ナタリー SuperPowerPush - 神聖かまってちゃん
ニューアルバム「楽しいね」総力特集
メンバーはあくまで友達
──「楽しいね」というアルバムタイトルはどこから?
実はこれちばぎんが考えたんすよ。俺は最初のタイトルは「お薬ください」にしてた。
──うーん(笑)。
そしたらワーナーの人が「すみません、それはちょっと……」って言うんで、じゃあ別のを考えようかってことで。
──「つまんね」と「みんな死ね」に続く「~ね」縛りという意識もありました?
はい。そこにこだわってみんなで1つずつ順番にタイトルを挙げてって。そしたらちばぎんがふと「楽しいね」って言ったんです。それがピッと来て「なかなかいいんじゃない?」って。
──そのタイトルの話もそうですが、昔に比べるとの子さんがメンバーを信頼して任せている部分が大きくなってるように見えます。
ああー、僕が精神的に落ちてたりして、なんかやばかった時期があったんですよね。テレビもつけず、ネットもつけず、完全に孤独の中に身を置いたりしてたんですけど、そういうときにメンバーが代わりに配信をやって補ってくれたりっていうのは、まあありましたね。
──そういうときは「代わりにやってくれ」って話したりするわけじゃなく?
そこはお互い話さずとも……要するに一緒に戦場で戦ってるような感じっつうか。まあ友達なんで。
──メンバー3人はの子さんにとって友達なんですね。
俺はあくまで友達だと思ってます。音楽をやる仲間だとは思いたくない。友達のままにしておきたい。
──どういうことでしょう?
俺はやっぱり1人でいたいんです。なんというか神聖かまってちゃんは俺のもので、それだけは絶対に変わらないんです。俺がアップするデモこそが一番純粋で情熱が詰まってるもので、それが一番価値のあるもので。だから親父と録ったPVに詰まってる純粋さと情熱に勝るものはないです。100億円もらってもそこは譲れないっつうか。
──でも、の子さんにとって最も価値のあるのが自分1人で作ったデモなんだとしたら、じゃあバンドで演奏する意義はどこにあるんでしょうか。
俺はこの4人は音楽団体だと思ってないですから。音楽はサポートメンバーと作ってて、あいつらは友達で。なんというか……なんなんですかね。「神聖かまってちゃん」っていう団体だって思ってます(笑)。
「世界仰天ニュース」がマジで面白い
──神聖かまってちゃんは結成以来ネット主体で活動しているわけですが、ところでの子さんは今、テレビというメディアについてはどう思ってるんですか?
テレビは観ないですね。俺「世界仰天ニュース」しか観てない(笑)。「世界仰天ニュース」はマジで面白いと思います。「世界仰天ニュース」だけは今テレビで唯一面白いと思います。
──でもかまってちゃんも音楽番組には何度か出演してますよね。
自分を出してくれる番組はやっぱりありがたいです。そこはすごいメリットを感じてます。まあ出たいですわ。出してくださいよ、本当に。なんなんだよ。あとアニメとかもっと来いよって。
──それはアニメの主題歌を担当したいとかそういうこと?
そうです。やっぱりアニメの爆発力はデカいです。
──「Animelo Summer Live 2011」では、さいたまスーパーアリーナのステージにも立ちましたしね。
あれはよかったです。自分はデカいステージが似合う人間だなっていうのを確信しました。やっぱり燃えますもん。俺はやっぱりなんか、情熱にあふれてると思うんです。自分で言うのもなんですけど。
CD収録曲
- 知恵ちゃんの聖書
- 仲間を探したい
- 友達なんていらない死ね
- コンクリートの向こう側へ
- ベルセウスの空
- 雨宮せつな
- 2年
- らんっ!
- 鳥みたくあるいてこっ
- 花ちゃんはリスかっ!
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)
の子(Vo, G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。
2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」を発表した後、ワーナーミュージック・ジャパンと契約し、2010年12月にメジャーレーベルのワーナーから「つまんね」、インディーズレーベルのPERFECT MUSICから「みんな死ね」という2枚のアルバムを同時リリースした。
2011年4月にはバンド史上最大規模の会場となる両国国技館ワンマンライブを行う予定だったが、東日本大震災の影響により中止に。これを受け、4月から6月にかけて全国8都市を回るフリーライブツアーを敢行した。2012年 11月にはメジャー3作目となるアルバム「楽しいね」をリリース。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続け ている。
2012年11月21日更新