ナタリー SuperPowerPush - 神聖かまってちゃん

ニューアルバム「楽しいね」総力特集

みさこインタビュー

総合的にはいいことばっかりだった

──この3年間でかまってちゃんを取り巻く状況はずいぶん変わったと思いますが、実感はありますか?

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うーん、変わってるとは思うんだけど、あんまり思い出せない。結構早歩きでここまで来たから、そのときどうだったかがいまいち……。

──「友だちを殺してまで。」をリリースした頃は今振り返ってみてどうでしょう?

あのときは本当に何がなんだか全然わかんなかったです。今もまあ手探り感はありますけど、とりあえず何をがんばればいいかっていうのが少し見えてきた、かなー?

──当時は不安も大きかったでしょうしね。

元々働いてた会社を辞めたりもして、普通の道からだいぶそれたっていう自覚もあったので(笑)。今はこの環境にも多少慣れてきたけど、以前はやっぱりちょっと卑屈っていうか、の子さんが求めるものになれないとか、そういうことが結構つらかったかも。私が人を好きになりやすいから、メンバーとか周りの人に厳しくされたりすると「この人は私のことが好きじゃないのかな」って思って落ち込んだりとか。

──今はどうですか?

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もし好かれてなくても、私が好きならいいやみたいな感じ?(笑) 気にならないとか打たれ強いとかそういうことじゃないんですけど、なんか全体的に愛おしい気持ちになったんですよね。無償の愛というか(笑)。

──以前は自分に自信がなかったから、他人からどう見られるかが気になってたのかもしれないですね。

そうかもしれない。今も自信があるわけじゃないけど、でもがんばれば大丈夫って思えるようになったんです。かまってちゃんに入ってから今までいろいろあったけど、総合的にはいいことばっかりだったなと思うので。

──前向きですね。

やっぱりかまってちゃんをもっと続けたいし、続けるためにどうしたらいいかっていうのは考えたりしてますね。以前は、とりあえず今のうちらのまんまでどこまでできるかっていう感じだったんですけど、これからはもっと前を向いてやっていこうって思ってます。

レコーディングはお互いの信頼で

──今回のアルバムのレコーディングはどんな感じでした?

昔に比べたらみんな慣れてきてて、そんなに難産でもなかったです。それぞれが自分の意見を言ったり、譲るところは譲ったりして。

──バンドっぽくなりましたね。

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初期のレコーディングはがっつりみんな一緒に集まって、ほかの人が録ってるときもじっと見てたりしたんですけど、今回はいい意味でお互い信用して任せるところが多くなったんですよね。

──の子さんが1人で突っ走ったりふさぎ込んだりすることもなく?

今でもそういうモードになっちゃうときもあると思うんですけど、でも言葉で言ってくれるようになったかな。メールとかでも相談できるし。

──じゃあいい雰囲気で。

うん、悪くなかったと思います。

音楽はきちんとやりたい

──みさこさんは、自分がアーティストだっていう意識はどのくらいありますか?

うーん。私の場合、かまってちゃんは活動も特殊だし、バンもん!もやってるしで、音楽だけやってる人とは違うからこそ、音楽の部分はきちんとしてたいって思ってます。

──ドラマーとして成長したい?

うん、そうじゃないと本当にわけわかんなくなっちゃうから、ドラムはもっとうまくなりたいです。私自身はこんな感じだけど、ちゃんと曲を聴いてもらって、いい演奏を観てもらうっていう、そこがあるから面白いっていうか、そのギャップがいいんじゃないかなと思うし、そこがブレちゃったら本当につまんないと思うんで。

CD収録曲
  1. 知恵ちゃんの聖書
  2. 仲間を探したい
  3. 友達なんていらない死ね
  4. コンクリートの向こう側へ
  5. ベルセウスの空
  6. 雨宮せつな
  7. 2年
  8. らんっ!
  9. 鳥みたくあるいてこっ
  10. 花ちゃんはリスかっ!
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)

プロフィール画像

の子(Vo, G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。

2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」を発表した後、ワーナーミュージック・ジャパンと契約し、2010年12月にメジャーレーベルのワーナーから「つまんね」、インディーズレーベルのPERFECT MUSICから「みんな死ね」という2枚のアルバムを同時リリースした。

2011年4月にはバンド史上最大規模の会場となる両国国技館ワンマンライブを行う予定だったが、東日本大震災の影響により中止に。これを受け、4月から6月にかけて全国8都市を回るフリーライブツアーを敢行した。2012年 11月にはメジャー3作目となるアルバム「楽しいね」をリリース。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続け ている。


2012年11月21日更新