音楽ナタリー Power Push - 清春

「本当に音楽が好きな人に届けたい」 新たな布陣で臨んだ3年ぶりソロ作

曲を作るときに絶対に妥協してない

──今回曲が一番大事だというお話ですが、歌詞もとてもいい。ラブソングのようだけど、同時にファンの人に向けた内容でもある。

清春

そうですね。うん。音楽はチャレンジしていきたいんですけど、歌詞は聴いてる人に向けて歌いたいと思ってます。

──歌詞は、誰に向かって歌うか想定しながら書くわけですか。

ライブで歌ってる景色を思い浮かべてますね。泣いてる子とか、うれしそうにしてる子とか。

──今回は特に「旅」という言葉がよく出てきますね。

そうですね。

──これはつまりツアーのことを指しているわけですか。

そうですね。ツアーもそうだし、(ファンの人たちが)今まで僕に出会ってもらってから続いている、長い旅でもあると思うんです。その人たちがいなくならない限り旅は続く。音楽を通じての、その人と僕の1対1の旅。

──清春さんの長年のファンは、こういう歌詞を清春さんとファンの関係性を歌ったものと解釈するかもしれない。でもそうじゃない一般のリスナーは普通の素敵なラブソングと受け取るかもしれない。聴く人の置かれている状況に応じていろんな読み方ができる。今作はそういう作品だと思います。

そうですね。それはうれしいです。最初の頃って、自分の彼女とか親とかプライベートなことを書いてファンの人が共感してくれた。でも今はファンの人たちに書いたことが、ファンじゃない人たちにも響く。それが長くやってる、長くなりそうな者としては理想だと思います。そういう私的なものが広くいろんな人の心に響くというのはね。

──わかります。

たぶんうちの家族よりファンの人たちのほうが僕の音楽に対して熱心ですからね(笑)。よく知らないファンの人たちの人生がいっぱいあるわけですよ。それに興味があるんです。普段どんな仕事をしていてどんな生活をしてるんだろう、普段何があるからライブで泣いちゃうんだろう、とか。きっと僕たちアーティストが思うことよりもリアルな人生がそこにあるんだろうなと思います。

──聴き手それぞれにいろんな生活や人生や感情があって、それぞれにうまくハマる歌詞ってことですね。優れたポピュラーソングの歌詞ってそういうものだと思うんですよ。「これは私のことを歌ってるんだ」と思わせる。

そうですね。僕、本もあまり読まないですし、文学的なこともわからない。難しい言い回しも知らない。ただ、今、目の前にあることだけを歌ってるんですけど、それが聴き手に響いているならうれしいですね。

──ツアーのあとにCDが出るのは変則的ではあるけど、むしろツアーが終わって寂しい気持ちを埋めてくれるようなアルバムになっている気がします。

そうですね。今回みたいな小規模なツアーはこれでいいと思うんです。大きなツアーをやってキャパを増やしたいと思うときにアルバムが必要なんですけど、それってプロモーション的な動きなんで。ライブに来てアルバムを買いたくなるっていうのが、本当はいいんじゃないですかね。

──今作も、親密感があるというか、距離が近い感じのコミュニケーションのアルバムなんで、ツアーの規模にも見合っている。

うん。アルバム出すたびに大きくなりたいなんて、さらさら思ってないんですよ。理解されたいとは思ってるんですけど。理解というか、正当な評価をされるようなアーティストにはなりたいと思うんですけど。そりゃ間違ってヒットして動員が爆発的に増えればうれしいでしょうけど、でもここにいるファンの人たちはだませない。一番厳しいから。僕は曲を作るときに絶対に妥協してない。前の曲よりもいいものになってる自信がある。そこはファンの人はシビアに見てると思いますよ、すごく目が肥えてるから。ちょっと変なことやるとすぐライブに来なくなる。そういう緊張感と覚悟を持って音楽をやってるつもりです。

ニューアルバム「SOLOIST」/ 2016年3月30日発売 / Warner Music Japan
初回限定盤 [CD+DVD] / 4860円 / WPZL-31150~1
通常盤 [CD] / 3240円 / WPCL-12327
CD収録曲
  1. ナザリー
  2. 夢心地メロディー
  3. EDEN
  4. DIARY
  5. ロラ
  6. 瑠璃色
  7. FUGITIVE
  8. MELLOW
  9. MOMENT
  10. QUIET LIFE
  11. 海岸線
  12. メゾピアノ
  13. 麗しき日々よ
初回限定盤DVD収録内容
SOLOIST special film
  1. 海岸線 Music Video Spot
  2. ロラ Music Video -Full Version-
  3. EDEN Music Video Spot
  4. ナザリー Music Video -Full Version-
  5. DIARY Music Video Spot
  6. MOMENT Music Video -Full Version-
  7. 夢心地メロディー Music Video -Full Version-
  8. 瑠璃色 Music VIdeo -Full Version-
  9. メゾピアノ Music VIdeo Spot
New Album「SOLOIST」発売記念イベント

2016年4月2日(土)
東京都 東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
START 14:00~
内容:トーク&握手会

2016年4月3日(日)
大阪府 もりのみやキューズモールBASE 1F BASEパーク
START 14:00~
内容:FM OSAKA「BUZZ ROCK」公開録音&握手会

※いずれも観覧フリー

清春(キヨハル)
清春

1968年生まれ、岐阜県出身。1991年にロックバンド・黒夢を結成し、ハードかつグラマラスなサウンドで人気を集める。1994年にメジャーデビューを果たし、1999年に活動停止。その後自身のレーベルを立ち上げ新バンド・sadsを率いて活動を行う。2003年からはソロ活動を開始。2010年には黒夢とsadsを再開させ、ソロと並行して精力的な活動を展開している。2015年2月から11月にかけては、全34日間68公演にわたるソロライブ「MONTHLY PLUGLESS LIMITED 2015 MARDI GRAS KIYOHARU Livin'in Mt.RAINIER HALL」を行った。2016年3月に約3年ぶりのソロアルバム「SOLOIST」をリリースする。