LiSA|アタシとキミで 音楽の遊び方を更新していく

ステージを「東京フレンドパーク」にしたかった

──LiSAさんは6月から7月にかけて自身初のアリーナツアー「LiVE is Smile Always ~LiTTLE DEViL PARADE~」を行い、そのツアーファイナルの翌日にはSiM主催の「DEAD POP FESTiVAL 2017」2日目のステージに立つという、強行スケジュールをこなされました。今日はまず、それら一連のライブをご自身で振り返っていただけないかなと。

LiSA

まず、アリーナツアーが終わったあとに気付いたことなんですけど。「アリーナツアーができる」ってすごくないですか?

──すごいです。

えへへへ(笑)。関東以外のアリーナクラスの会場でライブをすることも初めてだったし、全4公演で約5万人のみんなと遊べたっていう事実に、改めて驚いてます。しかも今回は、ツアーを通してあんまりセットリストをいじっていないんですよ。これまでは、例えば横浜アリーナ2DAYSなら2日間ともセトリをガラッと変えなきゃ気が済まなかった(参照:LiSA、横アリ舞台に縦横無尽に遊びまくった“the Sun”&“the Moon”ライブ)。でもこのツアーでは「『LiTTLE DEViL PARADE』というアルバムの世界観を、ちゃんとパレードしてみんなのところに届ける」というコンセプトが自分の中にあったので。そうすることで曲が育っていくし、同じ曲をやってもまったく同じパフォーマンスにはならないんだということを実感しましたね。

──僕は6月25日のさいたまスーパーアリーナ公演を拝見したんですが、驚いたのはアルバム収録曲の中ではポップでダンス寄りな「JUMP!!」や「Peace Beat Beast」といった曲が、ライブでものすごい力を発揮するということで。

そうなんですよ。アルバムはやっぱりライブを強くイメージしていたので。ライブ会場で聴いたときにその曲の印象が一気に変わったり、曲に対する思い入れやイメージがたくさん重なっていったらいいなとか、「あ、こういう遊び方もできるんだ」みたいな発見があってほしいなと思いながら作っていました。特に「Peace Beat Beast」のパフォーマンスでは、サンプラーという新しい武器を導入して。

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──あのドラムセットのようなものですね。一体なんの余興が始まるのかと思いました。

サンプラーって普通はキーボードやパッドを使うんですけど、私はステージを「関口宏の東京フレンドパークII」にしたかったんですよ(笑)。

──なるほど。ありましたね、ああいうアトラクション(笑)。

「あれがやりたい!」ってワガママ言わせてもらいました。「これ、光ったらもっとポップでかわいい……?」と思ったからサンプラーを蛍光テープでぐるぐる巻きにしてもらって、私自身の衣装にも蛍光インクを乗せて。サンプラーを叩くスティックも、普通のドラムスティックじゃなくてお祭りの太鼓バチみたいなものを用意してもらって。私が「フレンドパーク」を観ていたときみたいに、みんなにも「何あれ、超楽しそう!」と思ってもらえていたらうれしいですね。

アリーナツアーはみんなと作っていくライブだった

──その一方で、しっとりと聴かせるアコースティックパートも印象的でした。

楽器の音数が少ないことを利用して、シンプルに歌だけを届けたいと思ったんです。アコースティックパートだけは4公演すべて曲目を変えて、「Little Braver」「Believe in myself」「リングアベル」「無色透明」をそれぞれ歌ったんですけど、それもスリルがあって楽しかったですね。

──そんなアコースティックパートが終わって会場が暗転した次の瞬間、小林幸子ばりの大掛かりな衣装をまとったLiSAさんがステージに屹立していて、そのまま「シルシ」を歌い上げるという演出にも驚かされました。

あの巨大なスカートの上でプロジェクションマッピングをしたくて。実は直前のアコースティックパートは、あの演出が映えるようにみんなに一度ペンライトを消してもらうため設けたものでもあるんですよ。

──なるほど。最小限の照明でアコーティックライブを聴かせるというだけではなく。

そうそう。お誕生日のサプライズを仕掛ける感覚に似ているのかもしれないです。「ちょっとトイレ行ってくるわ」って言って、ローソクを立てたケーキをこっそり用意してくるみたいな(笑)。あれも、私とみんなの信頼関係があるからこそできたことで。次に何が起こるのかわからなくても、みんなとりあえずペンライトを消してくれる。自分の大事な遊び道具をしまうって、すごいことだと思んですよ。ましてや、たまアリだったら約1万6000人の人たち全員が協力して、一時の暗闇と静寂を用意してくれた。

──あの景色は壮観でした。

そういう意味では今回のアリーナツアーはあらかじめ作り込むんじゃなくて、余白がいっぱいあると言うか。みんなと一緒に作っていくライブだったと言えますね。

LiSA

──そのツアーファイナルの会場である愛知県の日本ガイシホールは、岐阜県出身のLiSAさんにとっては特別な場所ですよね?

そうなんです。冒頭のMCで「ここには東海地区の人がいっぱいいるでしょ? うちのバンドメンバーは東海出身じゃないからここのすごさがよくわかってないけど、私たちにとっては日本武道館みたいなもんだよね?」と煽ったら、みんなめちゃくちゃ反応してくれました。「お前らわかってるな!」みたいな(笑)。そこから「今日は私たちの夢の叶う日です」とライブを始めたんですけど、本編ラストで歌った「TODAY」のフレーズ「僕は今、描いたあの頃の夢に立って」が、私もう歌えなくて(笑)。

──まさにあの日、歌詞の通りの状況になったと。

はい。この日のために書いたわけじゃなかったのに。でもあのフレーズがグッときたのは絶対ガイシだからだし、みんなの気持ちが1つになった、特別なファイナルになりましたね。

LiSA「だってアタシのヒーロー。」
2017年8月2日発売 / SACRA MUSIC
LiSA「だってアタシのヒーロー。」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD+ブックレット]
1728円 / VVCL-1067~8

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LiSA「だってアタシのヒーロー。」通常盤

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LiSA「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」
  • 2017年9月24日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2017年9月30日(土)長野県 ホクト文化ホール
  • 2017年10月1日(日)石川県 本多の森ホール
  • 2017年10月7日(土)岐阜県 長良川国際会議場
  • 2017年10月9日(月・祝)静岡県 静岡市民文化会館
  • 2017年10月15日(日)神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
  • 2017年10月21日(土)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
  • 2017年10月28日(土)栃木県 栃木県総合文化センター
  • 2017年11月3日(金・祝)香川県 サンポートホール高松
  • 2017年11月9日(木)東京都 中野サンプラザホール
  • 2017年11月18日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2017年11月19日(日)福岡県 福岡サンパレス
  • 2017年11月24日(金)北海道 わくわくホリデーホール
LiSA(リサ)
LiSA
6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立。5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」をリリースし、7月に通算12枚目のシングル「だってアタシのヒーロー。 」を発表した。