そしてパレードは続く
──アルバム曲に話を戻すと、ラストを飾る田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)さん作詞・作曲、東京スカパラダイスオーケストラ編曲の「そしてパレードは続く」が、また心憎い。
田淵先輩とスカパラ先輩という人生のダブル先輩が、「遊びつくせ」とおっしゃっております(笑)。
──ははは(笑)。歌詞にある「今を楽しもう」とか「きっとこの先もまだワクワクできるから」って、まんまLiSAさんの言葉ですよね。でも、それを書いてるのは田淵さん。
もう先輩にはね、LiSAが乗り移ってるから。いや、逆かもしれない。先輩がLiSAに乗り移ってるのかも。
──それはマズくないですか、アイデンティティ的に。
あははは(笑)。いやでも、私たちは先人の影響を受けて生きてるわけじゃないですか。それは音楽的にもそうだし、考え方にしてもそうだし。だから私も自分の先にいる、なんでも楽しんでいける先輩に倣っているところはたくさんあります。
──ミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」の最後の曲のタイトルは「終わらない冒険」で、その歌詞は「終わらない小さな冒険 続け!」と、いわば願いのようなニュアンスが強かったと思うんです。一方、「そしてパレードは続く」は、「続くって言ったら続くんだ 僕が保証するから続くんだ」 と断言していますね。
はい。やっぱり、それも自分を認められたっていうのが一番大きいと思います。あと、「LiTTLE DEViL PARADE」って、自分の中では覚悟のアルバムなんです。つまり「私は私なんだ」みたいな覚悟がそうさせてるんでしょうね。
100年後に生きる人に、LiSAの歌は届くか
──では、そのパレードが「続く」先に、LiSAさんは何を見ていますか?
すごく漠然としているんですけど、「何かを残していかなきゃ」っていう気持ちになってますね。今はみんな私の歌を聴いてくれているけど、「じゃあ10年後に同じ距離感で接してもらえるだろうか」、さらに飛んで「これから生まれてくる子供たちや、100年後に生きる人たちに私の歌は届くだろうか」って思うと、そのためには何が必要なのか、考えなきゃいけないなって。
──「YAEVA MUSiC」を立ち上げたのも、その一環ですか?
そうですね。とは言え、今はまだ「YAEVA」で何をするか、明確なプランがあるわけじゃなくて、とにかく自分がやりたいことを自由にできる場所を1つ確保したかったんです。私はメジャーレーベルに所属して、その枠組みの中で活動してきて、もちろんそれに対して満足も感謝もしてるんですけど、一方で、たまには枠からはみ出したこともやってみたい。ホントに具体的なことはまだ決まってないし、逆に言えばやりたいことだらけなんですけど、音楽に限らず、例えば私が経験してきたことをより直接的に伝えたりだとか、シンガーとしてのLiSAだけじゃできなかったこともできたらいいなって。
目指せ、自由な30代の人
──最初の話に戻りますけど、「LiSA」名義でソロデビューしてから3年で武道館のステージに立って、会場のキャパだけがすべてではないとは言え、そこから先もより上のステージを目指して戦い続けてきたわけですよね。
はい。
──しかも、1人の女性として30歳という節目を迎えようとしている。そりゃあ、いろいろ考えちゃいますよね。
めちゃめちゃ悩みましたね、去年1年くらいは。すごく幸せな環境で音楽をやらせてもらって、次々に夢が叶えられていったからこそ「あれ? 次は何をやればいいんだっけ?」みたいな。そこへ30歳がやってくるってなると、「じゃあ今しかできないことってなんだろう?」とか「このまま続けるべきなのか、変わっていくべきなのか?」とか余計に混乱しちゃって。で、たぶん「変わらない」という選択をしていたら、私は迷わず「Launcher」と同じようなアルバムを作ってたと思うんですよ。
──なるほど。
でも、自分はやっぱり変わっていくし、成長もしなきゃいけない。だから、LiSAとして求められてることだけをやり続けるわけにはいかない。ただ、私には今一緒にいるみんなを幸せにする責任があるとも思うので、そこだけは変わらない。そうやって気持ちを整理して、素直に音楽と向き合ってみたらこういうアルバムができて、そしたらとっても楽になりました。
──それが「そしてパレードは続く」のバカ明るい感じで終わるって、最高じゃないですか。
やっぱり最終的に自分のパレード=人生を楽しめるような、「今日もいい日だっ」という気持ちにつながるアルバムにしたかったので、いいエンディングになったと思います。まあ、エンディングっていうのは、歌詞にもある通り「便宜上」なんですけど(笑)。
──あとは、LiSAさん自身がより楽に生きられることを願うばかりですね。もう十分いろいろ背負って走られたでしょう?
あははは(笑)。なんか、私は長女なんで、変に責任感ばっかり強くて、そのくせ人に認められたいっていう気持ちがそれ以上に強かったから、「みんなが好いてくれる自分でいなきゃ」ってずっと気を張ってたところがあるんです。でも、それも壊せた気がしますね。
──ちょうどアリーナツアーの最中の6月24日に誕生日を迎えられますし、そのアリーナツアーという山を越えたら、それこそ「YAEVA」で好きなことをやる、自由な30代の人になれますように。
いいですね、自由な30代の人。それ、目指します。
- LiSA「LiTTLE DEViL PARADE」
- 2017年5月24日発売/ SACRA MUSIC
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Blu-ray付き初回限定盤 [CD+Blu-ray Disc]
4104円 / VVCL-1040~1 -
DVD付き初回限定盤 [CD+DVD]
3780円 / VVCL-1042~3 -
通常盤 [CD]
3240円 / VVCL-1044 -
完全生産限定盤 [CD+Blu-ray+ラバーブレス]
5400円 / VVCL-1045~7
- CD収録曲
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- LiTTLE DEViL PARADE
[作詞:LiSA / 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?] - Catch the Moment
[作詞:LiSA / 作曲:田淵智也 / 編曲:江口亮] - LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~」
[作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:江口亮] - the end of my world
[作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:堀江晶太] - JUMP!!
[作詞:古屋真 / 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)] - 狼とミサンガ
[作詞:LiSA / 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)] - Rally Go Round
[作詞:LiSA、古屋真 / 作曲:じん / 編曲:akkin] - Empty MERMAiD
[作詞:LiSA / 作曲:YOOKEY(THE MUSMUS) / 編曲:akkin] - Peace Beat Beast
[作詞:古屋真 / 作曲:南田健吾 / 編曲:江口亮] - Blue Moon
[作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:akkin] - Brave Freak Out
[作詞:田淵智也 / 作曲・編曲:高橋浩一郎] - TODAY
[作詞:LiSA / 作曲:小南泰葉 / 編曲:akkin] - そしてパレードは続く
[作詞・作曲:田淵智也 / 演奏・編曲:東京スカパラダイスオーケストラ / ホーンアレンジ:北原雅彦]
- LiTTLE DEViL PARADE
- DVD / Blu-ray収録内容
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- LiTTLE DEViL PARADE -Music Clip-
- Catch the Moment -Music Clip-
- Brave Freak Out -Music Clip-
- Hi FiVE! -Music Clip-
- 完全生産限定盤 Blu-ray収録内容
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- LiTTLE DEViL PARADE -Music Clip-
- Catch the Moment -Music Clip-
- Brave Freak Out -Music Clip-
- Hi FiVE! -Music Clip-
- TODAY in L.A.the movie
- LiSA「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」
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- 2017年9月24日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
- 2017年9月30日(土)長野県 ホクト文化ホール
- 2017年10月1日(日)石川県 本多の森ホール
- 2017年10月7日(土)岐阜県 長良川国際会議場
- 2017年10月9日(月・祝)静岡県 静岡市民文化会館
- 2017年10月15日(日)神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
- 2017年10月21日(土)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
- 2017年10月28日(土)栃木県 栃木県総合文化センター
- 2017年11月3日(金・祝)香川県 サンポートホール高松
- 2017年11月9日(木)東京都 中野サンプラザホール
- 2017年11月18日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
- 2017年11月19日(日)福岡県 福岡サンパレス
- 2017年11月24日(金)北海道 わくわくホリデーホール
- LiSA(リサ)
- 6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立。5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」をリリースした。9~11月にはアルバムを携えてのライブツアー「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」を行う。