  4. サンタさん (off vocal ver.)
初回限定盤A DVD収録内容
  • 労働讃歌(ビデオクリップ)
初回限定盤B DVD収録内容
  • サンタさん(ビデオクリップ)

通常盤 [CD] 1200円(税込) / KICM-1374 / Amazon.co.jp

収録曲
  1. 労働讃歌
  2. サンタさん
  3. BIONIC CHERRY
  4. 労働讃歌 (off vocal ver.)
  5. サンタさん (off vocal ver.)
  6. BIONIC CHERRY (off vocal ver.)
ももいろクローバーZ(ももいろくろーばーぜっと)

スターダストプロモーションの次世代新人プロジェクト「ももいろクローバー」として2008年に結成。数回のメンバーチェンジを経て、高城れに、百田夏菜子、早見あかり、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果の6人構成となった。
「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。翌2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。
その後スターチャイルドレーベルに移籍し、2010年11月にシングル「ピンキージョーンズ」、2011年3月9日に最新シングル「ミライボウル」を発表した。そして早見あかりが2011年4月10日に行われた中野サンプラザ公演を最後にグループを脱退。このコンサート終了直後に突然「ももいろクローバーZ」へ改名した。
7月6日にはももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を2枚同時にリリースし、7月27日には1stアルバム「バトル アンド ロマンス」を発表。11月23日にはメジャー通算6枚目となるニューシングル「労働讃歌」をリリースする。

大槻ケンヂ(おおつきけんぢ)

1966年2月6日生まれ。1982年、一緒にマンガ家を目指していた内田雄一郎と共に筋肉少女帯を結成。1983年にはKERA(ex. 有頂天 / ケラ&ザ・シンセサイザーズ)が主宰する自主レーベル「ナゴムレコード」よりインディーズデビューを果たし、1988年6月にはTOY'S FACTORYよりメジャー1stアルバム「仏陀L」、シングル「釈迦」を発表した。
メジャーデビュー後はラジオのパーソナリティや小説家、エッセイスト、俳優としても活躍。筋肉少女帯の他にも空手バカボン、特撮、大槻ケンヂと絶望少女達、そしてソロ活動と幅広く活動している。2011年6月には特撮のニューアルバム「5年後の世界」を発表。2012年1月21日にはアルバムリリースツアーの模様を収めたライブDVD「特撮復活ライブ2011! 5年後の世界」が発売される。