LEO今井「VLP」特集 PR

LEO今井×森山洋監督|「メガロボクス」主題歌引き金に完成させたアルバムの全容

LEO今井が、ソロ名義としては約5年ぶりの新作アルバム「VLP」を7月11日にリリースした。

本作にはTBSほかで放送のアニメ「メガロボクス」のオープニングテーマ「Bite」を含む全10曲が収録されている。LEOは本作について「『Bite』がなかったらアルバムを作ってなかったかもしれない」と、「メガロボクス」および主題歌についての監督からのリクエストに大きく影響されたと話している。

アルバムの完成を記念して、音楽ナタリーではLEOと「メガロボクス」の監督・森山洋の対談を実施。「Bite」の制作についてはもちろん、共通しているという互いの音楽的ルーツについてもたっぷりと語り合ってもらった。

取材・文 / 北野創 撮影 / 須田卓馬

LEO今井の声だったらハマると直感

──LEO今井さんが担当した「メガロボクス」のオープニングテーマ「Bite」は作品の世界観にマッチした楽曲として話題になりましたが、森山監督はどのような経緯でLEOさんにテーマ曲をお願いしたのですか?

森山洋監督 オープニングテーマは作品を作ってるチームで相談して決めたんですが、イメージに合う方がなかなか思い付かなくて、「どうしよう?」って考えていた時期が長かったんですよ。そんなときに打ち合わせでLEOさんの名前がポッと出て。僕は以前からLEOさんの音楽を聴かせていただいてたので、その瞬間にLEOさんの歌声であればイメージにハマると直感したんです。そこから即決でLEOさんに連絡を取らせていただきました。

LEO今井 ありがとうございました。そのときは本当に励みになりました。

森山 いえいえ、とんでもないです。そう言っていただけるとうれしいです。

──LEOさんがアニメの主題歌を担当するのは今回が初めてですよね。

今井 はい。なので「自分で大丈夫かな?」と思いました(笑)。打ち合わせのときは、まだ映像があまりできあがっていなかったので、物語のあらすじとか登場人物の性格といったものを説明いただいたんです。そのときに、監督がイメージする音楽のサンプルをたくさん用意してくれて、内容はけっこうバラバラだったんですけど、それで全体的な世界観をなんとなくつかむことができて。

森山 そうそう、いろいろ聴いていただきました。

今井 自分の中ではKilling JokeとLynyrd Skynyrdが合体したような……要はアメリカ南部の砂漠っぽくて暑苦しい感じのロックに、近未来的でインダストリアルな要素、ダークでゴシックなSFみたいなイメージが浮かんだんです。その話の前に作った「On Videotape」という曲でそういう雰囲気を追求してたから、偶然リンクしたんですね。だからすごくインスパイアされて、帰ってすぐに曲を書き始めました。そこから自分の創作欲に火がついて、「Bite」ができたことによってニューアルバムの全体像が見えてきたから……今回のリクエストがなかったらアルバムを作ってなかったかもしれない。

森山 そんな恐れ多い(笑)。

今井 でも、強い引き金になりましたね。

お題は“荒野の地面の底から鳴っているような音”

──そのときに監督が提示した楽曲はどんなものだったのでしょう?

今井 Lynyrd Skynyrdそのものではなかったんですけど、私はJames Gangの曲が一番ピンときたんですよ。ほかにもブレイクビーツや1990年代のテクノみたいな曲とかいろいろあって、その組み合わせが自分の思い描いているもののテイストと近く感じたんです。だから自分の作った曲でもこのアニメ作品になら合うんじゃないかと思って、イメージが湧いたんです。

森山 そのときは僕の中に具体的な音のイメージがまだできあがってなかったので、とにかくやりたい雰囲気だけを伝えたくて、イメージに合致する音楽を集めたんです。結果、ジャンルはバラバラだけど、どこかに共通するトーンがあって。

LEO今井

今井 そこに私は共感できましたね。

森山 それと「レポマン」(1984年公開のSF映画)みたいな映像にしたいというお話もしましたよね。あの映画は少しイカれてるところがあるんですけど(笑)。

今井 それもいいヒントになりました。アメリカのド田舎の砂漠みたいなところが舞台で、でも近未来感があって……「マッドマックス」(1979年公開のアクション映画)とは違って、もっと地味な世界なんですよね。私もアメリカの片田舎をイメージできるような音楽が好きなので、そういうお話から世界観を理解できた気がしました。

森山 そうそう。僕はアメリカに行ったことはないんですけど、そういう場所を舞台にした映画を観るのが好きで。アメリカにはものすごくだだっ広い荒野とか、日本では撮れないような風景があるじゃないですか。そういう荒野の風景と日本の街をミックスした世界を作りたかったんです。

今井 わかります。私もアメリカはディズニーワールドぐらいしか行ったことがないんですけど(笑)。

──そういうアメリカの荒野への憧れや幻想みたいなものが、お二人のインスピレーションの源泉としてあるんでしょうね。実際に打ち合わせで直接話してみて、お互いにセンスの近さを感じたのでは?

森山 僕は感じましたね。LEOさんは僕の描きたいイメージを受け取るのが早くて、すぐに「なるほど」ってわかってくださる。打ち合わせのときはまだ第1話を作っていたところだったので、具体的な何かを見せるよりも、寄せ集めのイメージを見ていただいたほうが伝わるんじゃないかと思って。

今井 確かに私はアニメに詳しいわけじゃないので、絵を見てもわからないだろうし、映画や音楽を例に出していただいたほうがわかりやすいですね。

森山 僕はもともと絵描きなので、映像を作る際はストーリーよりも「こういう絵を作りたい」というところから発想する人間なんです。なので今回も具体的な音楽のイメージはなかったんですけど、なんとなく狂犬みたいな犬が荒野を走ってる映像を作りたいと思っていて。それでとにかく「作品の頭には“荒野の地面の底から鳴っているような音”が欲しいです」とお伝えしたんです。本当に漠然としすぎてるんですけど(笑)、それをきちんと受け取ってもらえたんですよ。

これまでのLEO今井の音楽とは違う「Bite」に驚き

──監督は完成した曲を聴いていかがでしたか?

森山 正直どんなものが上がってくるのか想像もできなかったので、これまでのLEOさんの楽曲みたいなものをイメージしてたんですけど、「Bite」はそれと全然違うものだったので……。

今井 あれ?(笑)

森山洋監督

森山 もちろんいい意味ですよ(笑)。だから最初に聴いたときはうまく飲み込めなかったんです。でも、詞と曲をリンクさせながら何回も聴いてるうちに、自然とハマっていく感じがあって、1時間ぐらい聴き込んだら自分が頭の中で思い描いていた絵と曲がシンクロしたので「イケる!」と思いましたね。

──確かにこれまでのLEOさんの楽曲よりもアグレッシブな印象を受けました。

今井 そうですね。楽曲のスタイルに関しては、先ほど話した「On Videotape」という曲の延長にあるもので、リフをベースにした馬力のあるアルバムを作りたいと漠然と思ってたんですよ。要は2012年から一緒にライブをやってる今のバンドメンバーとの一体感が増して、すごくいい感じになってきているので、次はそれを存分に生かしたアルバムを作りたいと。ただ、新作を作るときはいつも歌詞に困るんですよ。何について書けばいいのか思い付かなくて「はー、歌詞か……」ってなるんですけど(笑)、今回は森山さんのおかげで題材が1つできて「Bite」の歌詞が書けたから、もうちょっと書けるかなと思いました。

──この曲の歌詞は「メガロボクス」に寄せた内容ですものね。

今井 最初は主人公の気持ちからスタートしたんですけど、書いていくうちにだんだんと一言ひとことが自分自身の状況にも当てはまるなと思うようになって。そもそも歌詞は「アニメのストーリーには合わせなくていい」というお話だったんですけど、何か題材があったほうが詞を書きやすいです。

LEO今井「VLP」
2018年7月11日発売 / 日本コロムビア
LEO今井「VLP」

[CD]
3240円 / COCP-40400

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収録曲
  1. Wino
  2. Bite
  3. Fresh Horses
  4. Tiffany
  5. Sarigenai
  6. New Roses
  7. On Videotape
  8. Real
  9. Car Alarm
  10. Need To Leave
アニメ「メガロボクス」Blu-ray BOX
株式会社バンダイナムコアーツ
「メガロボクス」Blu-ray BOX 1 特装限定版

2018年7月27日発売
Blu-ray BOX 1 特装限定版
14040円 / BCXA-1372

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収録内容
  • ROUND1~ROUND4(4話収録)
アーティスト名「メガロボクス」通常盤

2018年9月26日発売
Blu-ray BOX 2 特装限定版
14040円 / BCXA-1373

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収録内容
  • ROUND5~ROUND9(5話収録)
アーティスト名「メガロボクス」初回限定盤

2018年11月22日発売
Blu-ray BOX 3 特装限定版
14040円 / BCXA-1374

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収録内容
  • ROUND10~ROUND FINAL(4話収録)
公演情報
LEO今井「VLParty(a release party)」
  • 2018年7月16日(月・祝)大阪府 CONPASS
  • 2018年7月19日(木)東京都 新代田FEVER
メガロボクス presents
「メガロニア in SHIBUYA WWW」
  • 2018年8月6日(月)東京都 WWW出演者 LEO IMAI(LEO今井、岡村夏彦、シゲクニ、白根賢一) / NakamuraEmi(NakamuraEmi、カワムラヒロシ、朝光介[カサリンチュ]) / mabanua
LEO今井(レオイマイ)
LEO今井
1981年に東京にて、日本人の父親とスウェーデン人の母親との間に生まれる。日本語、英語が堪能なほか、スウェーデン語、フランス語も話すことができるマルチリンガルアーティスト。幼少期をロンドンで過ごし、高校生の頃に一時帰国した後、再び大学進学のためにロンドンに戻る。オックスフォード大学大学院在籍中に、日本でアーティスト活動を行うため来日。2006年9月にデビューアルバム「CITY FOLK」をインディーズレーベルから発表した。洋楽とも邦楽とも区別の付かない独特のポップサウンド、英語と日本語を絶妙に組み合わせたユニークな詞世界が特徴。2007年11月にシングル「Blue Technique」でメジャーデビューし、2008年1月には向井秀徳(ZAZEN BOYS)と吉田一郎(ex. ZAZEN BOYS)を迎えた2ndシングル「Metro」を発表。2010年に向井とのユニットKIMONOSを結成。アルバム「KIMONOS」を発売し話題を呼んだ。2013年6月、前作から約4年ぶりとなるアルバム「Made From Nothing」をリリースした。2018年1月に初のアナログ7inchシングル「On Videotape / Stumbling」を発表。7月にテレビアニメ「メガロボクス」のオープニングテーマ「Bite」を含むオリジナルアルバム「VLP」をリリースした。
森山洋(モリヤマヨウ)
「進撃の巨人」ビジュアルコンセプトや映画「ルパン三世」シリーズのプロップデザインなどを経て、2018年にテレビアニメ「メガロボクス」で初の監督を務める。