LiSA|アタシとキミで 音楽の遊び方を更新していく

だって、彼女は私のヒーローだから

──それにしても、「だってアタシのヒーロー。」という曲名は「だって」がめちゃくちゃ効いてますよね。

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そう! そうなんです! この曲は応援歌なんですけど、私は「がんばれ」とか「絶対大丈夫」という言葉が、どうしても人に言えなくて……でも、「キミは大丈夫」という確信はある。その根拠はどこにあるんだろうと考えたときに、それは私が「キミの味方だから」なんだって思ったんです。そこから「だって、私のヒーローだから」って言葉を思い付いたときは、天才だと思った(笑)。

──そのくらい誇っていいところだと思います。

ありがとうございます(笑)。例えば私はアヴリル・ラヴィーンが大好きなんですけど、彼女がこれからどんな音楽をやってもずっと変わらず好きだし、CDも買い続けると思うんです。だって、彼女は私のヒーローだから。アヴリルがいたから私はロックをやろうと思ったし、その先で大好きな人やものにたくさん出会えた。その感謝はきっとなくならないし、だから私は彼女の味方でい続けられるんですよね。

──なるほど。

私がこの曲の2番で言いたかった「どんなに世界が わからず屋ばっかでも アタシはキミという わからず屋の味方」というところにもつながるんですけど。私自身、そうやって味方になってくれる人に助けられてきたし、母をはじめ私のことを信じてくれてる人がいたから、失敗しても、何があっても大丈夫だったんだなって。

夏になると、切ない歌詞を書きたくなる

──カップリング1曲目の「sweet friendship」は表題曲と同様に爽やかではありますが、ちょっとセンチメンタルなギターロック。こちらでは、なかなか甘酸っぱいことを歌ってらっしゃいますよね。

あはは(笑)。なんか夏になると、切ない歌詞を書きたくなるんですよ。夏ってみんな浮かれて楽しそうじゃないですか。でも私は、不安症と言ったら大げさなんですけど、幸せを感じると同時に不安が襲ってくるんです。つい「この幸せな時間もどうせ終わるんだよな」と考えてしまって、その瞬間を浮かれた状態で受け止められないというか。

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──それは、シングル「Catch the Moment」の歌詞の発想にもつながりますね(参照:LiSA「Catch the Moment」インタビュー)。

はい。その幸せな一瞬一瞬を大事にすることが、自分の気持ちの救い方なんだなって。でも、そうは言ってもきれいさっぱり不安を拭えるものでもないし、一方で切ない気持ちも大事にしていたい。それを歌にしました。

──友達関係にある異性に対して恋心を抱いてしまったかもしれない主人公が、その思いを伝えるか否か、逡巡するという歌詞ですよね。でも主人公は「たった1秒先の未来もキミといれるなら」と思い、最終的には「今にも飛び出しそうな勇気を飲み込んだ」、結末を保留にします。

そうそう。でも、おっしゃる通り保留であって、答えを出すのは“今”じゃないってことなんですよね。と言うより結果は必ずしも重要ではなくて、この曲はあくまで“恋心を抱いてしまった自分の歌”なんです。結果はどうあれ、思いを口にしたが最後、もう友達には戻れないし。それ以前に、恋心を抱いてしまった時点で友達とも恋人とも違う曖昧な距離感が生まれてしまう。だから私は、いろいろ考えちゃうんですよね。

高校時代からのヒーロー・Jose作曲のメロディックパンク

──続いてカップリング2曲目の「Sailor Spark Operation!」は、TOTALFATのJoseさん作曲の、ド直球なメロディックパンク。TOTALFATはNOFXなど西海岸のメロコアバンドに影響を受けていますから、音楽的なルーツはかなりLiSAさんと近いですよね。

そうですね。Joseさんもずっと曲を書きたいと言ってくれていて、今回ようやく実現しました。Joseさんは私と同じ岐阜の人なんですよ。だからって言うわけじゃないんですけど、私が高校生のときからJoseさんはヒーローだったし、TOTALFATが名古屋でライブをするときは当時のバンド仲間たちと当たり前のように「よっしゃ、観にいこうぜ!」ってなるくらい、みんなが憧れてたんです。で、ちょうど夏のリリースだし、「TOTALFATを聴かずして夏は来ないな」みたいな(笑)。

──おっしゃる通り、田淵智也さん(UNISON SQUARE GARDEN)のアッパーな歌詞も相まって、これでもかというくらい夏を感じさせます。

Joseさんの曲はどっちかというと洋楽的なので、それを邦楽ロックとして聴かせられる歌詞を書いてくれる人は誰だろうと思ったときに、やっぱり田淵先輩だったんです。そこからJoseさんが信頼を寄せているPABLOさんに編曲してもらって、TOTALFAT的な音をもう少しLiSAに寄せてもらうという作業をしました。

──ギターの音色やスネアの抜け、あるいは2番のあのベースラインとか、絶妙ですよね。汗だくになって聴きたい曲だと思います。

さすがPABLO先輩ですよね。ホントに私が聴いてきた音っていう感じなので、ライブでやるのがめっちゃ楽しみで。ちなみにTOTALFAT先輩には「だってアタシのヒーロー。」のMVにも出演してもらいました。この曲はJoseさんの作曲ではないんですけど、「ここでヒーロー出てこなきゃダメでしょ?」ってゴリ押しして。私にとってのパンクロックヒーローはやっぱり彼らなので。

LiSA「だってアタシのヒーロー。」
2017年8月2日発売 / SACRA MUSIC
LiSA「だってアタシのヒーロー。」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD+ブックレット]
1728円 / VVCL-1067~8

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LiSA「だってアタシのヒーロー。」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1069

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LiSA「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」
  • 2017年9月24日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2017年9月30日(土)長野県 ホクト文化ホール
  • 2017年10月1日(日)石川県 本多の森ホール
  • 2017年10月7日(土)岐阜県 長良川国際会議場
  • 2017年10月9日(月・祝)静岡県 静岡市民文化会館
  • 2017年10月15日(日)神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
  • 2017年10月21日(土)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
  • 2017年10月28日(土)栃木県 栃木県総合文化センター
  • 2017年11月3日(金・祝)香川県 サンポートホール高松
  • 2017年11月9日(木)東京都 中野サンプラザホール
  • 2017年11月18日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2017年11月19日(日)福岡県 福岡サンパレス
  • 2017年11月24日(金)北海道 わくわくホリデーホール
LiSA(リサ)
LiSA
6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立。5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」をリリースし、7月に通算12枚目のシングル「だってアタシのヒーロー。 」を発表した。